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あの配管は今 ~築58年の駅前ビル・空調冷却水配管~

明けましておめでとうございます。
本年も変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。

最近は厳しい寒さが続いてますが、いかがお過ごしでしょうか?
今回は、そんな寒い時期ですが「とある現場」で空調冷却水配管の抜管作業現場に立ち会う機会をいただきました。

その様子を動画でも公開しております。


NMRパイプテクターを導入した1966年竣工の東京駅前ビル

「とある現場」とは、以前に当社製品「NMRパイプテクター」を空調配管に設置し導入した東京駅前ビルです。
当時このビルは築50年が経過しており、亜鉛めっき鋼管(SGP)を使用しているため赤錆腐食劣化が進み、設置前に採水したところ水の色は薄茶色に着色し、水中の全鉄値は11mg/lと非常に高い鉄分値が測定される状態でした。

全鉄値11mg/lの採水ボトル(※イメージ)

この赤錆による赤水、または劣化の進行を防止するために赤錆防止装置「NMRパイプテクター」を設置することになりました。
設置から10ヶ月、採水ボトルから鉄分値を測定すると0.1mg/l未満まで大幅に減少し、水の色も透明になり良好な状態に変化が表れました。

設置から10ヶ月後の採水ボトル

この測定結果は、今(2024年時点)から8年前のものです。
では、その設置した配管は今どうなっているのでしょうか?

設置8年後の配管

話を現場に戻します。
昨年度末頃、その駅前ビルで屋上防水工事を行うにあたり、屋上に接してる古い配管を除去し、移動することになりました。
その切り取られた配管の内側を見ると…

実際の抜管された配管内部

58年前の古い配管ですが、内側はとても…………白いです。
雪でしょうか?(違います)

これはカルシウムスケールが付着したもので、工場などで問題となる固く剥がれにくいものと違って、ブラシで擦ると簡単に落ちる軟らかいスケールです。
抜管当時、立ち合った大手ゼネコンの作業員の方7,8名と当ビルの施設管理部長の全員がこの配管内部を見て驚いていました。
スケールが薄く付着してることに加え、築58年の建物にも関わらず赤錆劣化がまったく見られなかったからです。
「こんな状態は初めて見た」と口々に言い、第三者の目から見ても良好な状態を保っていました。
これは該当の配管に設置したNMRパイプテクターの「赤錆を体積が10分の1の黒錆に変化させる効果」が継続し、赤錆劣化を完全に防止して古い配管を延命させている状態と言えます。

配管内部を徹底調査

当社はこの抜管された配管の一部をサンプルとしていただき、社内で詳細な調査を行いました。

スケール除去の様子

まず、内側に付着したスケールをブラシで除去します。
軟らかいスケールのため、簡単に落とすことができました。
さて、スケールを除去したあとの配管を見ると…

黒い層が見えてきました。
これは黒錆によるもので、「NMRパイプテクター」の配管内部に発生した赤錆を黒錆に還元する効果が発揮されている証拠でもあります。

次に、この配管の厚みの測定を行いました。経年劣化した配管は赤錆など様々な要因から厚みが薄くなります。
特にライニング工事はサンドブラストで赤錆層を削り取ることから配管自体を内側から削ってしまうため、配管の内側は薄くなり、そこから穴が空き漏水が発生するケースも少なくありません。

ノギスを使い、サンプルの4か所(A~D)の肉厚を複数測定しました。

断面図から見た測定箇所のイメージ
ノギスで測定する様子

測定すると、4か所ともすべて5.9㎜でした。
JISの規格では新しい200A亜鉛メッキ鋼管の肉厚は5.8㎜とされており※、
5.9㎜と比較すると、ほぼ新品配管の状態と変わらないことになります。

※参考文献:日本規格協会 配管Ⅱ(2006年版)

最後に

配管延命のために、当社のNMRパイプテクターはオフィスビルだけでなく、マンションや病院、ホテルなど様々な建物で導入されてきました。導入する際は、採水や内視鏡調査等の効果検証を行うことで効果を確認してきましたが、今回はこのような機会に恵まれ設置後の築58年の古く最も太い内径200mの本配管内部を調査し、赤錆劣化が完全に防止されている状態を確認できました。
調査の結果から、NMRパイプテクターの効果は一時的なものではなく、築58年の古い配管でも継続して延命効果が発揮されているとの認識ができました。

もし赤水や漏水等の被害、または大規模修繕工事で配管を更新するかお悩みの方は、一度検討されてみてはいかがでしょうか?

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