第140号『キングダムハーツⅢ』ミニゲーム事件

サイバーコネクトツーの業務部・宣伝広報チームを対象に毎週『勉強会』を実施しています。

詳しくは以前紹介したこちらの記事をご参照ください。

毎週こういった勉強会を10人規模で実施しているので1年間だと数百件以上の質問にその場で答えて、それを録音しておいて社内スタッフに毎週共有しています。

ただ1年以上続けていると参加スタッフもだんだんなんかユルイ質問をしてきたりするようになってきます。

先日出てきた質問がコレ。

“社長は今『キングダムハーツⅢ』を遊ばれていると思いますが所感をお聞かせください”

“なんだこりゃ?”

とは思いましたが質問者の女性スタッフに

“ん?なに?何が聞きたいの?”

と尋ねると

“いえ、社長が遊ばれているのをツイッターで拝見しましたので感想を伺いたいな、と思いまして”

と返ってきたので

“んん~?そうか?本当に?真意はそこじゃあないでしょ?きっとあなたが遊んでいて【思うところがある】から俺に所感を聞きたいってことなんじゃあないの?”

って言うとようやく

“あー、はい、実はその通りです、社長は今どこまで進んでますか?トワイライトタウン?あー、それならもうじきだと思いますがこのあと『レミーのおいしいレストラン』をモチーフにしたミニゲームが登場するのですが、ぜひそれを遊んだあとに感想を聞きたいです”

と言ってきたので

“ほほう、で?あなたは実際の所そのミニゲームを遊んでみてどう思ったの?なんかあるんでしょ?”

“はい、そのなんていうか、料理を作るミニゲームなんですけど、その遊びがあまりにもシンプルというか、「え?これで料理を作ったって言えるの?」って思ってしまいまして”

そこまで聞いて私は最後にこう答えました。

“よし、わかった。俄然プレイの続きが楽しみになってきた。今夜間違いなくそこまではプレイするから明日また俺の感想をあなたに伝えるよ”

それからその日の夜に私は嬉々として『キングダムハーツⅢ』をプレイしてスタッフの話にあった例のミニゲームを遊びました。

―――翌日

私は質問者のスタッフに内線して話をしました。

“お疲れ、早速だけど昨夜例のミニゲームをプレイしたよ”

“あ、どうでした?”

“オマエ、なんもわかってねーな!あのミニゲームはあれでいいんだよ?あれでちょうどいいの!そもそもミニゲームの立ち位置わかってる?つか『キングダムハーツ』ってゲームのメインは何?キーブレードを使った気持ちのいいアクションと仲間たちとの連携にそれぞれのアビリティ含めた成長要素でしょ?謎の多い魅力的なストーリーを追いかけながらそのアクションを楽しむ冒険がメイン、その幕間に入るちょうどいいスパイスとしての遊びがミニゲーム。本作は広大なフィールドの中にたくさんの素材が落ちていてその中のひとつが【食材】で、その【食材】を一定数集めるとメニューの中の料理が作れる(遊べる)ようになっていて、更に完成した料理を食べるとパラメーターが一時的にアップするという形でアクション部分にもフィードバックしてるわけなんだから。逆に言うとゲームを進行しながら「そろそろ【食材】も溜まってきたし料理のミニゲームやっておこうかな」って思った時にメニュー画面から【料理】を選んでパッと遊ぶポジションなんだよ。だからそれぞれの料理に対してミニゲームで使用するボタンやスティックの数が2つとか4つとかに限ってあるんだよ。パッと画面を見た瞬間に何をやるミニゲームなのかをプレイヤーに把握してもらう為のシンプル性なの。あれ以上足しても駄目だし引いても駄目、あれぐらいがちょうど良いの。昔ね、『俺の料理』っていうゲームソフトがあってそれはコントローラーをフルに使ってミニゲームやりながら料理を作っていくってゲームだったけど、それとこれとはまるで違うからね?『俺の料理』はそれがメインの遊びなの、だから後半は押さなきゃいけないボタンの数も多いし難易度も高くなるよ。けど『キングダムハーツ』はそうじゃあないでしょ?そのタイトルの本質がどこにあるのかをキチンと見極めないと、つか、オマエが開発部のスタッフだったら本格的な説教になってる話やぞ、これ、いや、開発部とか業務部とか関係ないわ、同じ社内で開発スタッフが色んなことを考えてモノ作ってるすぐ傍にいる業務部の人間だってそれくらいの感覚は持ってないと社内でスタッフと話ができんぞ?仮にオマエが過去に猟奇殺人鬼に両親を殺され祖父の家に引き取られた後も心神喪失状態でそんなオマエの心の隙間を埋めてくれたのが1本のビデオでそれが『レミーのおいしいレストラン』で、だからオマエには他の人とは違って『キングダムハーツⅢ』に登場する『レミー』に特別な思い入れがあってなんならこんなミニゲームじゃあなくて『レミー』でワールド1個まるまる作って欲しいって思ってたという気持ちがあって過度な期待をしてミニゲームを遊んだ感想がソレだったとしても、ああ、うん、駄目だ!そんなことは関係ない。駄目な物は駄目だ!もう少し学べ!そしてもっと考えてから発言しろ、だから、こうして図らずしてnoteの【週刊少年松山洋】で晒されることになるんだよ?わかった?まあいいや、これがお前が聞きたがっていた俺の所感だよ!”

“ふう~(深呼吸)”

そう言うとスタッフは静かに頭を下げてゆっくりと自分の席に無言で戻って行きました。(横でこの話を聞いていた上長の“たっしー”がフェイスタイム越しにチラリと見えましたが眉間のしわが凄かったです。いや、言いたいことはわかるよ、たっしー、これでもう誰も『勉強会』の場で俺にゲームの感想とか言わなくなるだろうね、わかってるよ、けど、ね、あまりにも、あんまりだった、か、ら、はい、すいません、気をつけます、このあとちゃんとフォローしました、はあと)

以上、【『キングダムハーツⅢ』ミニゲーム事件】でした。

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私もそんなあなたが大好きです!ありがとうございます。
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松山 洋 サイバーコネクトツー

株式会社サイバーコネクトツー 代表取締役 ゲームソフト開発タイトル代表作『.hack』シリーズ 『NARUTO -ナルト- 疾風伝 ナルティメット』シリーズ 『ジョジョの奇妙な冒険』 著書『エンターテインメントという薬』『熱狂する現場の作り方』漫画『チェイサーゲーム』

#ゲーム 記事まとめ

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コメント4件

たっしー…
なんというか社長は、昔のF1レースみたいにギアがローとハイしかないんでしょうか^^;
めちゃくちゃおもしろいwww
さすがパワハラで有名な企業なだけありますね!
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