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環境問題解決型有給インターンのすすめ

はじめまして!2023年3月までピリカで長期インターン生として勤務しておりました、杉浦菜月と申します。この4月より他社へ新卒入社いたしまして、ピリカのインターン生活を卒業いたしました。

この記事では、私の約2年に渡るインターンシップ経験を振り返りながら、
「ピリカでのインターンシップでは、どのような経験ができるのか」
「お給料をいただきながら社会課題の解決に携わることの大切さ」

の2点について、できるだけイメージしやすく、具体的にお伝えしていきたいと思います。

まずは自己紹介

私は小学生の頃から環境問題に強い関心を寄せており、特に地球温暖化問題に強い恐怖を感じていました。というのも、私が小学生の頃って、メディアがしきりに温暖化を取り上げ、氷が溶けて街が水没するCGや、森林火災の映像を流していたので…。子供心に強い恐怖心を植え付けられたのだと思います。
成長するにつれて、今すぐにこうした大惨事が起こるわけではないということは分かってきたものの、やはり緑豊かな自然が失われたり、また資源が高騰して自分の家の電気代が高くなったり(笑)するのは困る!と考え、将来は環境問題に関わる仕事に就こうと決意していました。

しかし、私は文系学生。環境にやさしい技術を開発するという方面からの貢献はちょっと難しく…。そこで私は、人の心の動きから環境問題にアプローチできる社会学・社会心理学を専攻し、人間の環境配慮行動に関する理論や、その行動を促進するための環境づくりの手法を学びました。
しかし…。いざ社会に出て「さあ、環境問題解決のために働こう!」と思った矢先に直面したのが、「せっかく大学で「人の心の動き」を学んだのに、それを現実の制度として具現化させる方法を何も知らないじゃん…」という失望感。

知識があっても、それを現実化させる方法を知らないと、問題解決は前に進まないと感じ、進学して政策や制度の設計を学ぶために、国際協力学の修士課程に進みました。
そして無事に2023年3月に修士課程を卒業し、4月からは社会課題解決に携わるコンサルタントとして働いています。

ピリカとの出会い:「環境系の有給インターンがしたい!」→発見!

私がピリカを見つけたきっかけは、大学4年の春(2021年の2月)にアルバイト募集サイトで応募を見つけたことでした。
ずっと環境問題に携わるインターンシップがしたいと考えていた私。大学入学後、定期的に「環境 インターン」と検索しては求人を探していたのですが、そんな私の前に立ちはだかっていた壁が、多くのインターンが「無給」であったこと。
厳しい懐事情を抱える学生の私は、たとえ将来の夢に近づくためであっても、学業に加えて無給でお仕事をする余裕はありませんでした。

また、適切な責任感を持って仕事に携わる上では、「自分の働きにお金をいただいている」というプレッシャーを感じ続けることは非常に重要だと考えていたので、どうしても有給のインターンシップがしたい…。との思いで検索を続け、ついに!やっと!とうとう!2021年の1月にピリカを見つけたのです。
早速募集要項に目を通すと、「科学技術の力であらゆる環境問題を克服する」というピリカの理念にも、「社員と同じ評価制度でインターンも評価する」という姿勢にも、非常に誠実さを感じたので、応募を決めました。

専門性が見つかるまで:「仕事は取りに行くもの!」とはどういうことか体感する

さて、無事に選考を終えてピリカに入社した私ですが、特に即戦力となるスキルを持つわけではありません。
そこでまず社長の小嶌さんに教えられたことが「仕事は振られるまで待つのではなく、取りに行きなさい」ということ。

当然、社内の方々は、入ったばかりの私がどんな仕事をこなせるのか、全く知りません。だからこそ、まずは、「杉浦は与えられた仕事はきちんとできる」という信頼感を持ってもらわないと、大きな仕事は任せてもらえない。小さな業務をこなして実績を積み重ね、「この仕事は杉浦にやってもらいたい」と思ってもらえるように頑張ろう!と気合を入れました。

そこで私は、ピリカの社内連絡ツール「Slack」の通知に気を配り、ピリカ初心者の私でもできるような業務を目を皿にして探して、とにかくできることは何でも拾って、動画への字幕付け、議事録作成、タカノメ調査、勉強会、定例ミーティングの出席…、私の存在を知ってもらうことと、ピリカという企業のサービスを理解することに努めました。

そして入社から半年が経過し、そろそろ自分の所属(どの部門&どのチームの仕事を主にやるか)を明確にしようという時期がやってきました。
そこで私が所属することになったのが、コンサルティング事業部の「流出ごみ資源化チーム」でした。

ピリカで所属した専門領域:流出ごみ資源化チーム

2021年9月に小嶌さんから「お手伝いしてほしいことがある」とお声がけいただいたのが、流出ごみ資源化事業との出会いでした。

ここでまず、「流出ごみ資源化事業」とは何か、ご紹介いたします。
ピリカは、SNSピリカを通して皆様にごみを拾っていただいております(いつもありがとうございます!)。しかし、このごみ達は現在、「拾ったことで得になる」ものではありません(物質的に、です。精神的/社会的にはポジティブな影響がたくさんあります)。

時には、ごみを回収すればするほど、回収者がその処理費用を負担しなければならなくなり、損をしてしまうこともある。だからこそ、フリーライドしてごみを自然界に流出させてしまう人がいるわけです。

