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パイオニアー新フォーマットの"開拓"ー

YPの方はこんにちは、MTGプレイヤーの方は初めまして。Pitaと申します。

今回は10月21日に発表された新フォーマット「パイオニア」について書いて行きたいと思います。


1.新フォーマット「パイオニア」

日本時間の10月21日、禁止改定と同時に新フォーマットが発表されました。それが「パイオニア」です。
2011年にレガシーとスタンダードの間を埋めるためのフォーマットとしてモダンが発表されました。それは大きな盛り上がりを見せ、今日まで楽しまれてきました。
しかし今度はスタンダードとモダン、この2つのフォーマットの差が大きくなってきました。モダン最古のセットの発売が2003年なので、実に16年ものカードプールがモダンにはあります。これにより、「ローテーション後もスタンダードから去ったカードを使えるフォーマット」の役割が担えなくなってきました。
そこで発表されたのが、パイオニアというわけです。

パイオニアは、「ラヴニカの回帰」以降のセットが使用出来ます。これによりプレイヤー達は、モダンとは大きく異なる体験をすることになると思います。

2.禁止カード

パイオニアでは、早速禁止カードが制定されております。

《溢れかえる岸辺》
《汚染された三角州》
《血染めのぬかるみ》
《樹木茂る山麓》
《吹きさらしの荒野》

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の5枚です。これは「タルキール覇王譚」に収録された、フェッチランドと呼ばれるカード達です。フェッチランドとショックランドが組み合わさったマナ基盤は極めて強固で、3色/4色のデッキをあまりに簡単に成立させてしまうためです。これはモダンのマナベースとほとんど変わりません。運営は、「1つのデッキに最強のカードをどれだけ詰め込めるか」を決める戦いを防ぐために禁止にしたと発表しています。フェッチランド禁止により、スタンダードにより近い感覚でマナベースを作ることになります。

3.スタン外の注目カード

ここでは僕個人が注目しているカードを紹介していこうと思います。

⑴「ラヴニカの回帰」〜「基本セット2014」

《突然の衰微》

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3マナ以下の土地でないパーマネントを問答無用で破壊出来るカードです。モダンは勿論、レガシーでも打ち消されない除去として重宝されています。

《戦慄掘り》

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クリーチャーかプレインズウォーカー(以下PW)を破壊できるソーサリーです。モダン以下ではあまり見ることがありませんが、十分に強力なカードです。近年強力なPWが多く排出されていることもあり、注目に値するカードだと思います。

《死儀礼のシャーマン》

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モダンやレガシーで禁止カードとなった通称「1マナのPW」です。モダンやレガシーでは墓地対策だけでなく、マナ加速にも使われていました。しかしそれは、フェッチランドありきの話です。このフォーマットでは禁止カードに指定されていますので、下環境のような使われ方はしないと考えています。
しかしそれでも、モダンとレガシーで禁止カードに指定されたカードです。今後どういう使われ方をするのか要注目です。

《若き紅蓮術士》

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インスタントかソーサリーを唱えるだけでトークンを生み出す強力カード。レガシーで活躍したこのカードは、パイオニアでも活躍してくれるのか。

⑵「テーロス」〜「基本セット2015」

《太陽の勇者、エルズペス》

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プラス能力でトークンを3体も生み出すPW。最近モダンでは見なくなりましたが、能力自体はめちゃくちゃ強いので青白系のフィニッシャーになりえそうです。

《バネ葉の太鼓》

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アーティファクトデッキのマナ加速。【青単ストーム】等もいるであろうこの環境で、どんなデッキに使用されるのか注目です。

《アーティファクトの魂込め》

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通称ハサミと呼ばれたエンチャント。スタンダードやモダンで活躍したこのカードは、パイオニアでも真価を見せてくれるのか期待してます。

