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信託期間で「名ばかりESG」投信を見極める

サステナブル投資(ESG投資やインパクト投資等)に興味を持ち、投資信託を選ぼうとする時、必ず「信託期間」を確認してほしい。「無期限」ならOK、最低でも「信託期間が残り10年超」。そうでなければ、いわゆる「名ばかりESG」投信であり、買ってはならない商品だ。

2021年のサステナブル投資関連で、嫌悪感を抱かざるを得なかった運用会社の動きがある。気候変動をテーマに掲げながら、信託期間5年の投資信託を設定するという自己矛盾。世間では2050年のカーボンニュートラルを目指して2030年の目標をどうするか?と議論されているのに、2026年で運用終了が定められた投信なんて、社会的な存在意義はない。

具体的な投信は以下のとおり。

  • 野村アセットマネジメント「脱炭素ジャパン」

  • 大和アセットマネジメント「脱炭素テクノロジー株式ファンド」

  • 大和アセットマネジメント「ダイワ/バリュー・パートナーズ チャイナ・カーボン・ニュートラル・フォーカス

  • アムンディ・ジャパン「アムンディ環境・気候変動対策ファンド」

  • 三菱UFJ国際投信「グリーン・テクノロジー株式ファンド」

気候変動に限らずESG投資関連で監視の目を広げれば、以下の2つも該当する。

  • 野村アセットマネジメント「世の中を良くする企業ファンド(野村日本株ESG投資)」

  • アライアンス・バーンスタイン「アライアンス・バーンスタイン・グローバルESG・社債ファンド2021-02(限定追加型)」

多くの投資信託が、証券会社や銀行が販売手数料を稼ぐことを目的に、数年単位の回転売買が推奨される作りになっているのは分かっている。しかし、長期投資が大前提であるはずの「脱炭素」や「ESG」を掲げ、ここまであからさまに金融機関の儲けを第一に据えられては、付ける薬がない。。。

こんな調子で怒っていたら、運用会社の元取締役・運用本部長だった荒井さんが、上記の様な運用会社の姿勢に苦言を呈するコラムを書いてくださった。個人投資家が怒るよりも効果があるはず。

少ないながら丁寧な情報開示をしている投信もある。「悪貨は良貨を駆逐する」というような事態は防がなければならない。

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