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フラワーエッセンスとの出逢い:前編

プラクティショナーとして活動し始めた初期の頃は、私がフラワーエッセンスとどのようにして出逢ったのかを、きちんと説明できていませんでした。
私がフラワーエッセンスと関わるようになったきっかけをお話しすると、逆にうさん臭く思われるのでは……と思ったり、本来の癒しとは違ったかたちで受け止められてしまうのでは……と心配になって、自分が体験したことをあいまいにしか話せなかったのです。

でも、フラワーエッセンスを伝えていくときに最も大切なのは、自分の実体験を話すことなのだと、今では思えるようになりました。
知識や情報は、それこそたくさんの専門書があるのですから、読むことで吸収できます。
ただ、実際にどう感じるのか、どのような反応が見られるのか……は、それこそ個人差やタイミングの問題があって、一概には言えないもの。
そんなときに「こういうケースがあるよ」とケーススタディをお話しすると、頭で理解した情報が、感覚としての理解につながっていくからなのです。

平たく言うならば、プラクティショナーとしてたくさん経験を積んで引き出しを増やせ、ということなのかもしれませんが、別の言い方で表現するならば「自分の神話(おはなし)を持つ」ということ。
自分がエッセンスを通じて感じたことはたくさんあるものの、やっぱりフラワーエッセンスの世界に引き込まれることとなった最初の経験が、一番大きなインパクトを持った神話であることに間違いはないのです。
そこで、あくまでも自分の体験、自分だけの神話ということを前置きして、私がフラワーエッセンスと出逢ったきっかけについて、紹介したいと思います。

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「来月、2週間くらい帰ってきてくれない?」
電話口でそう話を切り出されたのは、1998年初秋のこと。
何で?と尋ねた私に、母が口にしたのは思いがけない言葉でした。
「入院して手術するから」

梅雨の時期に受けた健康診断で、腫瘍が見つかったのです。
再検査をして悪性ではないとわかっていたのですが、今後腫瘍が大きくなるようであれば、摘出したほうがいい、との診断。
仕事を持っていた母は(それならば、腫瘍が大きくなる前に、それも仕事が忙しくない時期に摘出してしまったほうがいい)と決断し、すぐに入院と手術の予約を入れてきたようなのです。

あまりにも唐突な報告に驚くと同時に、私の心にはひっかかるものがありました。
「大きくなれば摘出したほうがいい」のであって、現段階ではまだ経過観察のはず。
それなのに、簡単に手術を決めてしまっていいの?
以前、母が別の手術を受けたときに、医療ミスに近いケガをしたことがあります。
身体にメスを入れるのだから、相当なダメージを覚悟しなければならないのに、加えて別の不安まで抱えなければならないとしたら……。
やはり家族としては素直に手術を認めることができません。
だって、まだ手術を要する段階ではないのだもの。

また、その頃ちょうど東洋医学やホリスティック医学について興味を持っていた私は、別のことも一方で考えていました。
手術をして、悪いところを取り除いたからといって、直ちに健康になったとは言えません。
全体の健康を考えたときに、欠けた部分があるということはすなわち、バランスが崩れている状態に変わりないのです。
その不調和な状態を、欠けた部分を補いながら調和に戻していく作業は、手術で要した時間よりも、もっと時間をかけて調整していく必要があるのかも……。

母からの電話を切った後、いろいろと思い悩みました。
そして、再び電話をかけて、私は母にこう告げたのです。
「来月の手術を、半年先に延期してもらえない? 効果があるかどうかわからないけれど、別の療法を試す時間がほしいの。私にだまされたつもりでいいから」

母にしぶしぶ了承を取りつけてから考えました。
いったい誰に母の症状を診てもらったらいいのだろう?
そのとき、仕事仲間の何人かがお世話になっていた、ひとりのセラピストの名前が思い浮かびました。
何でも、名前と生年月日を知らせれば、遠隔でアドバイスしてくれるのだとか。
そこは会員制のセラピーサロンなのですが……たぶん大丈夫。
仕事仲間からの紹介ということで連絡を取ってみることにしよう。

さっそくすがるような思いで、FAXを送ることにしました。
FAXには、母の名前と生年月日、そして依頼者として私の名前と生年月日を書き添えて。
そして、返答が来るのを、ひたすら待ち続けたのです。

FAXを送って1日後だったでしょうか。
ついに回答が届きました。
「手術は延期したほうがよいでしょう。お母さまは、とてもエネルギーの強い方ですので、自己治癒能力を高めていけば、健康を取り戻すことができるはずです」
曖昧な記憶ですが、確かそんなことが書かれていたはず。
そして、具体的なアドバイスとして、食事面での禁忌事項が書かれていたほか、フラワーエッセンスのインパチェンスを飲むように、とあったのです。

