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私が2020年に観た舞台・ライブ・映画をコロナ対策面を中心に時系列順に振り返る

新型コロナウイルスで世界が揺らいだ2020年。

エンターテインメント業界は不要不急とされ、多くの公演が中止や延期を余儀なくされました。またこの1年で、素晴らしい役者を亡くす事例が何件もありました。しかしこんな状況だからだったこそ、エンタメの力をより大きく感じた1年でもありました。

人によっては不謹慎だと感じるかもしれませんが、都内住み現場重視のオタクである私が2020年に出かけた公演を、この機会に現場のコロナ対策や自分・観客の意識面をメインに時系列順に振り返って書き留めておきたいと思います。

2020.01.03 舞台刀剣乱舞 維伝 @TBS赤坂ACTシアター

2020.01.05 ミュージカル刀剣乱舞 歌合 乱舞狂乱 @さいたまスーパーアリーナ

2020.02.01 シャボン玉飛んだ宇宙まで飛んだ @シアタークリエ
チケットがあまりにも取れなくて、その日の倍率7倍以上をくぐり抜けて当日券を手にする。現地当日の抽選はこのコロナ禍で見なくなり久しい。

2020.02.16 Perfume (名古屋公演) @ナゴヤドーム
公演の直前に名古屋で陽性者が見つかり、いよいよCOVID-19が身近に迫っている実感が湧きながらの公演。マスクはしていたものの声出しOK、規制退場も感染予防というより混雑緩和のためで、守っている人もまばら。従来のライブらしいライブはこれが最後だった。

2020.03.15 映画 羅小黒戦記(字幕版) @ユジク阿佐ヶ谷
ユジク阿佐ヶ谷さんは羅小黒戦記と出会わせてくれた素敵な映画館でしたが、ハラスメントや給与未払いの問題があったことは非常に残念。

チケットは2月の先行販売で確保していたので席は全て埋まっており、この頃には行くかどうするかちょっと迷うようになっていた。まだ羅小黒戦記はミニシアター上映の知る人が知る作品だったので、おひとり様でひっそり来る人が多く館内で少し安堵した覚えが。

2020.06.13 映画 ディリリとパリの時間旅行&ロング・ウェイ・ノース @新宿
緊急事態宣言後初めての箱入り。千鳥座席で人数半分の映画館の見えやすさに感動し、これで静かなら感染リスクはかなり少ないなと自分の中で納得する機会に。シネコンになると客層が幅広くなり人数も多いしマナーの悪い人も増えてくるので、映画館はミニシアターを中心にした方がいいのかな?と考えるようになる。

2020.07.25 劇団四季アラジン @四季劇場 海
劇団四季の苦境をクラウドファンディングの実施などでありありと感じ、応援の為にチケット確保。検温と消毒はスタッフのお姉さんが真正面に立ち、手に持った消毒スプレーを丁寧に私の手にかけてくれたので、ご意見フォームにスタッフを守るために足踏みスプレー台を導入するべきでは…?と思わず意見を送った。近くにいたカップルが1席空けずイチャイチャしていたのを注意される様を目撃。また私にとって舞台の非日常は暗転から始まるんだな、と実感した公演になった。なぜなら暗転した途端になんだか泣けてしまったからである。最前席のお客さんがフェイスシールドも着用するのがメジャーになったのは、この頃の劇団四季の実験によるものだった覚えが。

実際アラジンを観るのは初めてだったけど、アラジンの友人があんなに出てくるアニメ版からの改編があるとは知らずちょっとびっくりした思い出。

規制退場が徹底されるようになったのはこの辺りからか。四季の物販は通常通りやっていたのだが、並んでしまうので改善をお願いしたいところ。今はどうなっているのだろう。

2020.08.01 ジャージーボーイズ イン コンサート @帝国劇場
いよいよ緊急事態宣言後の東宝作品の幕開けになったため、ペンライトを携えしずしずと帝国劇場へ。客席案内係が客席で声をあげたお願いはせず、大きいプラカードを持ち歩くことで注意を促すようになっていた。物販は全て中止なので人が会場内で分散し密にならずに済むのは良かった。でも帝国劇場で食べられる資生堂のフルーツゼリードリンクが好きなのであれ近場ならどこで売ってるのか教えて欲しい。

拍手とペンライトだけが我々の反応を返す手段だったけど、配信のみから始まった公演だった分、演者さんも反応が貰える喜びがひとしおだった様子。現地に行ける人間は、最大限の対策とともに現地に行くべきだという考えを持つようになる。

