見出し画像

石との対話 〜2006年旅の追憶④

次なる光の空間へと話を進める前に。
グラストンベリー観光のあと、向かったのはエイヴベリー(Avebury)でした。
ここには、ストーンサークルがあります。

ストーンサークルと言えば、ストーンヘンジが有名。
私も旅を計画している時点で「ストーンヘンジに行きたい!」と希望を出していたのですが、ストーンヘンジを訪ねたことがある仲間が言うには「おすすめしない」とのこと。
入場料がかかるうえに、肝心の石には触れられないのが、その理由でした。

石に触れられないんじゃねぇ……。

どこか、石に触れることのできるストーンサークルはないかなぁ……と『地球の歩き方』を眺めていたときに、隅っこのほうに小さく載っている「Avebury」という文字が目につきました。
ここにもストーンサークルがあるようです。
そこで「じゃあ、ここでもいいから連れていって!」とお願いして、エイヴベリー行きが実現した……という経緯がありました。

グラストンベリートアの方位盤を見たときにわかったことですが、エイヴベリーはDragon path、つまりレイライン上に位置しています。
そう考えると、グラストンベリーからエイヴベリーに向かうのは、流れとして必然かもしれません。
期待にワクワクする私を乗せた車は、レイラインを東に向かって進んでいきます。

でも、旅には仲間がいるわけで、仲間の希望を聞かないといけません。
今回、あまりにもグラストンベリーに長く滞在しすぎたため、エイヴベリーの全部のポイントを回ることが不可能になってしまいました。
さあ、どうする?というときに多数決で決まったのは、ストーンサークルを候補から外す、ということ。
その決定に、私がどれだけ落胆したことか。。。でも決まったことだから仕方ありません。
「ストーンサークルは、車からも見られるよ」と教えられて、気持ちを立て直しました。

エイヴベリーでは、紀元前2660年に作られたという人口の丘・シルベリーヒルと、儀式を執り行うための建造物跡・サンクチュアリーを見学ました。
どっちの遺跡も平原にぽつんと存在し、観光客はほとんど見られません。
静かに、古代から変わらず存在している、といった印象でした。

そういえば、このあたりはUFOやミステリーサークルの出現率が高いのだとか。
確かに、そんな雰囲気がこの地域にはあるかもしれないなぁ……と考えつつ、帰路につきました。

車窓を眺めること十数分で、目の前に巨石が等間隔にならぶ風景が出現。
たくさんの巨石のそばには観光客の姿……と、ヒツジの群れ!?
どうやら、ストーンサークルでありながら、放牧地でもあるようで。
その意外な展開に、思わず停車することになりました。

ヒツジ用であろうフェンスを乗り越えて、敷地内にゆっくりと入ります。
「ワーイ!」と思わず駆け寄りたいのですが、注意しないとウンチを踏む可能性もあるわけで、慎重に足元を確認しながら石とヒツジに近づいていきます。

エイヴベリーのストーンサークルは石触り放題、ヒツジと戯れ放題。
たぶん、ストーンヘンジに行っていたら、こんな風景とはお目にかかっていなかったことでしょう。
夕方、日没前の光の微妙な感じで、とても幻想的な写真が撮れたと思うのだけれど
……いかがでしょう?

旅の仲間が、思い思いに時間を過ごす中で、私は一直線に石へと向かいました。
そして、恐る恐る石に触り、その滑らかで温かな感触を確かめます。
この瞬間を、どれだけ待ち焦がれていたことか!!
それは、まさに再会、といった感じなのでした。

思い出したように、旅アイテムとして持参していた音叉(チューナー)を取り出し、膝でポーンと鳴らして、その音を聞きながらもう一度石に触れると、力強いエネルギーが身体の奥底から突き上がってくるような感覚がしました。
そのインパクトの強さにびっくりして、思わず手を放してしまうほど。
慌ててもう一度触れ直したのですが、その感覚を二度と得ることはありませんでした。

あれはきっと、石と私のエネルギーが共鳴した瞬間だったのだろうなぁ。。。

離れるのが名残惜しく、いつまでも石に触れていたいのですが、もう日没まであまり時間がありません。
そして、帰りの時間を考えると、そろそろタイムリミット。
最後にもう一度、両手で石に触れてお別れを告げました。
誰も見てないよね……と思っていたのですが、カメラはその瞬間をしっかりと捉えていたようで。

後日、旅仲間の現像写真を見たら、石に触れて別世界へトリップしているかのような私の姿が写っていました。
写真に撮られていることなどまったく気づかず、油断している隙を撮影されたようですが、それはまさに「石と対話」している姿に見えたのです。

元来、写真に撮られることが苦手で、写真映りはたいてい最悪なのですが、このときの1枚は気に入っています。

帰国してから知ったことなのですが、エイヴベリーのストーンサークルは、実はヨーロッパ最大のストーンサークルなのでした。
さらに、よくよく考えたら、一度は多数決によって落選したストーンサークル観光だったのに、結果的にベストなタイミングとコンディションで石に触れることができ、しっかりと対話できたわけで……。

海外を旅するとき、私は目に見えない存在のサポートを強く感じます。
このときの体験も、私の願いに霊的存在が応えてくれたように思えたのでした。


いただいたサポートは、人々や地球の癒しと成長に貢献する人やモノ・グループへと循環させてゆきます。ひとしずくの水が大海へと繋がっていくように、豊かさのエネルギーをここから世界のすみずみにめぐりめぐらせていくためのファースト・ステップに選んでくださるのだとしたら、大変光栄です💫