コーヒーのために料理をするはずが。
コーヒーのブレンドを作るために何が必要か考えたときに、これはやはり日常の感覚の積み重ねという結論に至る。
味の引き出しを常に増やしていく、そこにはまだ知識のないコーヒーを焙煎したり味を知っていくということもあるが
コーヒーに限らず、口に入るものは極力舌のどこでその味を感じるかとか、後味がどんな風に残っているかなどその感覚を意識するようにしている。
コーヒーの味を表現するときによくフルーツの名前を使う。
今ではありがちなことだが。
フルーツ言うてもコーヒーだし
と、ちょっと前まではその表現にも抵抗があった。
まだコーヒーに関してよちよちな頃、取り扱っているコーヒーの説明一覧を求められた。
頑張って作成したにも関わらずその完成品に驚愕。
・甘い香りとすっきりとした口当たり。爽やかな後味
・爽やかな酸味と適度なコク
・重厚感のあるコク、爽やかな後味
爽やか満載w
コーヒーって苦いもんでしょ?爽やかってw
今となれば苦いだけじゃないことを容易に説明できるが
上記のような説明の仕方じゃ「爽やか」「コク」「すっきり」みたいに
ひどくぼんやりしたものとなり
「これとこれはどう違うの?どれも一緒じゃん」
と、一人ツッ込みを入れることになる。
そうしてフルーツなりで表現するスペシャリティの指標は納得できたわけだ。
「柑橘」という言葉。この言葉は気を付けないと多用してしまう。
この言葉で例えられる酸味や甘味や香りは多い。
オレンジでもバランシアなのかシトラスなのかブラッドなのか
はたまた日本のみかんなのか
それをジュースなら100%なのか30%なのかファンタなのか
それともフレッシュなのかドライなのか
イチゴならそのまんまか熟したのかジャムなのかチョコなのか、コンデンスミルクかけたイチゴなのか
もともとある様々な引き出しに照会をかけ割り振っていく。
味を覚えるとお客様への説明が流暢になる。
そして、ブレンドを作るうえで沢山の(調味料)要素が増えるわけだ。
そして私は考えた。
よし、料理をしよう。そして思い描いた味を再現したり美味しいものを作っていけば、これはコーヒーに反映されるに違いない!
こうして相方に頼み込み、夕飯を当面は私が作るようになった。
と、言っても前から少しずつ作るようにはなっていたので
よちよち歩きから50mを7秒切れ!とか棒高跳びで6m跳べ!!というようなハードルの高さではない。
が、しかし、子ども3人いるので香辛料大好きな私の好きな味を作れるわけではなく。
ちょっとお子様ンなご飯を作るのだ!!
コーヒー同様感覚でやるのだが、最初のうちは味付けが濃くなったいたものが塩梅が分かってきた。
調味料の掛け合わせや料理酒の意味が分からなかったけど分かるようになってきた。
どこに行きたいか分からない支離滅裂な味がまとまるようになってきた。
野菜の皮が早く剝けるようになってきた(ピーラーはもともと使わない)。
正直仕事後に気力を振り絞るからキツイ。
しかし料理を始めると集中するから疲れを忘れる。
そして最初はだらだら時間がかかっていたけど、どんどん調理時間が短縮されてきた。
もはやコーヒーに繋がるか分からないけど、楽しい。
まずは1週間。冷蔵庫が空になるまで頭と体を動かした。
子どもたちは最初、私が暴君なので気を遣って「おいしい」と言ってくれていたのかもしれないが
本心で言ってるのも分かるようになったきた。相方はいちいち感激してくれるから感謝だ。
ところが。
少しずつ慣れが見えてきた矢先、中2の長女がぼそっと言った。
「カロテンが、ないよね。今日のごはん」
家庭科で勉強してきたことを活かしているのは褒めたいが
さあどうだ、うまいウェルカム!と思っていたのに膝カックンされた気分だ。
こういうことだけは熱心に勉強しおって!!好きな食べものは甘いもの、チーズ、脂っこいもののくせに!!
そこからは栄養バランスを更に考えるようになった。
栄養の領域へいくともうコーヒーとか関係ない。
必死で大量に作っても、明日の朝ごはんのために残りはしない。
くそっ成長期め!!そして夕飯は10分くらいで終了する。
食うな!!。。。いや食っていい!!いやでもちょっとは残してほしい!!!
もう自分はどこへ行きたいか迷子w
でも、、、いつかコーヒーに繋がると信じたい。
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