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【MTGアリーナ】赤黒アグロ『星空まですべて手に入れた』デッキ解説(ミシック順位帯)

本稿は2023/8/22日配信『ミシックランクBO1:スタンダード』
(https://www.youtube.com/live/ePn9zTzH2OA?si=HPl5vWHc40mS88UH)
視聴者向け記事である。
見ていないからと言って読んではいけないことは別にない。
本稿では上記配信内で私が使用したデッキ『星空まですべて手に入れた』に関する解説を行う。
新セット発売を目前に控えた環境末期に新たなデッキを紹介する意義は低い。
しかし、自分自身の思考の遷移を記録するためにも(またその余力があったため)あえて解説記事を執筆することにした。

"本稿はファンコンテンツ・ポリシーに沿った非公式のファンコンテンツです。ウィザーズ社の認可/許諾は得ていません。題材の一部に、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の財産を含んでいます。©Wizards of the Coast LLC."


・『星空まですべて手に入れた』とは

スタンダードBO1でランクマッチを潜るために作成された赤黒のデッキ。
ミシック1200位以内到達可能な水準を目標として作成された。
8月度ランクマッチでミシック到達直後(98%)から使用し始め、上記配信終了時点での順位は1241位であった。
この数日順位は上下を繰り返しており、1200位内に到達可能な実力でありながらも予断を許さない水準であると思われる。
執筆時点での総合勝率は55%、内訳先攻60%、後攻49%。
圧勝できるマッチアップこそ少ないものの、頻繁に遭遇するアーキタイプに関してはそのほとんどに対して50%以上の勝率を記録しているため、粘り強く対戦を続ければ順位はじわじわと上昇させられるものと思われる。
デッキのインポートは当該配信のアーカイブのコメント欄に案内を記してあるためそちらを参照されたい。
ちなみにデッキの名前はこのデッキの前身となったデッキ『灼熱のファイアーダンス』の「続き」であるゆえのネーミングである。

・デッキリスト

デッキ
4 熊野と渇苛斬の対峙 (NEO) 152
4 沼 (SLD) 48
4 僧院の速槍 (BRO) 144
3 フェニックスの雛 (DMU) 140
4 血に飢えた敵対者 (MID) 129
1 ロノムの発掘家、フェルドン (BRO) 135
3 しつこい負け犬 (SNC) 97
6 山 (SLD) 49
2 怪しげな統治者、スクイー (DMU) 146
3 墓地の侵入者 (MID) 104
2 黙示録、シェオルドレッド (DMU) 107
2 喉首狙い (BRO) 102
4 火遊び (MID) 154
4 稲妻の一撃 (JMP) 152
3 タルキールへの侵攻 (MOM) 149
1 見捨てられたぬかるみ、竹沼 (NEO) 278
1 反逆のるつぼ、霜剣山 (NEO) 276
4 黒割れの崖 (ONE) 248
4 硫黄泉 (DMU) 256
1 憑依された峰 (MID) 263

〇保有カード0前提における使用ワイルドカード数
神話レア:9枚
レア:20枚
アンコモン:21枚
コモン:0枚

〇デッキタイプ
『アグロ』:敵の態勢が整う前に攻撃を仕掛けそのまま倒し切る

『灼熱のファイアーダンス』(https://note.com/planetgames/n/nd036fa32afa1)を使用していて「弱い」と感じたカードたちを黒のパワーカードと入れ替え、レンジをわずかにミッドレンジ気味にずらすことで、BO1で頻繁に遭遇するであろうアグロに対してより強い圧力で優位に立とうと考えた。
実際には赤単に対しては勝率を落としており、総合勝率で見ても『灼熱のファイアーダンス』の方が高い数字を出しているのだが、こちらは「プラチナ帯からの勝率」がほとんどを占めているので、ミシックでどこまで通用するかは分からない。
元のデッキのままでも通用したのかもわからないが、私が「より強い」と信じたデッキで実際に順位帯にまで入って見せた。
ただその事実があるだけだ。

・各カード採用理由

・硫黄泉 4枚

アンタップインで赤黒両方出せる。
ダメージは痛いがこちらが先に相手のライフを削りきれば問題ない。
しかし、赤単に対して勝率を下げた一因になっているかもしれない。

・黒割れの崖 4枚

最も重要なゲーム最序盤にアンタップインできる2色土地。
デッキの性質上タップインが響く場面はほとんどない。
アグロのための土地。

・反逆のるつぼ、霜剣山 1枚

基本土地タイプを参照するカードは無いので1枚入れる分にはノーリスク。
こいつからトークンを出して押し切る展開は時々ある。

・山 6枚

上記特殊地形と合わせて3ターン以内にアンタップインできる赤マナが15枚ある。
1ターン目のアクションは全て赤マナなので1ターン目に赤マナが出ることは必須である。
これぐらいあれば大丈夫だろう。
厳密な計算はしていない。
勘である。

