『ウルトラマンコスモス』第57話「雪の扉」

こんばんは、にしおです。
今日は『疾風迅雷舞』というライブに出させていただきました。
いつもと比べて客席とマイクが近すぎることに驚いたという相方が、珍しくネタ中にテンパりまくっててグズグズになっていました。
普段相方がこんなめちゃくちゃになることはあまりないので、マジでこのまま目の前で死んでしまうのではないかと一瞬思ってしまいました。そのくらい大変なことになっていました。

まあそんな過ぎた話はこのくらいにして、今日僕がお話ししたいのは『ウルトラマンコスモス』第57話「雪の扉」についてです。
以前にも軽くお話しさせていただいたのですが、僕がウルトラシリーズの中で最も好きなのがこの『コスモス』です。そしてシリーズでも屈指の神回として知られるこの「雪の扉」。
脚本は界隈ではお馴染み、あの太田愛様でございます。

軽いあらすじ
陸上部の地区大会に敗れ、目標を失っていた暁という少年。
彼はある日、トマノという老人と出会います。
トマノは、扉の向こうにいる「グラルファン」に出会おうとしていました。「グラルファン」は人の持つ思い出の風景を呼び起こし、思い出の世界に連れて行ってくれると言います。
やがて、トマノの持つカードに描かれた扉が開かれると、真夏にもかかわらず雪が降り始め、ついに「聖獣グラルファン」が現れます。

他作品でもそうですが、太田氏が脚本を担当される回は各作品内でも異質な回が多いとされています。
この「雪の扉」も御多分に洩れず、例えるとしたら「世にも奇妙な物語」の感動する回みたいな感じです。そして、これも太田氏脚本回のあるあるですが、この回「ウルトラマンコスモス」がほとんど登場しません。
あくまで主役は暁少年とトマノ老人の二人。

かつてはヴァイオリニストだったが、有名になることはなかったトマノ老人。それでも家族に囲まれて、有名でなくても確かな幸せがあったあの頃。
「グラルファン」を呼び出し、あの頃の思い出が再び目の前に現れた時、トマノ老人は気づくんですね。「どんな一瞬も一度きりだ。」と。
そして目標を失った暁少年にも、そのメッセージは伝わっています。
ラストにトマノ老人が暁少年に投げかける言葉は、何度見ても確実に涙腺を破壊されてしまいます。
そしてこの経験を経て少し大人になる暁少年。彼の、些細だけど確かな成長を感じさせるEDでの独白は、若い爽やかさと切なさの入り混じった素晴らしい終わり方です。
このエピソードはどのシーンを切り取ってもとっても美しい。そして切ないです。

加えて、何より素晴らしいのがトマノ老人を演じる天本英世氏の演技。
氏は仮面ライダーの死神博士を演じられたことでお馴染みですが、それとは打って変わってこのトマノ老人から滲み出る物寂しさ。この雰囲気があるからこそ、彼から発せられる言葉の一つ一つが体に染み込んでくるんですよね。

神秘的で、切なくて、ちょっと寂しい結末を迎えるこのお話。それでも、このお話が残してくれているメッセージはとてもポジティブです。
心が疲れている時、なんだかしんどい時に是非見ていただきたい、そんなお話です。絶対に後悔はさせません。

できるだけネタバレしないように書こうとしたら余計分かりづらい文章になってしまいました。すみません。
その割に結局物語の核心まで触れてしまいましたし。
しかし、映像で見た時の美しさ、そして演技の深みがすごいので、何度も言いますが見たことない人はぜひ映像でご覧ください。ほんと。

ありがとうございました。


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