アルプスの人材課長イトウ

長野県の中央アルプスと南アルプスに挟まれた伊那谷出身。高校時代は山岳部所属。 人材サー…

アルプスの人材課長イトウ

長野県の中央アルプスと南アルプスに挟まれた伊那谷出身。高校時代は山岳部所属。 人材サービス会社の人事部に所属しつつ、小規模な企業や団体を対象に、組織づくりやキャリア支援を行っています。

マガジン

  • 副業コンサルのススメ

    副業でコンサルティングを行う価値について考えた記事です。

  • 中小企業のマネジメント再生

    中小企業の組織改善の相談相手としての活動を通して学んだことを書いていきます。

  • 「マネジメントをする力」を育てる

    「マネジメントをする力」は育てることができるのか? その実践の記録。

  • 理想の組織探訪記

    「地方就職を促進する」というプロジェクトの一貫で、地方にある「人を大切にする企業」を取材することになりました。インタビュー取材の裏側で、筆者が感じたことを書いたレポートです。 ちなみに本編記事は以下サイトで公開されています。 https://local-syukatsu.mhlw.go.jp/company_dx/

  • 自律経営研究会

    自律経営研究会のまとめ記事を掲載しています。

最近の記事

小さなコトの革命

前回の記事で、業務改善プランナー*の仕事と可能性について紹介したが、今回の記事では、実際に自分が企業に入っていって活動をした際に、どんな様子で、何を考えながらやっていたのかを、状況がわかるように説明していきたいと思う。 *業務改善プランナー・・クラウドワークス社とテクノポート社が連携して実践する「業務改善プロジェクト」で、小規模事業者の支援を行う人。 困っていることは何か中央線を横断して1時間。ハイキングの時に降りるイメージのある高尾駅でテクノポートの徳山社長と待ち合わせ

    • 一般会社員のための副業の新しいカタチ

      クラウドワークス社より、中小企業向けにクラウドソーシングを普及させるプロジェクトについて、プレスリリースが出された。(業務改善プログラム) 自分は、昨年より、業務改善プランナーとして取組みを試行的に行いつつ、このプロジェクトの推進に関わってきた。 ここでは、なぜ自分が業務改善プランナーを行おうと思ったのか、また、このプロジェクトが、中小企業にもたらす効果と、副業をしたいと考える一会社員にとってどんな意義をもっているか、という点について書きたいと思う。 業務改善プランナーの役

      • 自省録~部下にダメ出しされた日に考えたこと

        年の瀬も差し迫り、職場もなんとなく慌ただしい。意識は来年のことに向いている、クリスマスの日の話。 午後、Aさんと来年の組織についての提案を管理者2人で聞くミーティングの時間をもっていた。 自分の属している部署はちょっと特殊で、国や自治体の公共事業をまるっと受託して運営する部隊だ。自分がマネジメントしているチームの一つは、40名超のメンバーで、地方就職支援のプロジェクトを担っている。スタッフはこのプロジェクトのために契約している人たちで、子育て中の方や早期退職した方などが多

        • なぜ多くの中小企業に外部の支援が届かないか

          前回のコラムで、ひょんなことからある企業の後継者の相談相手を行うことになった経緯を書いたが、組織に外部の人間が入ることの重要性を強く実感したので、そのことについて書いておきたいと思う。 社内の話を聞いていると、驚くほど進化が止まってしまった状態に出くわすことがある。 パソコンが重くて動きが遅いことや、小口現金の管理や、備品のクリーニングの仕方まで、様々な小さなところにその様子は見てとれる。 誰かが面倒で更新を止めてしまった物事が化石のように残り続け、小さなボトルネックを作り

        マガジン

        • 副業コンサルのススメ
          3本
        • 中小企業のマネジメント再生
          5本
        • 「マネジメントをする力」を育てる
          3本
        • 理想の組織探訪記
          3本
        • 自律経営研究会
          2本

