週刊少年松山洋_タイトル_修正

初めて遊んだゲームは何ですか?

ゲームクリエイターという仕事をしていて、尚且つ代表をやっているとインタビューや番組などで結構な頻度で聞かれる質問がコレです。

“初めて遊んだゲームは何ですか?”

初めて我が家にファミコンが来たのが私が中学二年生の時でした。もちろん親に買ってもらったのですが。その時に同時に買ってもらったソフトが『マリオブラザーズ』でした。

これです。

固定画面アクションゲームで下水道から出てくるカメ・カニ・ハエとかを駆除していく面クリア型のゲームです。

そんなに何本もゲームソフトを買ってもらえる家庭ではなかったので数年はこれ一本で兄弟で遊んでました。

1Pと2Pでマリオとルイージをそれぞれ操作して同時プレイが出来るのですが、結局は“殺し合い”に発展するやつです。

なので冒頭にあるような“初めて遊んだゲームは何ですか?”なんて質問をいただいた時にはいつも

“最初に遊んだゲームソフトが『マリオブラザーズ』だったからですかね、結局は兄弟でいわゆる【殺し合い】プレイを延々とやって楽しんでいたのですが、今こうして思い返すとあの頃からかなぁ、【対戦するゲームの面白さ】を知ったのは……”

なんてことを答えています。

ひょっとしたら同様の私のインタビューや動画を見たことがあるという方もいらっしゃるかもしれませんね。

さて。

改めて告白しますが。

完全に嘘ですね。

あ、いや、初めて買ってもらったゲームソフトが『マリオブラザーズ』であることは事実ですし、それを兄弟で延々と遊んで繰り返し殺し合いをやっていたことも事実です。

ただ、【初めて遊んだゲーム】と言うとやはり嘘になります。

だって中学2年生ですよ?その前にゲームに触れてないわけがありません。

本当のことを言うと、たぶん最初に遊んだゲームは当時のゲームセンターです。そして『スペースインベーダー』か『クレイジー・クライマー』です。

小学生の時に遊びました。

インタビューなんかでも最初は本当のことを答えてました。

“最初に遊んだのは『スペースインベーダー』か『クレイジー・クライマー』です”

ってね。

けどね、インタビューアーはその後に必ずこう聞いてくるんですよ。

“やはり最初に遊んだゲームが今の松山さんのモノ作りに与えた影響ってあるんでしょうね。どんなところだと思いますか?”

もう、ね、これが、ね、辛くて仕方が無かったんですよ!

だって、正直に言いますよ?

無いんですよ?何にも!

『スペースインベーダー』や『クレイジー・クライマー』からは全く何も影響を受けて無いですし何も感じ取って無いんですよ!

だからインタビューアーに聞かれても

“いや、特に影響は受けて無いですね”

とバカ正直に答えると

“あ、そーですか”

ってなって話がそこで終わるし

“え、アレ、これ、俺、全然面白くない奴になってない?”

って思ったりして毎回モヤモヤしてたんですよ。

それが続いて、もうなんか自分が嫌になってどっかのタイミングから“よし、余計なコトは言わないでおこう”って思ってゲームセンターのエピソードを語らなくて済むように“我が家に最初にファミコンが来たのが中学生の時でして”と語り始めてそれから『マリオブラザーズ』の話に繋げるようになってしまったのです。

あ、なので正確には【嘘】ではありません。

余計なコトを言っていないだけです。

しかも『マリオブラザーズ』の【殺し合い】の要素から今現在サイバーコネクトツーが数多く手がけるゲームタイトルの【対戦】という要素にエピソードとして繋がるので、こんなに綺麗なことはありません。

繰り返しますが、私は【嘘】は言っていません。

余計なコトを言ってないだけなのです。

誰も傷つけることなく事実だけを述べて尚且つ相手の期待にも応えることが出来て自身の仕事にも繋がる都合の良い組み立て方。

これを私は【高山】と名付けました。

“高い山の頂を指さすことで目の前にある麓に意識を向けさせない”精神的ミスディレクション技法からその名をつけました。

私のインタビューや記事や動画の会話の中には“ある一定の割合”でこの【高山】が隠されています。

なんでもかんでも正直に答えていては決して面白くはならないってコトですね。(ぶっちゃけました)

さて。

後半部分はそんな私の最近の【高山】エピソードをこっそりと紹介します。

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世界で一番くだらない会話
-私って何歳に見えますか?編-

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