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批評「CA関西」2013年→

「dialogue for survive」(そして伝書鳩)が15〜20分間の持ち時間でゲスト達がプレゼンテーションを競い合う「イベント」とは違い、あくまでゲストを「発見し、紹介する」”行為”に重きを置き、一方で内容については(参加者の終電を気にして)2時間以内なら「どんな形でもいい」と丁寧な対話と平等な交流の場としての「自由さ」を極力大切にしているとすれば、2013年から「それとは別の」コンセプトで始めたのが”つながりの力で関西圏の創造力を可視化する”公募形式のアウォード「クリエイティブアウォード関西(CA関西)」だった。

こちらは前述の「アサヒ・アートフェスティバル(AAF)」の「性善説の自浄作用」を暗黙の了解として、AAFの運営自体を毎年「参加者全員で」考え続け、変化し続ける、この「運営システム自体」を参加団体として、また個人としても毎年の参加プロジェクトを公募の中から選出する「選考委員」もさせていただく事で、言わば”外側と内側から”眺めた経験を「何かしらの形で」僕なりに消化し、関西圏に恩返し的にフィードバックしたいと思った事。

そして特に関西というか大阪で実際に”企画し実行している”「プロデューサー」同士の会話で僕の周辺でよく交わされていた”大阪はノリが良いというか、なんでもありのイベントができる自由さがあるけど「ちゃんと振り返ったりする」機会がないんだよな問題、固く言えば「批評の場の不在」に危機意識を感じていた事がきっかけだった(イベントをする事が悪いと言いたいわけじゃない。ただ、それとは別に自主的な形での”ちゃんと評価し、積み重ねて行く”機会も別に必要だと思っていたのだ。)

つまりAAFの「性善説の自浄作用」の運営及び「参加団体の選出方法」を参考にし、あえて”なんでもありじゃない”「批評の場」を有志達で創る事ができないか?と思い始めたのだ。そして、それを具体的な形にしたのが公募形式のアウォード「クリエイティブアウォード関西(CA関西)」だった。

ゼロからとなる初年度は、公募型のアウォードをこれまで企画した経験がなく手探りの中、様々な他の公募型のアワードを参考にして、まず目指したのは「応募する人」「審査する人」「運営する人」それぞれにとって(継続していく為に)「負担が少ない形」の最大公約数。

つまり「応募する人(エントリー者)」はWEB(スマホ)からの「最小限の情報入力」のみでエントリーできるようにし「審査する人(審査員)」も負担が少ないように「エクセルシートへの数値入力」のみで完結できるようにし、また「運営する人(事務局)」自体も授賞式当日以外は「WEBのみの作業」で終了できる手軽さを目指した。

ありがたい事に、まだ形となっていない段階から「審査員」として何人かの方が無償にも関わらず気持ちよく引き受けてくれたり、また何人来るかもわからない中で縁活の方々が「授賞式会場」として「あべのハルカス近鉄本店 縁活ステーション」を無料提供してくれたのは嬉しかった。

そして迎えた2013年1月の授賞式当日、事務局の立場としてはエントリーしてくれた「全ての人を表彰したい」しかし、それだと「なんでもありになってしまう」板挟みの、そして初めて経験する(そして今でも続く)叫びたくなるような断腸の想いの中から”それでも”と公平に(=当たり前の事だが事務局は公平性の観点から審査にはまったく関わっていない)コモンルーム中津で開催した一次審査発表で発表した、選出の10組の方々に登壇していただいた。

個人的には、他の何年も継続を重ねているプロジェクトを差し置き、初回のグランプリとして初開催の和歌山の野外映画祭「Kisssh-Kissssssh映画祭」が選ばれたのには正直、びっくりした。ただ、それと同時に、こうやって”「クリエイティブアウォード関西」らしさ”みたいな「他のアワードとの違い」が自然に生まれてくれるのかな?とも予感した。

一方で、初年度終了後にいただいた「1位以外の順位を決める必要性はあったのか?」とか「どういった基準で評価しているのか?」などについては真摯に受け止めて、来年以降に改善しなければと思った。そしてそれも今でも続く話だが「クリエイティブアウォード関西」で目指しているのが参考にした「アサヒ・アート・フェスティバル(AAF)」の”「参加者全員で」考え続け、変化し続ける”だったのでごく自然な事だった。

以下、2013年の結果を紹介する。

1位 Kisssh-Kissssssh映画祭

2位 神戸モトマチ大学

2位 まちライブラリー@大阪府立大学

4位 Cafe303

5位 木津川アート

6位 つくるビル 

7位 株式会社ダブディビデザイン

8位 サービスグラントで活躍するプロボノワーカー

9位 銀聲舎

10位 病院×アートプロジェクト

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