週刊少年松山洋_タイトル_修正

第189号『初めての病院で既にカルテがあったミステリー』

その日は朝からなんかダルくてちょっと熱っぽいのは事実だった。

いつものように“前日の酒がまだ抜けないな”くらいの感じでいたんだけど、どうも熱が抜けない。

見かねた秘書が“社長、病院に行ってください”と言いながら調べてくれて東京スタジオがある大井町の病院を検索してくれた。

“体が資本です”

そう言いながら渡された地図を片手にスタジオを出た。

秘書の優しさをかみしめつつも

“病院で「特に何もありませんよ」と言われれば秘書も周りも納得するだろう”」

くらいの感覚で病院に向かった。

その病院は意外と大きかった。

“大井町にこんなデカい病院があったんだ”

そんなことを思いながら受付に到着。

“初めてですか?どうされました?”

受付でそう聞かれて

“初めてです、なんか熱っぽくて”

と答えると

“こちらの用紙に記入をお願いします、あと保険証を提出してください”

と言われて記入して保険証も提出した。

ちょっとだけ待った後にすぐに呼ばれた。

“松山さん、1号室に入ってください”

1号室に入ると先生が座っていた。

問診の後に熱を測ったら38.7度もあった。

ダルいわけだ。

そのあと綿棒を鼻の中に突っ込まれたりしながら検査を受けて先生に言われた。

“インフルエンザですね、本日より5日間はお仕事は休んで誰とも接触しないようにしてください”

普通にショックだったけど、インフルエンザだけはどうしようもない。

“一体どこで感染したんだ?いや、それよりも既に秘書や他のスタッフに感染させてないか?自分が東京スタジオで触れたデスクやドアノブとか全てを消毒させなきゃ”

そんな心配事をしてると先生が更にショックなことを口にした。

“松山さん、ココ初めてではないですよね?”

“?……いえ、初めてですよ?”

何を言い出すんだ?この先生……とか思ってたら

“以前も来られたことがありますね”

“いや、だから無いですよ、初めてです”

何だ?何を言ってるんだ?

“2015年9月、確かに来られてますよ。ここにカルテがあります”

ドクンッ

熱っぽい体が更に大きく脈を打った。

“なんだ?それ……俺自身にこの病院の記憶は無い……ぞ”

“この先生が嘘を言っているのか?”

“しかしカルテがある?”

“2015年?”

“なんだ?何が起きてるんだ?”

一体自分自身に何が起きているのか?2015年に何があったのか?

このあとはこの事件の【解決編(反撃編)】をお送りします。

良かったらこの謎の真相を見届けてください。

【解決編(反撃編)】

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