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一風変わった主人公『おかえりモネ』 2021年10月21日(木)

来週で終わる予定のNHK朝ドラ『おかえりモネ』を今のところ欠かさず見ている。
今まで欠かさず見た朝ドラは再放送で見た『ちりとてちん』、途中から追いかけた『あまちゃん』以来で、ほぼリアルタイムで初回から見続けたのはこの『おかえりモネ』が初めてである。

朝ドラに疎いから正確ではないと思うが、この朝ドラ主人公モネは一風変わった主人公である。
このキャラクターがもし他のドラマの登場人物であったら主人公になっていたかどうか怪しい。
それくらい目立たない主人公である。

まず、ささやくような声でいつも話している。
感情を抑え込んだ喋り方をするのだ。
笑顔もかなり少ないと思う。
元気はつらつ、逆境にも立ち向かう、というタイプの主人公ではない。
モネは思ったことを口にしないため、集中してみないといけない。
ながら見など出来ないドラマとして制作されている。
例えば坂口健太郎演じる医師・菅波との関係など、普通のドラマだと会えないことで悶々とした恋愛模様を描きそうなのに、表面的にはあっさりなのである。
離れて暮らしていてもモネがどう思っているのかもあまり出てこない。
変わったドラマなのだ。

清原伽耶がそういう主人公を見事に演じている。

このドラマは東日本大震災で被災した気仙沼の島が舞台で、モネはその時島を離れていたという設定である。
そういう抗い難い災難を近くにいながら、何も出来なかった人を主人公に描いた物語である。
だから、モネが選択すべき道は、我々がすべきことのヒントにもなる可能性があるのだ。

最終週、この変わった主人公がどう進むのか、非常に楽しみである。

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