        記事

          企業における「マネジメント」の発生

          6月のある日、参加していたイベントで、「家業を継ぐために実家に戻った」という若い男性の話を聞いた。 彼(Tさん)はアパレルの仕事をしていたのだが、辞めて、この4月から、埼玉にある実家の部品製造会社に戻って働き始めたという。 働き始めて2か月だが、思った以上に会社に課題が多く、悩んでいるとのことだった。 話を聞いてしまった手前、なんだか放っておけなくなってしまい、帰りがけに、「何かできることがあれば協力したいから、今度会社に行くので話を聞かせてください。」と言った。 こうして、

          企業における「マネジメント」の発生

          縮小社会における自治の実現の一片

          富山県南砺市利賀村(とがむら)に移住した友人から、「利賀地域でも小規模多機能自治に挑戦しているんだけど、なかなか進まないからちょっと手伝いに来て!」というヘルプ要請があり、「元気づくり部会」のワークショップでファシリテーションをすることになった。 10年間個人的に通っている村に、フリーだったころに学んでいた「小規模多機能自治」づくりを手伝いに行くことになるとは、本当にどこで縁がつながるのかわからないものだ。 小規模多機能自治とは(総務省ページ) 5年ほど前から、当初から関

          縮小社会における自治の実現の一片

          セルフメンタリングの実践

          前回の記事では、チームメンタリングの実践について書いた。 そして、1回目の記事で、チームの自律は個人の自律が前提であると述べたが、今回は、個人の自律を促す手法「セルフメンタリング」について説明したいと思う。 「人間としての成長」とは何か?セルフメンタリングの中身に入る前に、その前提となる「人間としての成長とは何か」ということについて考えてみたい。既に大人になってしまった自分たちは、いったい、何をもって「成長した」と言っているのだろうか。 「職業人としての成長」はわかる。経

          セルフメンタリングの実践

          チームメンタリングの実践

          先々月から、自分のチームで、いつもの業務遂行のためのミーティングとは別に、週一で「個人の成長を促すためのミーティング」というのを始めた。 仕事は常に外から持ち込まれる。チームに新しい仕事が加わったら、メンバーはそれに対応しようとする。 研修でもOJTでも、仕事を遂行するためのスキルの学習は重視される。 しかし、実行主体であるメンバーの「人としての成長」は個人任せだ。 特にプロジェクトリーダーのような仕事は、スキルだけ身に着けてもできるようにならない。 「マネジメント研修」を受

          チームメンタリングの実践

          「マネジメントする力」を育てる

          先日、新しく自分の配下になったプロジェクトチームのリーダーと面談を行った。 下半期の個人の目標設定を行う時期なのだが、彼が作った目標の下書きを見たところ、いかにもやっつけで設定していたような内容になっていたので、「ひょっとして目標設定の意味がわかっていないのでは?」と思って尋ねてみたらやっぱりわかっていなかった。 そこで表題のような図を書いて、目標設定をする意味、つまり、単に業務をやり切ればよいだけじゃなく、そこには「個人としての成長」が必要であることを説明した。 説明しなが

          「マネジメントする力」を育てる

          「マネジメント」再考と実践

          昨年から「人と組織のマネジメント」について多く学ぶようになりました。 元から興味のあった分野でしたが、新たな視点を持つことでこれまで見えなかったことが多く見えるようになりました。 今年に入って、本業や個人活動で実践に移す機会が増えてきたので、ちょっとダイジェストで振り返ってみようと思います。 ■学んだことはじめは、ドラッカーのマネジメント論の再解釈から始まりました。 こんな勉強会を開いたりしていましたが、「マネジメント=管理」ではなく、もっと人を活かす術のようなものだという