⑶「タルキール覇王譚」〜「マジック・オリジン

《時を越えた探索》

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モダンレガシーで禁止、ヴィンテージでも制限という超強力カード。ただ、下環境と違いフェッチランドの無い環境でどこまで猛威を振るうのか。ぶっちゃけ、青巨人で使い回せるだけでやばいので禁止候補の1枚だと思ってます。

《精霊龍、ウギン》

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8マナと超重量級PW。その分能力は強力なものが揃っています。ランプデッキ等でフィニッシャーとして使われるのでしょうか。

⑷「戦乱のゼンディカー」〜「異界月」

《塵への崩壊》

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特殊地形メタ。同名カードをデッキ手札墓地から全て追放するというふざけた能力。《死者の原野》があるこの環境でサイドに採用されるようになるのか。

《エルドラージのミミック》
《作り変えるもの》
《難題の予見者》
《現実を砕くもの》
《終末を招くもの》

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レガシーのエルドラージストンピィを中心に活躍する軽量〜中量級エルドラージ郡。《エルドラージの寺院》を始めとする2マナランドの無い環境で、エルドラージの冬のような侵攻を見せてくれるのか注目したいと思います。

《石の宣告》

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2マナでソーサリーになった《流刑への道》。ソーサリーとはいえ軽い追放除去なので、青白コントロールなら採用されるのではと思ってます。

《秘蔵の縫合体》

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ドレッジでよく見かけるクリーチャー。《墓所這い》や《恐血鬼》はいませんが、《ナルコメーバ》や《這い寄る恐怖》はありますので、パイオニアのドレッジが作られる日もあるのではないでしょうか。

《大天使アヴァシン》/《浄化の天使、アヴァシン》

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スタンダード時代、大いに暴れ回った天使。今はそれほど値上がってはいませんが、かつての青白フラッシュのようなデッキが開発される前に抑えといてもいいのでは。

⑸「カラデシュ」〜「破滅の刻」

《霊気との調和》
《ならず者の精製屋》
《霊気池の驚異》
《霊気拠点》
その他エネルギーカード

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スタンダード期に一時代を築いたエネルギーカード達。スタンダードよりカードプールの拾いパイオニアでも時代を築くことは出来るのか

《サヒーリ・ライ》

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《守護フェリダー》と共にスタンダードを荒らしまくったPW。最近《首席議長ヴァ二ファール》とのシナジーが見つかったので、今度は《守護フェリダー》共々禁止になるのでは。

《スカラベの神》

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スタンダードを席巻した神。ぶっちゃけ、めちゃくちゃお世話になったので活躍して欲しいと思ってます。

⑹「イクサラン」〜「基本セット2019」

《呪文貫き》

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1マナの打ち消し呪文。コンボ系のデッキが多くなるであろうこの環境で、コンボデッキの救世主となるか。はたまた最悪の敵となるのか。

《不滅の太陽》

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PW封じ、ドロー加速、クリーチャー強化をしてくれる伝説のアーティファクト。強力なPWの多いこの環境で、PW封じとして力を見せてくれるのか。

《ゴブリンの鎖回し》

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ドミナリアのトリプルシンボルサイクルの1枚。タフネス1の人権を奪った張本人。《若き紅蓮術士》や《僧院の導師》をまとめて吹き飛ばす場面に遭遇してみたい。

《運命のきずな》

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スタンダードで相当ヘイトを溜めた追加ターンカード。《荒野の再生》との組み合わせはパイオニアでも旋風を巻き起こすと思います。

《風景の変容》

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《死者の原野》と共に基本セット2020環境で大暴れしたコンボが、パイオニアで再び使うことが出来ます。スタンダードを追放された《死者の原野》はパイオニアではどうなのか要注目です。

4.流行りそうなデッキ

【サヒーリコンボ】

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《サヒーリ・ライ》《守護フェリダー》の2枚によるお手軽無限トークンコンボ。このデッキの特徴として、コンボパーツ以外何でもいいというところ。コンボに特化してもよし、別の勝ち筋を用意するもよし、わりと万能なデッキです。規制最有力候補。

