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『買う』という名の選択と向き合え。

コロナウイルスの影響で、現場に行きたいタイプのオタクである私は舞台やライブの予定がことごとく中止となり、ここ最近は払戻金の振込を待っている。その一方で、未来に希望を持ちながらまた1枚先行抽選の申込を行う…そんな日々を送っている。

社会が日々急速に変化する中で、今私が猛烈に考えているのがこれからの私たちの消費行動について。

明日からの生活もままならなくなっている人がいるのにそんなことを考えているのか。今までは推しに貢ぐのが生きがいだったけど自分も今後どうなるか不安だ…など色んな意見があると思う。

でも今ここで、1人のオタクアラサー女子なりの意見をまとめておくことで自分の指針にしていきたい。またこの文章を読んで、誰か見知らぬ人の選択に影響を与えることが出来たのならそれもまた一興だろう。

これから世界の消費行動の潮流はサステナブルだ

サステナブルとは持続可能な社会を目指す運動のこと。今アパレルブランドを中心に広がりを見せており、ナショナルジオグラフィックやananなどの雑誌でもその単語を見かけるようになってきた。

今回のコロナ禍で人の動きが制限され大気や水質の改善があちこちで見られたことで、今後経済活動が以前の水準まで回復したとして、環境も以前の悪い状態に戻していいのかと疑問の声が挙がっている。

きっとこれから、地球の資源を枯渇させずに済む付き合い方を考えていく動きは欧米を中心にもっと大きくなっていくだろう。大量消費・大量廃棄がダサいと言われる社会…あなたはちゃんとついてこれますか?

今だからこそ良いものを選ぶ選択を


良いものを選ぶといっても、全ての持ち物をブランド品にしようという話ではない。では、良いものってなんだろう。

現時点での私なりの基準のひとつは、「ストーリーの有無」だ。
例えば私が愛用している津軽塗りのお箸があるのだが、これは伝統工芸expoで柄出しという工程を体験したものだ。

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職人さんが仕上げしたものを後日送って下さったのだが、艶やかな仕上がりに感動して思わずお礼のハガキを送ってしまった。お箸代込で約¥2,000の体験だったが、お値段以上のものを得ためちゃくちゃ良い買い物だったと思っている。この買い物は買い手である私にストーリーがあった例だ。

また最近購入したのが、ドケットストアさんが取り扱っていた「MIWAX THE DESKMAT」だ。元々この商品、小学校から使っている学習机のデスクマットから卒業したくて別サイトでチェックしていたのだが購入を先延ばしにしていた。

しかしこのコロナ禍の中、不意にTwitterのTL上に現れた店主の山下さんのツイートやnoteの熱量に背中を押され、気づいたらドケットストアさんで購入していた。(下は商品紹介記事)

なぜ今そこで購入したのかと問われれば、答えは私が山下さんに返信したこのツイートになる。

子ども時代¥1,000にも満たなかったお小遣いでは、買い物は常に大きな決断を必要としていた。しかし、大人になった今はその金額が違う。お金を使う・使わない決断は社会への価値観の提示であり、軽やかだけど絶大な効果を持つ宣戦布告なのだ。

私は私の価値観で良いと思ったものやお店にこのコロナ禍を乗り切ってほしい。そのためにも今こそできる範囲で質のいいものや着眼点の良いもの、熱量を持つ売り手にお金を使うべきだと思っているし、そういう考えを持つ同士も多いと信じている。

オタクよ、今こそブラインド商品からの脱却を叫ぼう


しかし、オタクというのは推しを支えるという大義名分の為ならば欲しいものと多少違ってもお金を払ってしまう人も多い生きもの。

私は物を買うよりも現場に行く回数を増やしたいタイプなので、財政都合上グッズはパンフとペンラ(応援グッズ)で抑えておくのだが、最近メインで足を運んでいる2-2.5次元界隈のグッズ展開はブラインド商品が主流。推しを支えるため!推しを引くため!と何個も購入し、会場でトレード相手を見つけようと群がるのはファンから見てもやはり品がないし、外部からのファンの印象も下がる。そして大量生産大量消費で、先程述べたサステナブルな消費行動とは正反対の行為だ。

今後不景気で確実に個人の財布の紐は締まる。その時に真っ先に切られるのはこのブラインド商品の積み数だ。購入数が少なくなって推しが当たらない。今後もブラインド商品を続けていくことは、運営と消費者の双方にとって満足度を下げることになるのではないだろうか?

小ロットの商品を作るのはお金がかかる、それもわかる!でもある程度観客の規模が大きくなった場では、支えたいファン意識に胡座をかかない物販の事例を沢山作って欲しい。このコロナ禍でよりその意識が強くなったので、普段からアンテナを立ててグッズ展開で欲しいものや意見をまとめて常により良い意見を運営に伝えていく努力をしたいし、そういう人がもっと沢山増えてもらいたいと思う。

給付金10万円、私はこう使いたい


直近で諭吉レベルのお金を動かす機会といえば、政府から支給される10万円だ。勿論自身の命と生活を守るために使うのが前提なのだが、一部は心の潤いのために使いたい。そんな時の指標に「ECサイトでものを買わない」というルールを設定してみようと思っている。

ECサイトは消費者にとっては間違いなく便利なサービスなのだが、以前出品者として仕事で利用した際に、その中抜き構造や細かなルールにほとほと疲れたのを覚えている。せめてこの給付金分くらいは今大変な中小企業へ利益を回すことを意識する心の余裕を持ちたい。

すなわち、お金を払うは投票だ

日々状況が変わる中で、かつての日常が戻る日を待ってはいるけれど、きっと新型コロナがなかった以前の世界には戻れないものがあることを私たちは薄々感じている。

だからこそ今は、今後の社会の指標になる基準や価値観を上から降ってくる前に自分から提示しよう。これからの私たちのために、日々小さな選択で社会を動かす。そのひとつが消費行動なのだと信じて。

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