IADTデザイン思考デザイン戦略01

働きながらアイルランドでデザイン戦略の修士を取ることになった話

トロントの研究所Institute without Boundariesでデザイン戦略のプログラムを終え、今はシニア・サービスデザイナーとして働いています、Pitomieです。

9月から、アイルランドはダブリン郊外のIADT(Dún Laoghaire Institute of Art, Design and Technology)という大学院の修士プログラムを受けることにしました。

プログラムについて

私が卒業したIwBとアイルランドのIADTが去年、正式に契約を結び、提携校となりました。IADTに新設されたMaster of Arts in Interdisciplinary Design StrategiesプログラムはIwBがコンテンツを提供しており、現状、IwBの教授陣も多数関わっています。

このマスタープログラムは3ターム制・1年半。多角的な専門分野のモジュールを通してデザイン思考を教えるという内容はIwBと同じ。IwB卒業生の場合、最初の2ターム分を終えているため、最終タームの修士論文プロジェクトを完成させれば、修士が取れるという仕組みです。何それ、おいしい。

ちなみにIwBで私が得たのはPostgraduate(準修士)と呼ばれるカナダ特有の学位。カレッジの一部として運営している研究所なので、事務的な理由でPostgraduateまでしか出せないんですね。

カナダで働く分にはマスターと同じ扱いを受けていて特に問題ないのですが、国際的に通じる修士号を取っておいて損はないし、最終プロジェクトをするだけならいい条件だなと思いました。

受けることにした理由

このプログラムが発表された当時は興味がなかった私ですが、今受けることにしたのは、いろいろとタイミングが合ったため。

①もともと、修士プログラムを模索していた
カナダのデザイン分野での経験も4年が経とうとしていて、そろそろスキル強化や思考のストレッチのために学校に戻ろうかなーと考えていました。

デザインを通してビジネスの顧客体験をよくする、ということを今やっているので、ここにエンジニアリングを追加したいなーと考えながら、最終的にはこの辺のプログラムを検討していました:

・カーネギーメロン大学のMaster of Integrated Innovation for Products & Services
・MITのIntegrated Design and Management
・RCAのGlobal Innovation Design

が、授業料が最低500〜800万円と超高額。

MITとRCAは2年のプログラムなのでそれだけキャリアに穴をあけるのも惜しい。行くとしたら1年で卒業できるカーネギーメロンだな、とお金と時間で悩んでいたところに急病にかかり、手術からの休職でバッタバタ。しばらく保留にしていました。また、ちょうど同じ時期にプロモーションを受け、給料と責任が上がって楽しくなったこともあり、今はキャリアに集中することにしました。


②働きながら受けるというオプションを知った
カレッジの職員として働いているIwBの卒業生がマスタープログラムを修了したので、話を聞きに行きました。彼女がフルタイムで働きながらプログラムを受けたこと、また、プロジェクトのほとんどはトロントから遠隔で進捗確認して進められることを聞いて、これならありかも!と考えるように。
(普通にターム1から受ける場合は物理的にアイルランドでの受講になります。)


③修士論プロジェクトの条件がフレキシブル
決め手となったのは、修士論文プロジェクトの条件でした。

プロジェクトのテーマは以下3つのオプションから選べます。
A. IADTの企業パートナーの中からクライアントを選び、彼らの課題を解決する
B. IwBでやったプロジェクトを発展させる
C. 自分でプロジェクトパートナーを見つけ、その課題を解決する

正直、デザイン戦略やサービスデザインは今プロとしてやっているので、学校で新しく教われることはそんなにないだろう。どうせなら、自分のポートフォリオの一部として今後のキャリアのプラスになり、かつ自分がおもしろいと思えることをやりたい。

あれ、自分の働くサービスデザイン会社をクライアントにプロジェクトを起こして、働きながら修士も取れたら最高じゃない?

と考え、会社といろいろ交渉をした結果OKが出たので受けることにしました。

交渉内容はまた別の機会に書きますが、結構やりたい放題言って「ほーら、会社にもこんなメリットが!Win-winな関係!」って最終的にCOO(副社長)にプレゼンしてOKが出たので、いい会社だなーと思います。

なんでも、言ってみるもんです。

プロジェクト内容は詰め中

修士プロジェクト案はふたつ提出して、うちの会社からも大学院側からも、どっちもいいじゃんという評価を得ています。内容はリスクなども考慮して現在詰め中、リサーチを始めてからも変わる可能性があるものの、方向性としては自分の関心が一番強いヘルスケア×デザインの交差点で進めるつもりです。

ってことで、ほとんどはトロントで働きながらリサーチし、秋に1〜2週間アイルランドでワークショップしに行きます。楽しみ!また報告しますー。

個人ブログでもいろいろ書いています。

Image: Purcell Construction

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?