2020.08.13 ナイツテイル
オーケストラが全員舞台上に上がり演者が全員2時間舞台にいっぱなしのコンサート形式で行われた公演。オーケストラが仕切りまみれだったのが衝撃的だった。これするなら確かにオケピでやるのは無理。待ち時間が1番静かだと思ったのはこの公演で、皆さんの意識の高さが凄かった。荘厳な寺社仏閣のようだった。空間にも余裕がある場所だったから安心して見られた公演。

2020.08.16 MANKAI STAGE A3! WINTER 2020 @銀河劇場
客席がフェイスシールドを着用するか否かはカンパニーよりも劇場単位で決まっているらしいことを何となく察知し始める。座席はかなり後ろだったがフェイスシールドを初めてつける。この公演は4月の中止になった公演の振替で、この辺りに春の中止公演の振替が集中していた記憶。夏の公演は中止が早々に決まってその分場所が取りやすかったんだろうな。銀河劇場は周辺のスペースがあまり広くない分、スタッフの列整理がかなり徹底していてありがたかった。

2.5Dの公演は7月の刀ステ綺伝辺りから?役者がマウスシールドをつけるのがスタンダードに。この公演は顔に留める為のクリップがないタイプのマウスシールドだったので顔が見やすくてSNSでの評判も良かった記憶。ただ役者さんのお肌には端が擦れてしまって良くなさそうな気がするけど実際どうなのか。

2020.09.09 ダディ・ロング・レッグズ @シアタークリエ
これは私も含めた自戒ですが、2枚チケットが取れて同行者がいるとやはり多少はお喋りをしてしまう。ダディはなんとか妹にみせてあげたくて2枚取ったけど、基本的に観劇はおひとり様がいいと改めて感じ、いつも一緒にチケ取りしていた友達とは2020年チケットに関する連絡を取っていない。シアタークリエは退場口が2つあるけれど、規制退場の際は動線管理の都合上出るのは1箇所のみになっていた。

ダディは演者2名で演奏者3名のコンパクトな舞台で、作品のテーマを含めてコロナ禍にぴったりの演目。「幸せの秘密」に2020年何度心を救われたことか。

2020.09.19 A3!ブルーミングライブ @有明ガーデンシアター
元々楽曲がコールアンドレスポンスありきで作っているものが多くて、そこにどうやって乗っていこうか悩ましい印象を抱いたエーステ初のライブ公演。特にエーステは「満開!」というレスポンスを多用するので、コーレスは声出し出来ないから代わりにこれで満開!を表現してね!というカンパニー側からの提示があるともっともっと乗れた気がする。長期公演だと何となく客席文化みたいなのが生まれるのだがなにせ期間が短かった…。でもやっぱりライブはアドレナリンが出て多幸感で胸がいっぱいになる。

2020.09.24 ダディ・ロング・レッグズ @東京建物ブリリアホール
大阪・名古屋と東宝ミュージカルで緊急事態宣言以降はじめて全国公演を無事に終えて東京に帰ってきた凱旋公演。真綾さんの声がクリエ公演とは比べ物にならない伸びやかな舞台声になっていて、その嬉しさも相まって常時客席がワクワクソワソワしていた。

流石に名前を叫ぶなんてのはなかったけれど、笑い声、拍手もコロナ前のような賑やかさで本当に楽しかった!私はマスクをつけていればみんな舞台を向いているし多少の笑い声はあっていいと思う派。スタオベまで出来て私のベストダディ公演になった記念の日。ただ秋になってくると自粛疲れで中だるみしてきたのか幕間のお喋りは増えてきた印象。

2020.10.04 ミュージカル刀剣乱舞 双騎出陣 @舞浜アンフィシアター
アンフィシアターは厳しいという噂の通り、元々予定されていたパンフの販売も東京公演は中止、全席フェイスシールドという体制に。しかしお隣ディズニーランドとイクスピアリの人の入りがかなりある中を通ってくるので、そこも規制しないと意味が無いのでは…?という印象も。フェイスシールドをつけていても双眼鏡が意外と使えることを知る。双眼鏡越しに兄者の投げキッスを真正面に受け悶絶する。

2020.11.06 劇場版鬼滅の刃 無限列車編
この辺りから(もう少し前かな?)千鳥座席の50%動員が解除されて全席お客さんが入れることに。入場者プレゼントが無くなって、平日の夜という子どもが少なそうなタイミングを狙っても人が多かった。食べ物は座席に持ち込めず、ロビーで座り込んで食べている人も多くてとにかく見た目が悪い。映画館応援のためには食べ物を買った方が応援にはなるけど、群れて座り込んで食べるのは感染症対策ではない。現在は座席への食べ物の持ち込みが許可されたが、何がいいのかは悩ましいところ。

