心とは複雑なもので

両親と共に雪国といわれる地に降り立った。

雪国といわれる地は、冬の名残りがありつつも新緑が所々みえる。

これから私は、初めて実家を出て4年間ここで暮らすのだ。

まだここで暮らしていく実感はないけど、両親から解放されることは嬉しい。

空港から大学の寮に着くまでの2時間、今まで見たことがなかった一面の田園風景にはしゃいでガラケーで写真を撮っていた。

「これからずっと見る景色なんだから、そんなに撮らなくてもいいだろ。」と車を運転していた父に苦笑いされた。

必要な買い物や転入の手続きを済ませ、寮の部屋をある程度一緒に整えてくれた後、

両親は「身体に気をつけてね」とか、「ご飯をきちんと食べるのよ」とか話してベットタウンにある実家へ帰っていった。

寮の部屋の扉を閉めて1人になった時、やけに静かでシン…としていてよく分からない気分になった。

今ならば分かる。

私は全く知らない土地で両親と離れることが心細かったのだ。







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