週刊少年松山洋_タイトル_修正

1人の編集が担当している漫画家はのべ200人

前回の記事“第115号『イラストレーターを安易に目指すな』”が沢山の人に読まれています。

2018年4月からこのnoteで『週刊少年松山洋』を始めてから1番読まれた記事になりました。

それだけ関心の深い内容だったということでしょう。(良かった)

今回はそれを受けて漫画業界の話をしたいと思います。

私が大好きな漫画の話。

まぁ、ぶっちゃけ少年ジャンプの話ですが。

以前、少年ジャンプ編集部の“ある人”と飲んでる時に聞いた話です。

編集担当って何人の作家を担当してるの?

“少年ジャンプって次から次に新しい作家がデビューして新しい作品を生み出されてますが、それっていったいどれくらいの確率なんですか?”

「確率って?」

“あー、いや、少年ジャンプって定期的に新連載がスタートするじゃないですか。だいたい3本ずつくらい。で、それと同時に3本くらいが打ち切りになっていると思うんですけど。いや、少年ジャンプの仕組みは知ってますよ?編集部の各担当がそれぞれの作家を抱えていてその中から連載ネームを提出して会議をした上でスタートする物と打ち切られる物が決定されるってこと。もちろんジャンプに載ったから必ず売れる!ってわけじゃないこともわかってます。けどこれらの新連載って編集にとっては毎回が真剣勝負のレースなわけじゃないですか。同じ作家で駄目だったら次!ってこともあると思いますし、別の作家で次の連載ネームを提出することもあるわけじゃないですか。そうなるとそもそも編集は(ちょっと言い方が悪いかもしれませんが)たくさんの作家を自分の武器として持ってないといけない。じゃあ、その編集さんが一人で抱えている作家ってどれくらいいるんだろう?って思いまして。また同時にその中から最終的に連載ネームが回って少なくとも土俵に立てる確率ってどんなものなのかなって、いや、聞いていいのかわかんないですが、もし教えてもらえるんなら教えてほしいです”

「あー、そーゆーこと?つか松山さん相変わらず話が長いね、途中で寝そうになったよ」

“すんません”

「そーだねー、まず他の編集のことは知らない。みんながどれくらいの作家を抱えてるのかもわからない。それぞれだからね、ウチは」

“はい、ジャンプ編集部はお互いがライバルだってことは知ってます(それは『バクマン。』にも描いてあったしそれ以前から知ってます)”

「まー、だからあくまで僕個人の話しかできないけど」

“はい!”

「僕が抱えている作家はだいたい30人くらい」

“30人!?”

「その中から連載ネームに回せる人間はだいたい常に5・6人くらいかな」

“5・6人!?”

「そんなもんだよ。で、常にその5・6人が30人の中でグルグル入れ替わる感じかな」

“なるほど。時期やタイミングによって求められるジャンルや作風に合わせて作家を抜擢するような感覚ですね”

「まぁそうだね」

“ちなみにその30人の作家さんはやっぱり持ち込みだったり手塚赤塚賞の応募の中から選んでる感じですか?”

「あー、いやそうじゃない、違うね。電話や持ち込みレベルの話からするのであれば抱えてる作家は200人くらいだよ?」

“200人!?!?”

1人の編集が担当している漫画家はのべ200人

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