でもここで鬼滅の刃が出て映画館を救い、子ども達が映画館で映画を観てタブレットやスマホで観るのとは臨場感が全然違う!という体験が全国でできたことの意味は大きかったようにも思う。煉獄さんありがとう。最近日野さんがテレビでナレーションする機会が増えましたね。

2020.11.08 羅小黒戦記(日本語吹替版) @立川シネマシティ
羅小黒戦記は大人がひっそりとち狂ってる印象の映画なので(私もその1人である)会場内のざわめきは少なくて快適だな〜と思っている。公開直後に喜び勇んで行ったけど、その後興行収入5億を超える映画に成長するとはまだ思っていなかった。

2020.11.21 羅小黒戦記(日本語吹替版) @立川シネマシティ
吹き替え版2回目へ。立川シネマシティさんは動線が一方通行なのが感染症対策的には良いところだと思う。あと羅小黒戦記の映画の戦略で感動したのはポップコーンを買うと持ち帰り用バッグがついてくるところ。映画館にお金を落としながら推しのグッズも買える!もっと他の作品でもやって欲しい!

2020.11.23 ミュージカル刀剣乱舞 幕末天狼傅2020 @TOKYO DOME CITY HALL
幕末天狼はチケットの販売時期の影響か1席空けの座席配置。ひとり1枚応募だったので座席は静かだった。物販はなし。作品内で露骨に離れるような描写はないけれど、抱き合ったりするような演出はかなり控えられていた。それでもこれだけ魅せてくれる刀ミュという作品は偉大だなぁと思う。

2020.12.12 BRADIO
1席空けの販売でも、箱のキャパそのものが大きいと入場で詰まっちゃって密になり感染リスクが高いなぁと感じた公演。開場時間直後には数百メートルのながーい列ができていて移動するのも馬鹿馬鹿しかったので遠巻きに眺めて空くのを待っていたのだが、開演時間間近になっても入りきらずスタッフさんが大変そうだった。海沿いだから待つのも寒かった。

ここの取り組みで良かったのは、応援用の細長いバルーンをひとり2本、空気を入れた状態で座席配布してくれたこと。拍手の代わりにバルーンを叩いた。結構高くていい音がして、手元で小さく動かしても動きが出るので楽しかった。

2020.12.13 Away
ミニシアターは場所柄どうしても空間が少ないので、開場時間前に密になりやすい点をどう解消するかが課題だと思う。ただ満席になることは実感としてあまりないので、イーブンかもしれない。

2020.12.20 宝塚歌劇団月組公演 ピガール狂騒曲
申し訳ないが、今年観た舞台で1番観客席が煩くマナーが悪いと思ったのはこの宝塚。これは全席販売で人がみっちり。私が観た公演がカード会社の貸切公演だったので、普段宝塚を観に来ない層が多いとは思うが、劇場スタッフの動線整理対応なども他劇場より劣っていると感じた。

音楽は録音でオケピに人がいない分、舞台と銀橋の間に2本の橋を掛けた演出は素晴らしかった。ピガールではたま様が女役として凛と立つ女性像を演じ、まさかのれいたまCPの爆誕など内容が非常に良かっただけに残念な気持ちも大きかったのは確か。改善を期待。

以上、今年の観た公演とコロナ面における所感でした。

1年を通して現場に出てみて、客席のマナーの悪さを感じる要因になるのは「身内・知り合いと一緒にいるかどうか」…これに尽きるなと思います。知り合いといればテンションも上がるし喋るし周りも見えなくなる。

コロナウイルス感染対策の基本は「同居家族以外の人間と会うな喋るな」なので、劇場という同居家族以外の人間が集まる場所に来ている以上、喋らないことが感染対策です。喋っていても同居なのかそうじゃないかで感染リスクがかなり変わるけれど、困ったことにそれは周りの客からは分からない。

給付金がまともに支払われていないエンタメ業界の為にも、全席販売そのものを中止しろとは言えませんが、全席販売にするなら購入はひとり1枚までの制限をかけるなど「知り合い同士が固まらない」対策を取ることが引き続き重要ではないかなと思います。

2021年もこの状況は続きますが、不織布マスク+おひとり様参戦を基本に無理のない範囲でエンタメ業界を応援していきたいと思います。そろそろ客降り演出が恋しい!皆様も良いエンタメライフを!


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