おれが2年半サラリーマンをやって来れたのは運が良かったから part.1
確か3年前くらいの今頃の時期、将来に不安を抱えたおれは就職活動を始めようとしていた。
大学を中退し、1年間フラフラした後3年くらいめちゃめちゃ楽だけど退屈な契約社員と日雇いのアルバイトを掛け持ちしていた25歳の夏、、
就職活動が地獄だというのは大学の友達やネットの情報から聞き及んでいた。
おれは面倒くさいなぁと思いながらハローワークに行ってみた。
死ぬほど面倒くさかった。
そもそも、チバユウスケや浅井健一みたいなロックスターに憧れて漠然とそれを夢見ていた少年は特にそれになるための努力や活動をするわけでもなく、自分にその才能やカリスマがないことを悟り、楽しいことや楽なことで現実から逃避し続ける20代前半を過ごした。
そんな25歳の青年となったおれには今更やりたい仕事なんてないし、社会に通用する技能や経験もない。
ハローワークのパソコンで膨大なデータベースみたいなやつを見ていても特にやりたい仕事も見つからないし、やれそうな仕事もない。
どうしようかなぁと思った。
そんなとき、その当時二週間に一回くらいのペースで行っていた趣味のキャンプで大学からの先輩に就職活動の話をしたところ、先輩の会社が丁度人材を募集しているらしく、紹介したら多分入れるよと言われた。
その先輩は優秀だった。
頭が良く、スポーツも万能で、人望も厚い。
そんな先輩が新卒で入った会社に大学を中退してクズみたいな生活を送っているおれが入っていいのか・・・?
不安だった。
それからトントン拍子に話が進み、おれはなんの苦労もなくそこそこ大きな企業の正社員になった。。。