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ベトナム人と一緒に関西への旅行日程を考える

今年10月24日~27日に大阪で開催される予定のツーリズムEXPOジャパン2019。ベトナムの観光開発センターや観光局メンバー数名が、ツーリズムEXPO参加はもちろん数日間大阪を中心に関西を周る。

もともとの現地旅行会社の旅程では神戸の酒造や神戸港、奈良の東大寺や奈良公園などもバス移動で含まれていたのだが、再考を頼まれた。数日間の間で、大阪と京都だけでも見どころがたくさんある。移動が続くのは嫌だ。どうしたらよいか、と。抽象的だ。

「数日間に必ず行っておかないといけない場所はどこ?」
「ベトナム南部はりんごが育たないからりんご果樹園に行きたい」
「海が見たい」
「市場に寄りたい」
「神社仏閣は見ていて面白いもの?あまり歩きたくはない」
「万博公園って面白い?公園は花が沢山咲いている?」
「ベトナム人は歴史とか文化にはあまり興味ないけど自然好き」
「大阪から京都ってバスでどのくらい時間かかる?」
「箕面の滝って遠い?」

自分が旅するときもそうなりがちだが、地元の人々に「どこが良い?」「どこがオススメ?」と聞いていたとしても、結局自分でもいろいろ検索して場所の名前知ったうえで、「ここはどう?」「行く価値ある?」とまた質問が増える。前に紹介されていても、いろんな場所を見ていると、すぐ忘れる。

しかし、りんご果樹園というピンポイントで行きたい場所が出たのには驚く。ベトナム南部では、りんごが育たないので、大阪の果樹園を見てみたいと。調べると、大阪や京都にはそれらしきものが見当たらない。兵庫にはあるが、さすがに遠すぎる。海が見たいと言われれば、それは和歌山の串本や京都の丹後辺りまで行くと、「良い海」は見られるが、ここは沖縄ではない。万博公園の万博エキスポには全く興味ないらしいが、そこに咲く花々が見たいとのこと。茨城のネモフィラ、福岡の能古島、北九州の河内藤園など、思い出しては「あ、関西ちゃうかった」と選択肢から外す。

神戸がまだ旅程に入っていた際に、北野はどうかと思ったが、ベトナム人は日本の西洋にはあまり興味が無かった。ベトナムで言うダラットと似た感覚で、より日本にしかないものを求めているのだそうだ。

matchaのサイトはベトナム語でも表記されており、大阪の名所が詳しく掲載されているのでベトナム人も参考にしていた。

私も見てみたが、最初から大きな間違いを発見してしまった。

"Từ Tokyo các bạn có thề di chuyền bằng Shinkansen khoàng 1 tiếng 30 phút"
(東京から大阪まで、新幹線で1時間半で行くことができます)とあるけど、約10年~15年後のリニアの世界で67分、今現在は2時間半だよ・・・。それか、私が知らない新幹線があるのか?この数か月で出来たのか?

「ラーメンミュージアムもある!ここどう?」

と、目に留まったものをすぐに「どう?」と聞いてくるので、「良いけど、前後の時間との兼ね合いがあるから、確認させて」と。「休日に家族連れや学校の遠足等で行く場所として有名だけど、ここのインスタントヌードル作り体験は日本では大阪と横浜しかないから、体験の場所としてオススメ」という、あくまでも決定権は相手に委ねる。

結局、数時間の協議?の末、決まったのは以下。

・大阪城
・空中庭園
・道頓堀
・万博記念公園
・海遊館
・中之島
・黒門市場
・カップヌードルミュージアム
・心斎橋筋商店街

ちなみに、最初から旅程に入っている大阪城は、城には入らず、写真撮影をして家族や友人に共有できればそれで良し、とのこと。ベトナム人の判断基準に関しては、まだまだ学ぶことばかりだ。

京都では、伏見稲荷、嵯峨野、清水寺等の主要観光地を巡る。温泉もどうかと思ったが、ベトナム人はあまり温泉、というか共同浴場を好まない。

それにしても、日本からベトナムへ渡航する場合は15日以内であればビザ不要で、昨今は格安航空券であれば1万~2万円で行けてしまうのに、ベトナム人が日本に来る場合はビザ必須で旅行会社を通さないといけないので数日でも20万円程する。改めて、より多くのベトナム人に日本に訪れてほしいし、日本人にもベトナムをより知ってほしい。そんな双方の橋渡しのような今の仕事が好きだし、いつかベトナム人が日本に来る際もビザ無しで可能になった際に、より多くの場所へ案内したい。

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