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本職の右SBだけでなく複数のポジションをこなせるハマのユーティリティ選手

藤沢出身のヴェルディユース育ち


 中学生年代から東京ヴェルディの下部組織に所属していた和田拓也。2005年にはクラブユース選手権U-15ベスト4。また、U-15日本代表にも選出された。ヴェルディユースへと昇格すると、1年生からベンチ入り。しかし、2年生になると柴田峡監督の意向もあり出場機会が激減。3年生になると、主戦場を中盤からサイドバックに変えて出場機会を得るように。

そして、プロの舞台へ


 両サイドで高いレベルを発揮していた和田拓也の実力はトップチームからも注目されると、2008年にトップチーム昇格が決定。
翌年、トップチームに合流すると当時の高木琢也監督(現大宮アルディージャ)に見出されると、昇格1年目から右サイドバックとして開幕戦に出場。ルーキーイヤーは出場5試合に終わってしまったが、2010年には川勝良一監督(現サッカー解説者)によりボランチ起用をされると出場機会が増えると共に更なる和田拓也の成長を見せる結果となった。
 2011年には再びサイドバックのレギュラー選手として大きく飛躍。また、U-23日本代表にも選出される。(当時21歳。現在のU-23日本代表で言うのであれば、浦和レッズ所属の橋岡大樹、サガン鳥栖所属の原輝綺等が当たる。)
 これからのクラブを背負う選手として期待されていた矢先に、東京ヴェルディの経営難から育成金収入を得るためにクラブ側が放出を決断。
2013年にACL(AFCチャンピオンズリーグ)へと出場するベガルタ仙台へと完全移籍。

新天地仙台・大宮へと渡った一年。

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(大宮アルディージャ公式サイト引用)

 ベガルタ仙台へと加入した和田拓也は、ボランチと両サイドバックを出来ることを評価されるが、チーム事情もあり左サイドバックのレギュラー候補として期待されていた。開幕戦にはスタメンでの出場を果たすも、その後はベンチ外も増えリーグ戦4試合、ACL4試合の出場に留まった。

 同年8月11日、「ボランチとして勝負したかった」という本人の意向もあり、和田拓也をボランチとして評価していた大宮アルディージャへの完全移籍を発表した。
 大宮は和田拓也の完全移籍を発表した日と同時にベルデニック監督の交代を発表。代行として、岡本武行GMが指揮する事になった。すると、ここで後に横浜F・マリノスへの加入するきっかけになるであろうあの人物と再会する。その人物とは、2006年にA代表のヘッドコーチ、2010年9月からはロンドン五輪出場を目指すU-23日本代表のヘッドコーチに就任といった数々の経歴を持つ小倉勉。(現横浜F・マリノススポーティングダイレクター)
 和田拓也はU-23日本代表に選出された際に小倉勉がヘッドコーチをしていた事もあり、和田拓也の良さを知っているから連れてきたと言っても過言ではないだろう。

J1リーグ優勝経験のあるサンフレッチェ広島へと。

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(サンフレッチェ広島公式サイト引用)

 約4年半過ごした大宮を退団し、2018年よりサンフレッチェ広島に完全移籍加入。
3月10日、第3節鹿島アントラーズ戦で移籍後初得点を記録し、勝利に貢献。
 シーズンを通して右サイドバックとして出場。翌年19年からは、フォーメーションが4-4-2から3-6-1に変更。主戦場を右サイドバックからボランチへと移したが、若手の台頭などもあり出場機会を減らした。

※昨年の広島は不動のボランチであるキャプテン青山敏弘(元日本代表)や、柴崎晃誠(元日本代表)、稲垣祥(現名古屋グランパス)、松本泰志(コパ・アメリカ日本代表選出経験あり)、森島司(E-1サッカー選手権2019選出経験あり)といった日本代表レベルの選手が多数いた。
その為、中盤の熾烈なレギュラー争いがあったと考えられる。

後の2019年J1リーグチャンピオンチームへと。

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 (横浜F・マリノス公式サイト引用)

2019年3月22日、横浜F・マリノスへと期限付き移籍が発表された。(また和田拓也を連れてきたのはスポーツダイレクターの小倉勉と言っていい。)
和田拓也の良さを知る小倉勉。そして、小倉勉が横浜F・マリノスの目指す攻撃的サッカーに合うと思い出場機会が激減した和田拓也に声をかける形になったのではないかと考えられる。また、小倉勉との信頼関係があったからこその移籍になったのだろう。また、この頃の横浜F・マリノスはサイドバックが負傷者続出により緊急補強をせざるおえない状況であったからとも言える。


 サイドバックとしての出場機会を得ていたものの、6月29日のJ1第17節FC東京戦から出番を失う形となった。
12月7日のJ1第34節FC東京戦で、扇原貴宏の出場停止処分を受け、ボランチに起用された和田拓也。横浜F・マリノスに加入してから初のボランチでの起用、過去に所属していたクラブでボランチ起用があったとはいえ、この試合は優勝決定戦とも言える大一番。
 しかし、和田拓也は我々の想像を遥かに超える大活躍を見せた。
ボランチとして効果的な動きとパスの配給。1点目、2点目に関与するプレーを見せた結果、見事に横浜F・マリノスの15年ぶりとなるJ1優勝に貢献した。

 また、2019年12月23日。横浜F・マリノスへの完全移籍を発表した。
横浜F・マリノス公式サイトにて和田拓也は
「完全移籍で加入することになりました。来年は今年よりも良いシーズンになるように頑張っていきます。応援よろしくお願いします。」とコメントを残した。

 和田拓也は自らの力で完全移籍を勝ち取ったのである。
横浜F・マリノスに加入してから様々なミスがあったりしたものの、チームに貢献する活躍を見せてきた和田拓也だからこそ勝ち取ったと言っても良いだろう。

最後に。

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(横浜F・マリノス公式サイト引用)


 現在、リーグ戦は再開されていないが7月4日から再開されるJ1。
 一体、和田拓也がどのポジションで出場を果たすのか。またどういった活躍を見せてくれるのか。
そういった所に注目しつつも和田拓也をこれからも応援していきたい。

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