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THANK U 4 UR OMOTENASHI

アルゼンチンのブエノスアイレス。
女一人旅で1番困るポイントは、夜の独り歩きと寂しいご飯時間。
そんな問題を解決できるのが、Airbnb体験だ。

まだ対応ができていない国もあるけれども、アルゼンチンでは2018年力を入れ始めているところだった。その中でも口コミが高かった料理教室に参加してみた。

素敵でオススメできる体験だと思ったので、忘れないように書いておきたい。

アルゼンチンの夕食の時間は、驚くほど遅い。
一般的に9時くらいに夕食をとる。仕事が終わり、一旦家に帰ってから、夕食に出かけるのだ。お店の営業時間も混雑のピークはその時間だ。

6時にご飯を食べようと思うと開いていないお店も多いので、注意が必要だ。観光客に向けたお店は、6時から営業しているので、問題ない。

9時にお家へ。心配なのは集合場所までの道のり。
ちょっと前に着くようにUBERでお願いして、直接教えてもらった住所の場所まで向かう。パレルモというおしゃれな店が集まる閑静な住宅街の一角だ。

家の入り口は小さく見つけられなそうな見た目だった。
少し前に家に着くと、参加予定の老夫婦も案内されるところだった。

イギリスから観光で2週間ほど。ゆっくり過ごすという老夫婦と私の3人が今晩のゲストだった。入り口の細い通路を歩くとスタイリッシュな家具かすっきりと並ぶ1階へ通される。簡単な挨拶の後、ドリンクを聞かれ、2階へと上がる。

1階とは、また違う暖かさとポップさのある2階は、ロフトくらいの大きさ。大きな窓から出られるバルコニーはその部屋の3倍の広さがある。趣味の良いテーブルに腰掛けて、少し待つことに。外からは見えないブライベートなバルコニーは居心地がよく、他のゲストのお二人との自己紹介をしあう。

イギリスの文化や現状、お年寄り世代と若者の価値観、物価の感覚などを話せるのは面白い。私自身日本という国を見直す機会にもなるので、旅の楽しみの一つだ。日本語ツアーも知識が深まり楽しいけれど、英語のツアーに参加するのも悪くないと思っている。

しばらくすると主催の男性が、赤ワインとオードブルを持ってきてくれる。空きっ腹にこれはまずいかなと思いつつも、いい雰囲気と美味しいチーズとオリーブをにワインが進む。主催の男性は、英語も上手でわかりやすい。わからない単語があると、ゲストのイギリス紳士がわかりやすく説明してくれたので、今日のメンバーは当たりだ。

楽しくゆっくりとした時間に、少しずつ緊張がほぐれたところで、1階のキッチンに呼ばれる。お料理担当は、主催の男性の妹が担当だ。彼女は少しの英語しかできないため、兄が通訳をしてくれる。そこにサポートの男性も加わり、全部で6名。キッチンに入っても余裕だったので、海外の間取りを羨ましいと思う。

妹は、はにかみながら自己紹介をしてくれ、これから作っていくアルゼンチン料理の説明をしてくれた。本日のメニューは、アルゼンチンのソウルフード“エンパナーダ”だ。エンパナーダは、いわゆる揚げ餃子だ。日本との違いといえば、お肉と混ぜるスパイスのチョイスだろうか。

下ごしらえは済んでいて、具材を炒めるところまでは眺める。皮を伸ばし、包む作業をみんなで行う。調理実習のようで楽しい。

ゲストの紳士は、「私は料理はいい」なんて遠慮しがち。奥様に勧められ、渋りながら作っていた光景が、年季の入った夫婦の素敵な掛け合いだった。どの国でもみられる暖かい光景に「結婚っていいな」と思う。

お店で売っているエンパナーダは、揚げるのか焼くのか、どちらの工程もあるそうだ。お店で揚げてあるエンパナーダは、油が悪く、胃がもたれるので、買うならば焼きエンパナーダをオススメされた。今回はホームメイドということで、新鮮な油で揚げていただく。

揚げたてを1口。
美味しい。
お店で食べたものの比じゃない。もう一度言う。美味しい。

2階へ移動し、6名でテーブルを囲み、アルゼンチンでの生活や休暇の過ごし方なんかを話す。アルコールが入ることで、思考が大雑把になり、自分の英語力や文法についてのこだわりがなくなる。スペイン語しか話せない妹も、英語が拙い私も、気持ちでコミュニケーションはどうにかなるものだ。

話も盛り上がってきたところで食後のデザートだ。プディングに濃厚なミルクジャムがかかっている。”ドゥルセ・デ・レチェ”といって、こちらもアルゼンチンの代表的なお土産の一つだ。キャラメルのような味でとても甘い。私は赤ワインと一緒にいただいた。

余談だが、南米でよく飲まれているマテ茶。カフェインが高く、高揚し過ぎてしまうため、アルゼンチンの人も6時以降は飲まないようにしているそう。「コーヒーは飲むのか」と聞いたところ、朝は起きたらコーヒーを飲むと言っていた。もちろん人によるが。

楽しい時間はあっという間に過ぎ、時計の針が11時をさしていた。wifiがないと携帯が使えない私のために、主催の彼がUBERを呼んでくれた。
代理で呼んで、直接決済ができることを初めて知った。

滞在先からは、少し距離があったため夜のドライブを楽しんだ。アルゼンチン人と交流して思うことは、誰もが夜の独り歩きをしないように、忠告をしてくれることだ。

それだけ治安が悪いことも感じ取れるので、前評判として“南米の中では治安がいい”と聞いていても、細心の注意が必要だ。
どのドライバーも車の中から、私がアパートの中に入っていくところまで、しっかりと見送ってくれた。

そんな危なく温かい国アルゼンチン。ブエノスアイレス。異文化交流を趣味とする人にとって、Airbnbのお料理教室や飲み歩きの体験に参加することは、すごく良い。
一人旅の思い出にもオススメできるお教室だった。


旅のこと文章のこと写真のことを主に載せています。フォトアルバムと同じタイトルの文章があるので、そちらを読んでいただくと、より旅の面白さが伝わります。#旅と写真と文章と