見出し画像

夕暮れ・晩夏

雨上がりの曇り空。日が落ちかけて、少しだけ暗い。街頭や車のランプがぽつぽつと光りだす。昼と夜がとろけあうこの時間帯が好き。寝るにはまだ早いのに、電車を待つ駅のベンチで寝てしまいそうになる。今までどこに隠れていたのか、涼し気な風が雨の香りを乗せて街に吹き、水たまりを揺らし、僕の首筋をふっと撫でる。僕は思わず身震いした。からっと晴れた日の爽やかな風もいいけれど、分厚い雲の下ひゅるりと吹く灰色の風も好き。



電車に揺られている。外は涼しいのに、電車の中はなんだか湿っている。歩いて帰ればよかったと後悔した。窓の外を見た。向こうの空が燃えるように赤い。とても綺麗だ。橋の上を電車が通る間、僕はゆったりと空の赤を堪能した。電車を降りると、辺りはだいぶ暗くなっていた。電車に乗って別世界に来たみたいだ。風は灰色から黒くなり、僕の前髪をかきあげる。僕は前髪が乱れるのが嫌いで、向かい風にはいつも顔をしかめる。少し冷える。暑いだけの夏はそろそろ終わりだろうか。さて、木曜日は皆の涙が溜まりやすい。また落ちてくる前に帰ろう。



#ピロリ日記 #日記 #エッセイ #コラム #雑記 #毎日更新 #毎日投稿 #毎日note #生き方 #生きづらさ #ライフスタイル #ひとりごと #夏 #晩夏 #風 #夕方 #曇り空

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?