見出し画像

THE KISS

夜行バスに乗って朝一のウィーンに着く。LUXとは大違いな劣悪バスで全然眠れていない。着いただけ良しとする。ガイドブックもなくGoogleがうまく繋がらない。ここは一体どこなんだ。

やっとこさネットをつなぎ、トラムに乗ってみたら乗り換えに失敗し、朝から場末のカフェで気持ちを立て直す。人生でこんなにうまく事が運ばないことも珍しい体験。もっと気分の上がるカフェにすればよかったけれど、今となってはあの田舎のドトールみたいな場末感が懐かしい。

最後の2泊を楽しむウィーンは美術館を楽しみにしている。クリムトとバベルの塔だ。

まずは今までの疲れを取るためにスパへいく。この旅まさかの2度目のタイスパ。結構ハードなものだったけれど、宿の近くだったので荷物を預かってもらえてよかった。現金支払いってところが厄介だったけれど。

さっぱり気持ちも仕切り直せた。

スパからも近くのヴェルデーレ宮殿へ向かう。早くもウィーンのメインイベント。クリムトの「接吻」をみる。上野でクリムトの展示を予習していったおかげで楽しみはMAX。「ユディト」がこの美術館にとって大きな展示でこれが日本に来てることに改めて驚く。すごいことだ。

「接吻」の前にマリーアントワネットやナポレオンの肖像画があることに驚きだ。そもそも宮殿大きい!

クリムトの作品は、女性がどれも美しい。
色合いが可愛いって程度でしか捉えていなかった「接吻」。
少女のような可憐な女性に対し、男性の顔色は浅黒くて嫌な感じがしたし、実は女性の足元は地面ぎギリギリで、蔦のようなものが巻きついている。女性の感じる幸せは、すごく不自由で不安定。30歳もすぎると染みてくるメッセージ性に胸が苦しくなった。その時代でクリムトに出会っていたら、とても憎くて愛おしい存在になったんじゃないかな。出会わなくてよかった。

ゆっくり展示を見させてもらって、満足したところで宿へ向かう。
今日の宿はAirbnbで、市内で働く方の家を1部屋借りることに。他にインド系の男の子も長期大祭しているみたいで、1番Airbnb感のある宿だった。初めての宿泊だった友人には、ちょっと気が休まらなかったかもしれない。2人旅慣れしていなくて申し訳ない。

THE KISSのフォトアルバムはこちら


旅のこと文章のこと写真のことを主に載せています。フォトアルバムと同じタイトルの文章があるので、そちらを読んでいただくと、より旅の面白さが伝わります。#旅と写真と文章と