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花粉症で耳鼻科には行くのに、心療内科に行くのは怖かった

人生で二度目の、心療内科の通院を再開した。

おおよそ一年前は、振り返るとあまりにつらかった。会社に行きたくなくて、朝起きると身体が重くて仕方なくて、身体を傷つけたくなる時も少なからずあった。どうしてこんなに恵まれているのに仕事に行きたくないんだと自分を責めた。
「心療内科に、行く。」
今ではたったそれだけと思えるようなことが、当時は、行くと決めるまでに二カ月は掛かった。

病院に行かなくても私は大丈夫だと思いたかった。
自分に治癒の力がある。自分でコントロールできる。

薬に抵抗もあったし、できれば使わないほうがいいと思った。
薬を使ったあの時は、一時的なものだったんだ。自分は大丈夫だ。自分は大丈夫だ。自分は病気じゃない。自分は障害じゃない。弱いだけだ。自分はコントロールできる。

人には絶対言いたくない言葉なのに、自分にはどうしてこんな言葉を掛けてしまうんだろう。

でも、でも、でも。自分のコントロールで操縦するには、
操縦する仕方を覚えなければならないし、錆びたらケアもしてあげなきゃいけない。時間が経ったら車体も変えなきゃいけない。

「風邪をひいて、肺炎になりかけを防ぐために、
 どうして病院に行くことがダメなの?」
「骨折している人に、添え木もせず、さあ自分で動いてねっていう?」

目に見えないものだと、どうして、自分のせいだって思ってしまうんだろう。
どうして、自分だけでどうにかしなきゃって、思ってしまうんだろう。

自分は弱いと分かっていて、また忘れて、もう大丈夫だと思って、
また苦しくなって思い出して、何度も何度も、弱いんだから、と言い聞かせる。

当時の私は、こんなことを書いていた。

「実は私も、心療内科にずっと行ってます。でも私ね、働けてますよ。」
 くらい、軽やかに言えるといい。
私が、まず体現して、希望になりたい。
たとえ時間がかかっても。

少し、軽やかに言えるようにはなったかなあ。​

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