週刊少年松山洋_タイトル_調整

「昔のゲームの方が面白かった」という人達へ

「昔のゲームっていろんな意味で想像できる余地があったと思うんです。けど現在のゲームはすごく描写がリアルでなんでもしっかりと演出が施されていてスゴイとは思うのですが、ユーザーが想像する余地があまりにも無いと感じています。ゲームって昔のようなプレイヤーに想像させる余地を残したタイトルってもう出ないんでしょうか?」

という質問をいただきました。

結論から言うと“出ません”。

だいたいこういう質問をしてこられる方は30代・40代・50代と年齢が高めの傾向にありますが、私はこういったことを聞かれた時には質問を質問で返すようにしています。

「では、あなたが最近買って遊んだゲームソフトを教えてください」

ってね。

そうするとほとんどの方が

「いやー、最近のゲームは遊んでないですねー。持っているゲーム機もスーファミ・64・GC・PS2くらいで止まってますねー」

って言われるか

「最近のゲーム機はだから買う気になれないんですよ。なんでも豪華すぎて。もっと想像できるゲームがいいんだよねー。昔は良かったよねー。『FF6』とか『クロノトリガー』とか『ライブアライブ』とかさー」

っておっしゃられることが多いです。

ええ、ええ、おっしゃってることも気持ちもわかります。

私も大好きですよ。

『FF6』や『クロノトリガー』や『ライブアライブ』。

あの頃のゲーム最高ですよねー。

けどね。

誤解を生むかもしれませんがそれをわかった上で、ここはあえてわかりやすい言い方をさせていただきますね。

「あなたはお客様ではありません。ただ“昔は良かった”って言いたいだけの人ですよ」

*****

買って遊んで楽しんでいただくのがお客様

実際の話、この質問者と同じ気持ちで作られた“ある種むかしのような想像の余地を残したまるでスーファミの頃のようなゲームが大好きな開発者がその情熱だけで作った作品”というものは現在もたくさん作られていて世界中で発売されています。

それを伝えてもだいたい

「えー?ホントにー?そんなのがあるって知らなかったー。全然宣伝してないんじゃないの?」

って言われます。

メーカーはそれがダウンロード専売タイトルであれ、スマホのゲームであれ、その作品を届けるべき人に届けるためにそれこそ血眼になって宣伝をしています。

それが目に入らないのは見てくれていないからです。

商品の宣伝というものは“伝える人”と“受け取る人”がいて初めて成立するものです。いくら一生懸命伝えても“受け取る側が見ていなければ”届くものも届きません。

そしてもうひとつ。

世界中で作られた“懐古的なまるでスーファミのようなゲーム”は開発者の熱意によって定期的にリリースされていますが、やはり売れません。売れていないのです。

(なので冒頭の答えである“出ません”は、正確には“実際には出てるけど知らないでしょ?買う気もないですよね?実際売れてもないし”という意味が含まれています)

私自身も“あの頃のゲームソフト”は大好きですし、なんならもう一度時代があの頃のように戻ってくれれば、開発費や開発期間も何十分の1にできるしリスクもずいぶんと減ります。

けどね。

時代は絶対に逆行しないのですよ。

*****

時代も進化も不可逆である

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