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燃える境界

自分の観測範囲内の話ですが、絵描き界隈の小さなものから大きなものまで最近の炎上みて思ったことの整理。法的にどうとかの話ではなく、こう解釈できる、とか、こう感じる、とか主観の話をつらつらと。


1つめ。立ち絵の描き方で「脚の書き方が気になる」っていう指摘の言い方が悪くて盛り上がったやつ。元のツイートはもう見れない。

ジャンルを限定していたとはいえ不特定多数の人の絵に対して、人体の構造からすれば足の描き方がおかしいという指摘した人がプチ炎上。自然に見える足の描き方のコツ、とでもいえばよかったものを、最近よくこういう絵を見るが人体の構造からしたら間違っている、気持ち悪い、などの強い言葉使って、気付きのアドバイスという感じではなかった。そのなんとも攻撃的というか、おそらく無意識にマウント取ってるような物言いが、反感買っていたようだった。

拡散され始めて批判意見届くようになると、そんなつもりじゃない、みたいなことスレッドに書いてて、その言い方もまたね、もともとの指摘の仕方の何がまずいかわかってない感じで、火に油とまでいかずとも炭火に酸素供給くらいはしてた感じ。

最後まで、結局単語レベルでのまずさにしか本人は気付いてなかったように思う。文章の書き方とか、どのポジションからもの言ってるかとか、一連のツイートなどから感じられる、全体的な本人の態度がにじみ出てて余計に反感買ってたんだと思うんだけどなぁ。


2つめ。有名なゲームの水着デザインのやつ。

ある有名なアイドル育成ゲームで、課金コンテンツでもらえる新水着が実際に存在する水着に似てて、実際の商品デザインしたところがそれに関して残念に思うと表明してた件。冒頭にも書いてるけど、法的にどうとかに触れる気はない。わからんし。見かけた意見で気になったのは、過去、着てるブランド特定とかやってるケースもあるくらいだったのに、そういうのはデザイン盗用って言われないのになんで今回のは言われるのか、ってやつ。今回、オリジナル側が考えてることを表に出したってのが大きいけど、そこ以外の観点あまり言われてなかった気がする。

結局はケースバイケースでしかないとは思うんだけど「ファッション」と「デザイン」の違いってところあると思う。特定とかして盛り上がってるのはきっと「ファッション」の方だと思う。どこどこのインナーになんたらのアウター、ボトムスはなんとかで、足元はどこのスニーカーで、っていうの。それらはブランド的にも広く認知された「ファション構成要素」みたいな感じで、「組み合わせ・コーデ」の方に価値の比重があるんじゃないかな。もちろんアイテム単体にも価値あるしデザインもそれぞれにあるわけなんだけど、認知の程度の問題というか、ファッション構成要素としてどれくらい認知されているか、みたいな。

それに引き換え件の水着は「ファッション」のためのアイテムというよりも「デザイン」の方で評価されるものだったんじゃないかなと。

もちろんファッションのケースでも、もし誰かのファッション真似してて、且つ、それがその人のアイデンティティで真似されたくないだろうなって場合は、なんか言われる可能性あると思う。

この辺の感覚って、言われてもわからん人はわからんだろうし、じゃあ何ならファッション構成要素扱いで何ならデザインで扱われるのかって結局線引きしたがるんだろうなぁ。


3つめ。模写改変とかトレパクとかの話。

どこのジャンルでもそういう人たち出ては消えてとか繰り返すと思うんだけれど、これも法的な話はおいといて。

「参考にする」のと、模写(して一部改変)やトレス(して一部改変)は何が違うんだよ、みたいな話けっこう見かけて、絵を描かない人の意見ならまだしも、絵を描いている人でも同じように言ってる方々けっこういて。

結局は頭の中の話になっちゃうんだけど(いや、わかる人は描かれたアウトプットでもわかると思うけど)、インプットとアウトプットのどちらかまたは両方に「抽象化」のプロセス挟んでるかどうかだと思うんだよね。

インプット時になんのフィルタもかけず、そしてそのままアウトプットする、ようなことするんだったらそれは「参考にしてる」んではないと思う。本来描きたいものそのものではないけれど、共通する「概念」「考え方」を見いだす→「そういうケースの描き方を抽象化して学習」して、そしてその学習したものを利用してアウトプットを本来描きたいものに近づける。

レシピを参考に自分で料理作る、師匠の味を自分で分析しながら自分なりに試行錯誤して料理作る、師匠の作った料理の最後の盛り付けの一部を自分のに差し替える(そして私が作りましたって言う)、みたいな違い。


4. コンテンツ消費者の心理

絵描き界隈炎上の話ではなく、急にウナギ絶滅危惧の話なんだけど、日本に流通するウナギの5〜7割が実は違法な漁業由来の可能性あるとかで、でもイチ消費者がスーパーで買うときそんなんわからんし、保護のためにウナギ買わないようにって言われても、っていうか違法じゃないやつだけ流通させてよ、って心情もわくと思う。

コンテンツ消費も似たようなこと言える気がして、(2次創作というグレーゾーンといえど)制作におけるマナーやモラルの許容範囲内のコンテンツを楽しみたいんじゃないかな、消費する側は。いやもちろんそんなの気にしねえって人もいるだろうけど、(無意識に)「(界隈マナー的に)制作工程セーフティなコンテンツ」を楽しみたい、って欲求あるんじゃないかな。なので、一度でもなんかよろしくないことしてると見なされてしまった場合、(無意識化にあった)セーフティなものを楽しみたい欲求を阻害する不届き者、として攻撃されやすくなると思う。

で、その際の弁明とか擁護する側と、対立側の構図って、

そもそも法律上問題ない vs そういうことじゃなくてあなたの魂胆が嫌

みたいなものなので、噛み合うわけないし、落とし所もなかなか見つかるわけないと思う。基本的にもうこの対立構図になっちゃったら「あなたの魂胆が嫌」とはどういうことか、具体的なところをひとつひとつ紐解いていかないと収拾つかなさそう。(そしてたいてい、一方はプライド高くて理解を示さないし、一方は感情的になりすぎて攻撃止まないしで、ずっと理解しあえない)


おしまい

とくに改善案とか、オチとか、ない。自分なりに解釈するとこういうことだよなあ、とか、こう感じたな、ってのをアウトプットしたかっただけなので。

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