・見捨てられたぬかるみ、竹沼 1枚

1枚ならノーリスク。

・憑依された峰 1枚

《黙示録、シェオルドレッド》のために4ターン目の黒マナ供給を安定させたいが、赤マナでのダブルアクションも多いため赤マナを減らさず黒マナを巨給するために1枚だけ採用。
ごくたまに序盤でこいつを引いてしまい困ることがある。
このデッキにとって最序盤でのタップインはかなりの痛手なのであまり入れたくないカードである。

・沼 4枚

特殊地形と合わせて14枚の黒マナがある。
4ターン目に黒のダブルシンボルを出すためにはこれくらいは必要であろう。
計算はしていない。
勘である。
以上計21枚の土地を使用している。
4マナまで見るのなら土地は22枚あった方がいいかもしれない。
が、現状このリストでもミシック順位帯を1200位前後で争うことはできている。

・熊野と渇苛斬の対峙 4枚

1ターン目から相手にプレッシャーをかけるパーマネント。
先攻1ターン目にこれをセットするのが理想のスタート。
後手の場合相手のカードやこちらの手札次第で他のカードを優先する場合がある。
プレインズウォーカーに対して1点ダメージを与える能力も地味ながら時折役に立つ。

・僧院の速槍 4枚

高速アグロを行うにあたっては現環境で最強の1マナクリーチャーであろう。
4枚必須カードである。

・フェニックスの雛 3枚

1ターン目から安定して繰り出せる1点クロックである。
しかし安定しているとはいえその打撃力はあまりに細く、また後攻時ブロックできないデメリットが重くのしかかる。
正直に言ってできればあまり入れたくないカードだが、1マナ圏のクリーチャーは本当にあっという間に盤面に対する圧力を失う。
飛行と速攻で確実にダメージを与えるこのカードは他の1マナクリーチャーよりはいくらか頼りになる。
それだけ「1ターン目からダメージを与えていく」ことが重要なデッキなのだ。
ミシックに入ってから墓地からの復活条件の達成は至難の業となったが、ライブラリアウト(デッキ切れ戦術)相手などに時折刺さる。
以上11枚のカードが1ターン目に展開したいパーマネントである。
これらのカードが一枚も初手にない場合は基本的にはマリガンすべきである。(例外はある)
特に先攻の場合は1ターン目からパーマネントを展開するのは必須である。

・血に飢えた敵対者 4枚

このデッキにおける2マナのベストクリーチャー。
攻防に優れ、マナフラッド(土地の引きすぎ)に対する受けにもなる。
尖った性能は無いがあらゆる局面で役に立ってくれる安心のクリーチャー。

・ロノムの発掘家、フェルドン 1枚

先攻の時だけ鬼のように強いクリーチャー。
ブロックできないデメリットが後攻の時に非常につらい点と伝説なので重ねて引きたくない点を考慮して1枚の採用。
先手1ターン目熊野、2ターン目フェルドンの動きは非常に強力な押し付けムーブである。
また、「バトル」を設置することで後手からでも相手にブロックを強要する動きも強力。
とはいえ、下振れすると何もできないクリーチャーになってしまうのが個人的にはイヤなので採用枚数は抑えめに。

・ しつこい負け犬 3枚

パワー3はクロックとしては絶妙に放置しがたいが、追放しなければまた帰ってくるといううっとうしさ。
《切り崩し》や《火遊び》でテンポ(要したマナ差の優位)を取られてしまう点が《呪文槍のケンラ》の時から改善していないが、長期戦にもいくらか強くなり、また4マナ3点の擬似火力のような振る舞いもでき何かと器用なカード。
リソース(ここでの意味は手札や戦場のカード枚数)の交換をしあう時に強いため、どちらかというと後攻で相手の攻撃を迎え撃つ場面で強いカードかも知れない。
またバトルを絡めて無視することを許さない状況を作るのも良い。
以上、8枚が2マナ域のクリーチャーである。
このデッキのクリーチャーは基本的に、出した瞬間何らかの威力を発揮するか、そうでなければ対処に困難を要するカードしか入れていない。
対戦相手の除去や打ち消しも無限ではない。
対戦相手の許容量を上回る速度と圧力で攻めるのがこのデッキのコンセプトだ。

・ 怪しげな統治者、スクイー 2枚

攻めているときに圧倒的に強いクリーチャー。
連発は難しいものの墓地からの復活能力もありこのデッキのエースアタッカーと言える存在。
ただし、防戦に回ると力不足で、伝説であることも鑑みて採用は2枚に。
パーマネントを増やせるので膠着膠着状態に陥りそうなときに無理やり押し込んであとは《稲妻の一撃》などを放って勝利といった力業もできる。

