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オスグッドを乗り切る。再発しないためのアスレティックリハビリテーション


現在、Jアカデミーに所属しトレーナー活動をしています。
これまでトップカテゴリーからアマチュアまでの選手をみてきました。
トレーナーとしてただ選手のリハビリを行うだけでなく、パフォーマンスアップにつながるトレーニングなども行なっています。
ケガをしてからではなく、いかに怪我をしないようにプレーするか、その中で最大限のパフォーマンスを出せるかを常に考えリハビリやトレーニングを行なっています。

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Twitter:Godai Tanaka
note:https://note.com/godai55

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こんにちは!

今回は成長期に多いオスグッド・シュラッター病のアスレティックリハビリテーションについて解説していきます。

私自身も小学生の時にオスグッド・シュラッター病で長期間苦しみました。
当時はこれといった治療を受けることが出来ず痛みを抱えながらサッカーをしてしまい、歩けないくらい痛みが出た時期もありました。

現在担当しているカテゴリー(中学生・小学生)でもオスグッドによる痛みを訴える選手は多いです。
成長期でのサッカーでは特に多い障害なので、痛みが出てから対処するのではなく痛みが出る前から予防しておく事が重要と言えます。

それでも痛みが出てしまうことはあります。
今回はその時に行うリハビリや流れを説明していきます。

オスグッド・シュラッター病について


オスグッド・シュラッター病とは、脛骨粗面部に生じる骨端症の1つであります。
骨端症とは、成長期に起こる長管骨の骨端核、短骨の第1次核あるいは、骨突起に発生する阻血性骨壊死であるとされています。

オスグッド・シュラッター病はスポーツを活発に行う成長期の 12 歳前後の男子に好発しそのピークは男子では 12~15 歳で、女子では 10~12 歳と言われている。
その発生機序は,急激な骨成長に軟部組織の成長が追い付かず、大腿四頭筋が緊張状態にあるところにスポーツ活動による膝蓋腱の牽引力が繰り返し加わって発症し、脛骨粗面部に運動時痛と膨隆を生じると考えられている。

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オスグッドが発症しやすい身体要因としてハムストリングスの硬さ(仰向けで足を真っ直ぐ上げたときに上がりづらい、左右差があるなど)、脊柱の可動性の低下などが言われています。

あくまで発症しやすい要因でしかないため、こういった所見がないのにオスグッドになっている選手は多くいます。

オスグッド・シュラッター病のアスレティックリハビリテーション


オスグッド・シュラッター病の症状は人によって差があります。

日常生活でも痛みが出る場合や、運動後に痛いだけ、日常生活は大丈夫だけど運動中は痛いなど、人によって様々な症状を訴えます。

そのため対象となる選手の状態に合わせてリハビリを行う事が必要になります。

痛みがあるからといってなんでもかんでもすぐにリハビリとする必要はないと考えています。
痛みの出方や状態に合わせてリハビリの選択を行いましょう。

まずはオスグッド・シュラッター病が疑われた場合は整形外科等の医療機関を受診して診断を受けることをお勧めします。


復帰までの道のり

ここからは復帰までの大まかな流れになります。

オスグッド病はいきなり強い痛みが出ることもありますが、ほとんどは徐々に痛みが強くなっていきます。
そのため、ここでは運動前や日常生活でも痛みが出るようになってきたらリハビリを行う対象とします。

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リハビリに要する期間はあくまで目安になります。
参考程度にしてもらうのがいいかと思います。

メディカルリハビリではジョギングなど走ることが出来るようになるまでを目指します。

メディカルリハビリでは個人で行うリハビリも大事ですが、専門家から適切な治療を受けることが重要になります。
自分自身で行うことには限界があります。
適切な物理療法や徒手療法による治療を受けることで痛みの軽減や患部の炎症軽減など多くの恩恵を受ける事ができると言えます。

特に大腿四頭筋(もも前の筋肉)の柔軟性はオスグッドの痛みや骨が出てくるところに影響すると言われています。またハムストリングスの柔軟性の低下がおすぐっどの要因になるではとの指摘もされています。(Nakase et al. 2015)
大腿四頭筋の硬さを取るためにもストレッチやセルフマッサージは必要になります。

セルフで行うケアとしてはこのようなエクササイズがあります。

セルフケア動画3-4個

また筋肉の柔軟性だけではなく関節の可動性を改善するエクササイズも取り入れた方がいいでしょう。
関節にアプローチすることで関節の中にある感覚の受容器にも刺激が入り、身体にとってプラスに働く事があります。

回復期

回復期から徐々に積極的なリハビリが可能になります。
アスレティックリハビリテーションの開始になると言えます。

ここではジョギングまでに必要な基礎的な筋力の改善や動作の改善、アライメントの修正などを引き続き行います。

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