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ネムちゃん!〜あとがき〜

3月1日から、ひと月にわたって連載してきました、『ネムちゃん!』。
当漫画のあとがきを書かせていただきます。

まだお読みでない方は、下のリンクを。全9話ありますが、総ページ数は22ページなので、読むのにそう苦労はかからないと思います。なのでぜひ!

さて、先般お伝えのとおり、当漫画はたかやんさんの記事を漫画化した作品です。原作はこちらです!

ネタバレになってしまうので、連載中は伏せておりましたが、無事に完結した今、ようやくご紹介できました。
ぜひ、読み比べていただけたらと思います。


〜この作品を描くことになった経緯〜

たかやんさんとは、以前から交流がありました。
僕はたかやんさんの音声配信にちょくちょくお邪魔しては、ちょっかいを出しておりました。
そのとあるライブ配信のときに、「おれの記事を漫画に描いてくれへんか」と頼まれまして。

僕が、「では、ハムスターの記事が面白かったので、そちらを描かせてください」と答えたところ、たかやんさんは「ええよ」といった感じで快諾してくださいました。
気さくに、そんなやりとりをしました。昨年の夏頃のことでした。

そこから色々ありまして、あっという間に時が経ち、今年の2月になりました。
ふと、「今ならたかやんさんの原作漫画が描ける気がする…!」と思い立ったのです。

鉄は熱いうちに打てとばかりに、さっそく、丸一日オフの日に、たかやんさんの原作を漫画に起こす作業を行いました。その日のうちに全話のコマ割りとテキストの貼りつけをし、あとはそのコマに絵を描くだけという段まで持っていきました。

そうして完成の見取図がとりあえずできたので、そのままたかやんさんにメッセージ(DM)を送りました。
「以前言っていた、『ハムスター』の漫画を描き始めたのですが、いいですか?」と。
前のやりとりから何か月も経ったのちに、いきなりメッセージを送りつけるという、わがまま極まりない行為ですが、たかやんさんはここでもやさしく快諾してくださいました。しかも、「全部任せる」と言ってくれました。制約なく自由に描かせてもらえることほど、ありがたいものはありません。


〜投稿にあたり〜

そこから先は、ただただ描いていきました。自身のマイペースな性分を見越して、少し描き貯めをしてから投稿を開始しましたが、後半はわりと慌ただしい状況になりました。毎回、次の投稿日を予告していたのは、自分がサボらないための縛りです。おかげで、なんとか計画通りに遂行できました。

ただ、一度完成したと思っていても、投稿する直前は、毎回細々と修正をしていました。やはり、どこかしら直したくなる箇所が出てしまうのでした。
あるいは、誰が見ても作画ミスとわかるような、明らかに直さねばならない箇所もありました。そういうのは、気づいた時点で優先して直したりしていました。

そういえば、以前『うずらの卵』という作品を描いたのですが、その最後のコマで、このようなことがありました。

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「五角形」と書いているくせに、うずらの卵をきっちり6個描いています…。投稿して一日経ってから気がついて、即座に修正しました。
こんな「うっかり」がイヤなので、『ネムちゃん!』のときも、自分なりにその目でしっかりチェックすることを心がけました。


〜この作品のテーマについて考える〜

皆さまからは、投稿のたびに温かなコメントをいただけて、とても励みになりました。普段のエッセイ漫画と異なる反応をもらえて嬉しかったです。
第5話で初代ネムちゃんが亡くなった回では、大いにショックを与えてしまいました。ネムちゃんとの交流の話だったのに、この先どうなるのかといった感じでした。

しかし、後半になると、別のテーマが顔を出します。それはすなわち、ネーミングについて、です。

「眠そうだから」という理由で、ハムスターに「ネムちゃん」という名前をつけたお母さん。息子の「俺」は、その名前にとりあえず納得します。ところが、お母さんは、ネムちゃんが死んだ後に飼ったウサギにも、さらにその後で飼った2匹のジャンガリアンハムスターにも、容赦なく「ネムちゃん」という同じ名前をつけてしまいます。息子の「俺」は、「なんでやねん…!」と、ツッコまざるを得ません。

ネーミングとは、いったい何なのでしょうか。
ここがこの物語の独特な視点であり、僕は原作を読んでそこに面白さを感じたからこそ、ぜひ漫画にしたいと思っていました。
この漫画のタイトルを、原題(『恐怖のハムスターが~って長いな』)から、『ネムちゃん!』に改題させていただいたのも、ネーミングにまつわるストーリーを際立たせたかったからでした。(原題は原題で、とても好きです。)
「ネムちゃん」は、「眠(ねむ)い」だけでなく、「名前(ネーム)」にもかかっていたということです。と、解釈しています。


〜ハムスターについて〜

ハムスターを絵としてたくさん描いたのは、初めてでした。

僕自身は、ハムスターを飼ったことがなく、生涯でも、小学6年生のときにたった1度触れたことがある程度です。ハムスターをよくわかっていないため、ネムちゃんを、ハムスターというよりも、ハムスター的な想像上の生き物として描いていた節があります。

リアルでハムスターに縁のなかった自分が、ハムスターを題材にした漫画を描いてもいいものだろうかと思いましたが、よくよく考えると、そもそも哺乳類全般がじつはあまり得意でないかもしれません。
決して嫌いということではなく、むしろ好きです。道端で犬猫を眺めるのも、YouTubeで動画を見るのも全然アリです。ただ、寄ってこられたり懐かれたりすると、どうしていいかわからず、困ることがあります。
作中では、ネムちゃんが肩に乗ったりしていますね。これがもし自分の肩に乗ったらと想像すると、震えます笑。
でも、絵として描くのは何より楽しかったですし、とても気に入っているシーンであることは間違いないです!


〜最後に〜

長くなりましたが、改めまして、『ネムちゃん!』をお読みいただき、ありがとうございました。

『ネムちゃん!』を描いたとき、ネムちゃんも「俺」も家族も、自分の中で、たしかに生まれ、息づいていました。描くほどに生き生きしていき、キャラクターのほうからこちらへ歩み寄ってきてくれた感がありました。
たかやんさん、原作を漫画化させていただいたおかげで、そんな貴重な経験ができましたよ!
漫画を描く上で自分にはまだまだ課題がありますが、それは追々消化して、これからの作品に活かしていきたいと思います。

おしまい


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(初期に描いた絵!)

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