外伝カット

『チェイサーゲーム 外伝 -破邪の封印編⑥-』

これは漫画『チェイサーゲーム』の外伝シナリオになります。

最終回の第6話です。

単行本出版時に描きおろし漫画として掲載予定の原作を先行公開するという暴挙企画の予定、だったのですが全6話構成という大ボリュームになってしまったので発表・掲載の方法はまた追って考えます。

この『外伝』は漫画『チェイサーゲーム』に登場するウオカワ(魚川貴央)を主人公とした物語です。

これは―――ひとりのゲームクリエイターの誕生の物語です。

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【チェイサーゲーム 外伝 -破邪の封印編⑥-】

週末に新幹線で神戸に戻ってきた。

そして妹を呼び出して父と一緒に3人で話をした。

マルチ商法を始めたきっかけは“友人から誘われた”と言っていた。

“仕事に良し悪しは言いたくないがマルチ商法は違うだろう?友達も家族も傷つけることになるからやめるんだ”

そう伝えても最初は“別にマルチ商法だなんて思っていない!”と逆上したが、感情が爆発したのか途中から違う話を始めた。

“なんでウチは普通の家庭と違うの?”

“友達の家族はみんないつも一緒にいる”

“ウチみたいにバラバラじゃない”

女性特有の感情の爆発からかねてより胸に秘めていた思いがさらけ出されたようだった。

“それは人それぞれだよ”

いくら言い聞かせようとしても泣きながら高ぶった感情は収まらない。

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