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インパチェンス(Impatiens)

科属/ツリフネソウ科ツリフネソウ属
学名/Impatiens glandulifera
和名/インパチェンス
花期/7月〜9月

12-7-9選択法/12ヒーラーズ:あなたがもともと持っている基本的な性格や気質を表すエッセンス
7グループ選択法/孤独な時に
製造法/太陽法:勢いよく育っている場所で、複数の株から淡い藤色の花だけを選び、花柄を摘み取る

頭の回転が早く、行動もすばやい人、あらゆる事を、迷う事なくすぐに済ませたいと願う人に。
病気の時には、早くよくなりたいとやきもきします。
彼らは、遅いことを、時間を無駄にする悪しきことと考えるため、ゆっくりした人に我慢するのが非常に難しく、なんとか早くさせようと急かします。
多くの場合、自分のペースで全てを行えるよう、一人で考え、働くのを好みます。

エドワード・バッチ著作集収載「12ヒーラーズとその他のレメディー」BABジャパン)

インパチェンスは、バッチ博士が一番最初にフラワーエッセンスを発見した植物です。湿地を好んで群生し、とても生長が早いことが特徴として挙げられます。
また、ノコギリ刃のように縁どられた葉や、さやが熟すとパチンと弾けて種が勢いよく飛び出す姿は、このエッセンスを必要とする人の心理状態を見事に表しています。

つまり、このエッセンスを必要とする人は、神経がピリピリと張り詰めているか、イライラした感情的な状態にあって、すぐにプチンとキレてしまったり、どうでもいい!と投げ出してしまったりして怒りのエネルギーを爆発させてしまいやすいのです。
生長が早いことから、物事の取り組みはスピーディーで、人よりも優れた能力を持っていることがわかるのですが、結果を早く出そうとするあまり、焦りや緊張感にさいなまれてしまいがち。
自分のペースで物事を行いたいから、人のペースに合わせるのは苦手どころか、他人に自分のリズムを崩されることを嫌い、ひとりで決断して行動したがるのです。

今だからこそ、私も「なるほど!」とその理由がわかります。
確かに当時の母は、インパチェンスの状態にありました。経過観察で様子を見守っていけばいいものを(だったら手っ取り早く切ってしまえ)と考えて、家族や周囲に一言も相談せずに手術の日取りまでひとりで決めて「後はよろしくね〜」と、勝手にどんどん進んでいこうとしたのです。

フラワーエッセンスのインパチェンスは、短気やせっかちな心理状態にあるときに、気持ちを落ち着かせ、忍耐を学ぶことでバランスを取り戻すよう促してくれます。
それは、花の色(精神性を表す薄い藤色)や形(複雑な袋状の花が絶妙なバランスでつり下がっている)に現れています。

とにかく。
当時は、フラワーエッセンスを理解していたわけではないので、アドバイスされたそのままを母に伝え、食事に気をつけると同時に、フラワーエッセンスを飲み続けるように、しっかりと言い聞かせました。
「半年だけ待って」と、時間を具体的に区切ったのがよかったのでしょう。
母もとりあえずは納得して、どのような効果があるのかわからないけれど、毎日フラワーエッセンスを飲み続けてくれました。

最初はインパチェンスからスタートしたフラワーエッセンスも、次はこれ、その次はこれ……と、いくつか種類を変えて飲み続けました。
そして、約束していた半年が過ぎ、再び手術のための検査を行ったとき、担当医から告げられたのです。
「以前より腫瘍が小さくなっています。このままもう少し様子を見ましょう」
そして、さらに3ヵ月後、半年後、1年後と再検査を何度も繰り返し、最終的には手術どころか、検査の必要すらなくなっていきました。

手術を受けることなく、投薬などの治療も必要とせず、いつの間にか母は、健康な身体を取り戻していたのです。

***
そうして月日が経つこと20年。
2018年4月4日に、母は光の世界へと還っていきました。
前日に誕生日を迎えたばかり。平均寿命に満たない、早すぎる死でした。
死因は脳出血。
いわゆる「ピンピンコロリ」で人生を全うした生き様、脳の血管が切れての絶命までもが、インパチェンスの特徴と重なるかのようです。

12ヒーラーズは、その人の魂のタイプを表します。
そのことから、母の魂はインパチェンス・タイプだったように思えます。
そして、そんな母をきっかけにして、私はフラワーエッセンスの世界へと導かれ、プラクティショナーとしての今があるのだ……ということを、改めて思い知らされるのでした。

いただいたサポートは、人々や地球の癒しと成長に貢献する人やモノ・グループへと循環させてゆきます。ひとしずくの水が大海へと繋がっていくように、豊かさのエネルギーをここから世界のすみずみにめぐりめぐらせていくためのファースト・ステップに選んでくださるのだとしたら、大変光栄です💫