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「おもしろい」か「おもしろくない」か



ひたすらもがく。行先も決めぬまま。
ゴールを決めてしまうと歩けなくなるような気がして。
おもむろにパソコンを立ち上げる。書くことは決めてない。
自分が文章を書いていることなど夢なんじゃないかと時々思う。もし夢だったらまた塞ぎこんでしまいそうだ。
書こうと思っていたものはもう思い出せないが、今日もたぶんまだ生きられる。


・・・


僕は、読書感想文が大の苦手だった。

本を読んだ後の感想なんて、結局「おもしろい」か「おもしろくない」かしかない。それで十分なはずなんだ。誰かに細かく語る必要なんてない。でも、自分の感想をなんとかかんとか薄く引き伸ばして、20×20の紙を埋めて、先生に提出する。意味が分からなくてたまらなく苦痛だった。

みんな読んでくる本はバラバラだった。ジャンルも、難しさも、分量も。でも、感想文の最後の一文は決まって「おもしろかった」だ。

くだらない。

本当におもしろかったと感じた子もいたのだろうが、大抵の子は読んだ本の内容を並べて、合間に「~がおもしろかった」を挟むだけ。なんでそうなるかって、その本がその子にとってつまらないもので、それ以外なんの感情も湧かないからだ。だから、「おもしろかった」を接着剤に、つまらない文章を並べ、「おもしろかった」で締めるしかなかった。面白くなくても。


一度だけ、「おもしろくなかった」という感想文を書いたことがある。
いつぞやの夏休み。読んだ本が当時の僕には少し難しくて、ちっとも面白いと思えなかった。だからどうしても原稿用紙を埋められず、一度自分の思うように好きなだけ「おもしろくなかった」を書いて、親に見せた。

『こんなんアカンやろ。やり直せ。明日もっかい図書館行って、おもろそうな本借りてこい。』

本を読んで、面白くなかったから、面白くなかったと書いた。
僕は読書感想文を書いた。でもそれは、読書感想文にはならなかった。僕の本当の感想は、親や先生が求めている感想とは違っていたから。
結局、次の日に家にあった適当な本で適当に感想文を書いた。その本も別に面白くなかったが、もうどうでもよかった。黒く塗りつぶせば浮き上がる、嘘の下にある痕跡こそが、僕の本音だった。

僕は、読書感想文が大の苦手になった。


・・・


考えるのは好き。
でも、違ったものを強制されるのは嫌い。
僕は僕が「おもしろい」ことだけしていたい。

今はnoteで毎日「おもしろい」に触れている。「おもしろい」と思わないものは出さないし、「おもしろくない」ものにはスキもコメントもしない。時間が無くて読めていないものもかなり多いが。

僕がフォローさせていただいている方々は僕が面白いと思った人たちだけなので、スキにもコメントにも嘘はない。

僕が書くものもそう。若干のフィクションがあるっちゃあるが、ギリギリまでリアルを書いている。リアルなんて、自分ではもう何回も食べた味。食べなくてもわかるぐらい。でももっと食べていたい。それが一番「おもしろい」から。


ひたすらもがく。ゴールも決めぬまま。
ゴールを決めてしまうと歩けなくなるような気がして。
ゴールにたどり着くためだったら、書いていても面白くない。ずぼらな僕はきっと近道を探してしまうから。

ただ書いているだけなんだから、自分の好きな言葉を選べてもいいよね。
学校の先生に見せるようなくだらない文章は書かないからさ。



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