それでは、もしごみが新たな原料になったら、つまり、ごみに「原料」という付加価値が付いたらどうでしょうか。付加価値を評価してごみを買い取ってくれる人が現れれば、回収者の損を無くす/減らすことが可能になります。
この「付加価値を付ける」ための事業が、流出ごみ資源化事業です。

《ピリカが提供する4種類の「ごみの流出対策サービス」》

この業務の中で私が携わることができたのは、主に2つのプロジェクトでした。
1つは、一般社団法人F・マリノススポーツクラブと横須賀市によって行われた、人工芝をマーカーコーンへとアップサイクルするプロジェクト「SHIBA-Up」
これは、サッカー場から流出する懸念のある「人工芝」(緑色のプラスチックでできている本物の芝に似せて作られたプラスチック)を回収し、サッカー場で使われるマーカーコーンへと生まれ変わらせるというものです。

「サッカー場から摩耗した人工芝がごみになって、でもそれが製品となってサッカー場に帰ってくる」という、単にごみをアップサイクルするだけでなく、そのストーリー性まで意識して、マーカーコーンの製作が決まりました。

しかし、ピリカは工場を持っていません。マーカーコーンを作る金型は持っていない…。
ということは!お願いするしかない!ということで私は、
「ひたすら、ひたすら、マーカーコーンを作っているメーカーさんに連絡をする」というミッションに挑戦することになりました。
マーカーコーンの試作を引き受けてくれそうなメーカーさんを地道にリストアップし、一つずつコンタクトを取り、どうにか試作をお願いする…というこの過程は、私が初めて自分で頭を使って情報を集め、小さな成果づくりに向けて努力した貴重な体験でした。

最終的には、マリノスさんからご紹介いただいたモルテンさんにご協力いただけることになり、無事に素敵なコーンが出来上がりました。
アップルサイクル品は、ごみの比率を高めれば高めるほど製品は脆く壊れやすくなってしまうため、製造の難易度は上がります。しかしモルテンさんは、人工芝ペレットと石油由来のペレットの配合比率を細かく調整し、少しでも人工芝の比率を高められるように試作を何度もトライしてくださりました。

本当に、関わらせていただけたことに大感謝です。

《SHIBA-UP 記者会見の様子》

もう1つは、ボーイスカウト日本連盟様が実施した「プラごみバスターズ大作戦」内の一大事業である、「牡蠣パイプを買い物かごへとアップサイクル」プロジェクト。

牡蠣パイプとは、牡蠣を養殖する際に使われるプラスチック製のパイプのことです。牡蠣養殖が盛んな地域の周辺では、このパイプが漂着し、海洋ごみ問題として深刻化しています。

《大量に漂着する牡蠣パイプ。このカラフルなもの全てパイプです》

これに着目されたのが、青少年による社会貢献活動を主催しているボーイスカウト日本連盟さん。2023年にボーイスカウト日本連盟が100周年を迎えることを記念して、山口県周防大島にて牡蠣パイプを回収して再資源化するという事業を行うことになりました。

ピリカは回収作業から運搬、破砕、加工処理、買い物かご製造の各工程を担ってくださる企業様たちのコーディネートを行い、結果作られた買い物かごの数、なんと400個
これらは、事業をご支援くださったセブン-イレブン記念財団様とのコラボレーションとして、四国地方のセブン-イレブン店舗に設置いただく予定になっています。

ここでも、牡蠣パイプを破砕・加工してペレット化してくれるメーカーさん探しや、その過程における準備(メール連絡、ミーティングでの議事録とり等)に携わらせていただきながら、牡蠣パイプというごみが道具に生まれ変わっていく様子を間近で見させていただきました。

《買い物かご、完成!!》

他にも色々やらせていただきました

専門領域として流出ごみ資源化チームに属していた私ですが、他にもいろいろなお仕事をやらせていただきました。

例えば、海洋プラ問題の啓発講義の「えひめビーチクリーンスクールin松山市中島」
南海放送さん主催で、愛媛県中島にて行われたこの講義は、小学生たちと一緒に砂浜でマイクロプラスチックを採取した後、海ごみの問題について講義をさせていただきました。

他にも、立教大学の「立教サービスラーニング((Rikkyo Service Learning:RSL))」のスポット講師として、大学生の皆さんに海洋ごみ問題の最前線で働くピリカの事業についてご紹介する機会もいただきました。

ほんとに…いろいろやらせていただいたな、自分…。

後悔のない2年間でした!

大学(院)生活をどう過ごすのかについては、様々な意見があると思います。

  • 「インターンなんてしないでもっと遊べ!働くことは今後いつでもできる!」

  • 「勉強をしなさい勉強を。学生の本分をなんだと思っているんだ」

本当に色んな声を今まで耳にしてきました。でも私が間違いなく今言えるのは、ピリカに出会えて、ここでインターンができて良かったということ。
良い人たちばかり、環境にも社会課題全般にも意識が高く、かといって高すぎて不寛容になることもなく…バランスの取れた素晴らしい人ばかりと一緒に仕事ができて、私は幸せでした。
(あと社内の皆さんが常に私の学業や余暇について心配してくれたので、私も躊躇いなく(笑)全力でお仕事ができた…✨)

大学生活を送っているor送ろうとしている皆さん、ピリカや、ピリカのような素敵な会社でインターンをしながら過ごすことを、ぜひ検討してみてくださいね💛