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『この世界の片隅に』浸透力はんぱない

これ好きだわーって思った本とか映画とか、とにかく素敵!って感じたものを人にすすめたくなるの僕だけじゃないと思うんですがあの気持ちに名前ってあるんですかね。
先日『この世界の片隅に』という映画を見てそんな気持ちに駆られたんですが、話す相手がいないことに気づき、それどころかここ一ヶ月くらい笑っていないことに気づいて鏡に向かって口角を上げる練習をしてみた昨日。今日は顔面筋肉痛です。みなさま、ちゃんと笑っていますか。

たまに人との接触があると「最近おもしろかった本とか映画とかある?」みたいな会話になるんですが、いつも上手く話せなくて帰り道で猛省することばかりです。
自分がおもしろいって感じるものって? なんでおもしろいんだろう? そんなことを考えてひねり出して、「設定がとにかくリアル」「実際の天候や気温まで調べてるらしいよ」とか、ラジオとか雑誌のインタビューで知った制作陣がとにかく頑張ってるんです系の話ばかり出てきて、じゃあ映画の内容はどうだったのと聞かれると口の動きが鈍り「見れば分かる!」と情けなく逃げてしまいます。

で、『この世界の片隅に』がまさに「見れば分かる!」系の映画だったわけなんですが、例に漏れずこの映画の良さも説明できる気がしない! 

ひとつ、ひとつだけ確信をもって言えるのは、浸透力のすごさ。この映画を見た後、どれだけ生活に染み込んでくんですかってくらい日常の色んな場面でこの映画のことを思い出します。朝の通勤電車から見える田園風景を見ただけで泣けてくるし、空に浮かぶ大きな雲を見ただけで泣けてくるし、片渕須直監督の名前を聞いただけで泣けてくるみたいな毎日になっちゃいます(僕だけでしょうか)。

もちろん見る人によって楽しみ方は違うし、あくまで僕にとって「見れば分かる」系だったというだけなので、あの作品の素晴らしさの色んな面を自分に合った形で味わっていただけたらなと思います。

ちなみにこの映画、鑑賞中はとてもほっこり笑えますので、最近ろくに人と会話をしていない方にもおすすめです。備考ですが、翌日の顔面筋肉痛にはお気をつけください。

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