・墓地の侵入者 3枚

攻撃力、除去耐性、墓地対策。
価値が多角的でいずれも申し分ない。
相手の墓地の《記憶の氾濫》などを追放することでコントロールに対しても補給路を断ち、除去耐性と合わせて相手を疲弊させることができる。
変身すればフィニッシャーとしての威力も申し分なし。
以上5枚が3マナ域のクリーチャーである。

・黙示録、シェオルドレッド 2枚

ここまで紹介したクリーチャーたちとの戦いに疲弊した相手へのとどめの一打として用意されたカード。
これまでの赤単での教訓から、赤というカラーでデッキのバランスを崩さずこれ以上の速さを追及することは現環境では不可能と感じたため、膠着状態に陥ってしまった時に強いこのクリーチャーを採用しようと思い立った。
このカードの実績は語るまでもないだろう。
以上2枚が4マナのクリーチャーである。
このデッキには26枚のクリーチャー(英雄譚含む)が採用されている。
基本的には「効力の速さ」が最優先であり、次に「対処の難しさ」を考えて採用している。
前者は赤、後者は黒に多い。

・タルキールへの侵攻 3枚

先手と後手をひっくり返すこのデッキの切り札。
裏面の《果敢な雷口》に対処できない相手にとっては、急に残りライフが5点になったようなもので、アグロデッキであってもこのカードを出された瞬間防御を強く意識することを強いられる。(これによって後攻スタートであってもこちらが「攻め手」になることができる)
最低でも2点火力として使うこともできる非常に使い勝手の良いカード。
《稲妻の一撃》でインスタント変身の構えを取るためにとりあえず2点だけ削っておく動きはよくある。
また、先手でもマリガンなどによって現状の手札に不足を感じる場合にも攻めに行ったりする。

・火遊び 4枚

本体への火力としては若干力不足だが、アグロに対するテンポの良い除去であり、本体へ投げたときの占術もいぶし銀の活躍を見せる。

・稲妻の一撃 4枚

信頼と実績の火力呪文。
以上、《タルキールへの侵攻》を含めた11枚が除去兼本体火力である。
除去か、本体か、これらのカードを対戦相手に合わせて柔軟に、的確に使いこなすことでこのデッキの強さが大きく変わってくる。

・喉首狙い 2枚

もともと敵本体に撃ち込めない除去呪文は採用したくないデッキタイプであったが、黒を足し、若干速度を落としたことで敵の強クリーチャーとの接触機会が増えることを考慮して2枚採用。
《輝かしい聖戦士、エーデリン》や相手の《黙示録、シェオルドレッド》など危険なクリーチャーを手早く処理することができる。
以上60枚でミシックランクを戦い抜いている。

・ザックリプレイメモ

ミシック帯のBO1は多種多様なデッキであふれており、全てに対処することはできない。
初手のキープ基準は「自分の一番強い動き」を基準に考えたほうが良い。
1.2.3ターン目によどみなくマナカーブ通りにカードが展開できること、そして1枚火力等除去呪文があること。
特に1ターン目にパーマネントを出せない手札はマリガンした方が良い。
最強の動きができればダブルマリガンくらいまでは取り返せる。
後攻の際は《タルキールへの侵攻》の重要度が増す。
遅いデッキ相手には速度で攻めれば勝てるし、早いデッキに対して後手を取った場合はなるべく戦場では相打ちを取っていき、ライフを守りながら消耗戦に持ち込む。
策が上手くいけば《しつこい負け犬》や《怪しげな統治者、スクイ―》で逆転できる。

・最後に

以上で赤黒アグロ、『星空まですべて手に入れた』の解説を終える。
今シーズンはまだ終了していない。
この記事を執筆している最中にもランキングは上下している。
ただ、このデッキがミシックランク帯を争う力があることは事実であるし、できることなら私はこのデッキで今シーズンを走りきりたいと思っている。(多少の微調整はするだろうが)
このデッキはワイルドカードをかなり食うため、コストパフォーマンスの点では前バージョン『灼熱のファイアーダンス(赤単)』には劣ると言わざるを得ないだろう。
しかし私は件の赤単では順位帯を勝ち切るのは難しいと判断した。
この決断が誤りでなかったことを証明するには、ゲームに勝利し、ミシック1200位以内を勝ち取る以外にないだろう。
最初に述べたように、環境末期に新たなスタンダードのデッキの記事を公開する意義は低い。
しかし、私自身の記録として、今回この記事を公開することにした。
デッキも文章もつたないものであるが、それでも誰かしらの参考になれば幸いなことである。
以上で本稿を終了。


ここまで読んでいただきありがとうございました!

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