【赤単】

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《稲妻》や《ゴブリンの先達》は無いが、《僧院の速槍》《大歓楽の幻霊》《頭蓋割り》等モダンの【バーン】を形成するカードがちらほら。他にも【ラムナプレッド】で活躍した《ボーマットの急使》《地揺すりのケンラ》《ラムナプの遺跡》、スタンダードで活躍中の《舞台照らし》《実験の狂乱》etc.....まさに近代アグロのオールスター。勿論《ボロスの魔除け》や《燃えがら蔦》といった強力な多色カードも使えます。
パイオニアが制定されてまだ数日、まだまだ手探りの中赤系のアグロがどれだけ結果を残すのか注目ですね。

【スゥルタイミッドレンジ

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《思考囲い》《突然の衰微》《暗殺者の戦利品》《漁る軟泥》《不屈の追跡者》《最後の望み、リリアナ》といったモダンの【BG】や【ジャンド】で活躍しているカードが使えます。そこに《金のガチョウ》《王冠泥棒、オーコ》の食物パッケージを積むだけで強そうです。どんな形になるか分かりませんが、単純にカードパワーが高いので【BG】系は流行りそうな気はしてます。

【バントスピリット】

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モダンの【バントスピリット】から使えないカードを探した方がいいのでは?と思うくらい多くのカードが使えます。モダンでも環境の一角を担っていたデッキなので活躍が期待されます。

【青白コントロール】

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《流刑への道》や《精神を刻む者、ジェイス》こそ無いものの、《至高の評決》《ドミナリアの英雄、テフェリー》《僧院の導師》は使えるパイオニアの【青白コントロール】。細かい除去の枠に何を取るか注目です。個人的には《石の宣告》になるのかと思います。

【シミックネクサス】

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スタンダードを荒らしまわった無限ターンデッキ。フルパワー+αでカードが使えるのでパイオニアでも台風の目になるのか。ただ、天敵である《時を解す者、テフェリー》も相変わらず同じ環境にいます。

【鱗親和】

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モダンでも活躍している【親和】の派生デッキ。《電結の荒廃者》等の電結カードは無いものの、《硬化した鱗》を筆頭に《歩行バリスタ》《搭載歩行機械》《鋼の監視者》とデッキの中核を担うカードは使えます。加えてクリーチャー版《硬化した鱗》こと、《巻きつき蛇》もいます。モダンフォーマットのGP横浜を制した【鱗親和】、パイオニアでもその力を見せてくれるのか。

5.今後の動向

今のところ年内は紙での大きなイベントの予定は無く、マジックオンラインで何度かPTQがあるそうです。そのメタゲームを見て、禁止カードを出して環境を整え、来年1月のGP名古屋を行うという形になると思います。なので、今しばらくはパイオニア用の大きな買い物は控えた方がいい気がします。近代MTGの業を詰め込んだ環境とまで言われてるらしいので。禁止にかからんであろう範囲でなら大丈夫では無いかと思いますが、用心に越したことはないです。
禁止候補としては、

《守護フェリダー》
《運命のきずな》
《モックス・アンバー》
《時を越えた探索》

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この辺りはイカれるのでは?と思ってます。上3つは凶悪なコンボデッキの中核ですし、《時を越えた探索》もフェッチが無いとはいえ手軽にアドバンテージを稼げる上に《奔流の機械巨人》で使い回せてしまうので危ないと思います。いずれにしても、この辺りに手を出す方は覚悟を決めて望んだ方がいいでしょう。

6.最後に

今しばらくは混沌とした環境の続くフォーマットになるとは思います。しかし、なにはともあれ待望の新フォーマット。まったく予測出来ませんが、新しい風を運んできたことは間違いありません。1月末のGPに向けてイベントも増えて行くと思います。みなさん、楽しんでいきましょう!

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。また次の記事でお会いしましょう。

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