文字が書けなくなって（申し訳ない今、書いているこの文章も練習中、まだ仮免にも行っていない）一番迷惑をかけているのが、フルーツパーラーゴトーの後藤浩一さん。ゴトーのパフェ本がもうできて、だいぶ立つはずなのに停滞している。もう4年くらい前にスタ－トしているのに…その間に、自分が鬱っぽくなって、書く手も鬱になって…そして止まっている。ライターを立てたのだが、まぁうまいこといかなくて、そこも頓挫している。何が困るって、面目なくてパフェを食べに行かれないことだ。だいぶ食べていない。
困ったなぁと思いながら、久しぶりに録音データを聞きながら原稿おこしなどトライしてみるが…やっぱり駄目だー…と、それが昨日のこと。今日、ゴトーさんからDＭが入った。マンゴーの皮どうするの？
優しいなぁ。浅草の人は駄目人間にも優しい…。今しかない。慌ててて駆けつけた。パーラーはいつもと同んなじだ。あ、マンゴーの先生。マンゴーの季節になるといち早く駆けつけて、毎日のようにかよう浅草小学校の先生（女史）。何年か前に、取材で出あって…ゴトーさんのところでしか出合わないけど…「最近、浅草小学校の側に引っ越してきてない？」えっ？「事務所、そこにもう一つ…」
「悪いことできないねー」ゴトーさんが突っ込む。ままだ…。（ちょっと涙がでそう）では、太陽の卵…頼んだあとに気がついた、キャラメルバナナ——。えっ、これなに？　最近、作ったのよ。連休の時に…。マンゴーのパフェを食べ終わって、どうにも気になってしょうがない。キャラメルバナナ！
いやあ、美味しい。食べ終わって…ね、ね、焦がしキャラメリゼもキャラメルも、バナナアイスも抜群、合もいい！って、美砂子さん（後藤浩一さんの奥さん）に言っていたら、先生脇に立って、なになに、それも美味しそうじゃないの…私も今度食べよう。え、マンゴーの季節はマンゴーだけじゃないんですか、いやいやそうじゃないのよ。ここはいろいろに美味しいから、マンゴーだけじゃないのよ。今日は、あ、き、い、ろ（進化してますものね…）を食べたのよ。太陽の卵は初日にいただいたの…。先生いつも同僚を連れてきている。楽しみは分かち合うもの…。ですよね。
ちょっと辛くて、いろいろ辛くての日が続いているが、今日来て良かった。ゴトー本仕上げなきゃ。浅草のお店はほんとに元気をくれる。フルーツパーラー・ゴトーは、後継者がいて、浅草全体に抱えている後継者なしのために廃業していくお店が多い、という問題はかるくクリアしている。それでも新しいパフェを作ったり（美砂子さん）…ゴトーさんは夜にアイスクリームを作る美砂子さんをサポートするために、台所に立ったりしている。愉しみながら…体力をつけながら。普通、食べ物屋さんで、成功しかかると、一気に広げたりデパートでたり、拡張や頂点を目指すものだがそんな雰囲気一切ない。逆に今ある立場を守ろうとする感じもしない。日々、変化を組み込みながら、浅草で生きていることを大切に充実させているように見える。今しかないのよ。今を楽しく…。ゴトーさんちの人々は、浅草っ子かつ江戸っ子なんだと思う。つくづくと。