          「マネジメント」再考と実践

          対話記録~「理念」の進化

          近年、経営理念を掲げる企業は増えてきた。 しかし、理念がどこまで組織に内在化しているかということを考えると、実現できている企業はどれくらいあるのだろうか? 経営理念とは、本来、経営者個人の内側から発せられる「思い」に基づいて打ち立てられるものでなければならない。 今回は、これまでも理念を掲げて建築事務所を経営してきた羽ヶ埼建築士が、あることをきっかに思いと理念がつながった瞬間について語ってくれた例を紹介する。 (2018年10月23日~10月26日にオンライン上で行われ

          対話記録~「理念」の進化

          【裏レポート】理想の組織探訪~島根電工編

          数字では見えない企業の価値を伝え、新しい就業先の選択軸を伝える「人を大切にする企業」特集。 全5回の最終回は、島根県にある島根電工㈱に行ってきた。 本編記事はこちら 島根電工は、公共施設の電気設備の設置等を行ってきた設備工事の会社だが、2000年以降公共事業が減少の一途を辿る中、個人宅向けのサービスを増やして成長を続けている会社だ。 また、週3日のノー残業デーや、子育て支援も手厚く、離職率1%と、働きやすさの代表のような会社となっている。 人口が少ない山陰地方、減る公共事

          【裏レポート】理想の組織探訪~島根電工編

          【裏レポート】理想の組織探訪~ネッツトヨタ南国編

          数字では見えない企業の価値を伝え、新しい就業先の選択軸を伝える「人を大切にする企業」特集。 今回は、高知県にあるネッツトヨタ南国㈱に行ってきた。 本編記事はこちら ネッツトヨタ南国といえば、日本経営品質賞やホワイト企業大賞の受賞歴があり、全国約300社のトヨタ販売会社で10年以上顧客満足度No.1を獲得している、自律的な組織のお手本のような会社として有名だ。 飛び込み営業を廃止したり、社員を1番大事にする経営を徹底しつつ、この車が売れない時代に業績を向上させてきたことで、

          【裏レポート】理想の組織探訪~ネッツトヨタ南国編

          【裏レポート】理想の組織探訪記~但陽信用金庫編

          今やっている仕事で、サイトで地方の面白い企業を紹介する特集を行うことになり、今回は兵庫県加古川市にある但陽信用金庫という信金の取材に行ってきた。 本編記事はこちら ここは「よろず相談室」といって、金融のことに限らず、職員が町の様々な困りごとに対応している信金として有名で、坂本光司氏の「日本でいちばん大切にしたい会社6」に掲載されている会社だった。 外に出れない高齢者を病院に運ぶ移送サービスは毎日職員が交代で行っており、ボランティアといっても業務時間でやっているのでもはや社

          【裏レポート】理想の組織探訪記~但陽信用金庫編

          「マネジメント」の本質を考える会

          先日、知人の薦めで「ドラッカーと論語」(安富歩 著)という本を読んだら目から鱗の連続で、感動のあまりfacebookに投稿したことがきっかけで、「マネジメントの本質を考える会」をやることにした。 投稿に反応してくれた人が数名いて、とりあえずやってみようということでトライアルでやってみたところ、思った以上に深い学びになったので、当日の様子を備忘録的に残しておくことにした。 参加者は自分の他に2人。(3人でよかった。時間足りなかった。) Fさん:以前自分が障害者雇用の課題に対す

          「マネジメント」の本質を考える会

          「仕事」の融解

          最近「これからの仕事とは」みたいな話をよく見聞きしますが、昨日、訪問薬剤師の方の仕事を見学し、その後勉強会にも参加させてもらって既存の「仕事」の概念がゆらいでいることを実感したので、思ったことを備忘的にメモ。 ■技術職のサービス業化普段医療サービスの利用が少ない自分にとっては、薬剤師というと、薬局の奥にいて頼んだ薬を調合してくれる人」というイメージしかなかったが、訪問する薬剤師の仕事は全然違う。短い時間で患者や家族と関係をつくり、様々な情報を引き出し、それに基づいて最適な薬