ウガンダのシングルマザーたちが手にしたこと~収入だけじゃない「Positiveに生きる力」

エイズで夫を亡くし、自身もHIV陽性でエイズ孤児を抱えているシングルマザーたち。
安定した職に就くことが難しく、不安定な体調やHIVによる差別や偏見に直面しながらエイズ孤児を育てています。

※エイズ孤児とは、両親または片親をエイズで失った18歳未満の子どもを指します。日本語だと「遺児」ということばの方がしっくりくるかもしれません。

PLASの事業の一つに、そんなシングルマザーたちへのスモールビジネス立ち上げトレーニングと初期投資の提供があります。

今回取り上げるのは、現地で「カフェ」と呼ぶ小さな飲食店の開業のサポート。
これによって、シングルマザーたちが安定した収入を得て貯蓄を行い、自立した暮らしを送ることで、将来的に子どもたちが教育を受け、修了・進学することを目指しています。

↑カフェビジネスの1年目を終えたシングルマザーたち。パートナー団体スタッフとお祝いしました。

シングルマザーたちが作るカフェメニュー。カップケーキやドーナツなど焼き菓子も人気です。

エイズにおびやかされない美しい地域をつくりたいー現地パートナー団体「マルチパーパス」とともに

この事業をPLASと一緒に進めるのは、2002年から活動するウガンダ現地のNGO「マルチパーパス」。
この地域ではたくさんの人々がエイズで亡くなるのを見て、なんとかこの状況を変えたいと、代表のムシシさんが立ち上げた団体です。

自分のビジネスを持つということ~シングルマザーたちの変化

お店をオープンするまでに、様々な研修を行います。
たとえば、焼き菓子の作り方を学ぶベーカリー研修や、ビジネスをまわすために必要な会計について、そして栄養や衛生に関する研修などです。
また、貯蓄の重要性についても学んでいきます。

こちらはカフェ事業の「ベーカリー研修」。郷土料理のほか、ケーキやドーナツの作り方も学びます。


研修を受けるシングルマザーのひとり、サリマさん。

始めたばかりの頃には、自信がない様子が見受けられました。

けれども、自分たちで開店したお店で腕をふるい、常連のお客さんが生まれるなかで、いつしか私たちに積極的に話しかけてくるようになりました。

こうした彼女の変化を、マルチパーパスのスタッフは

「周りから必要とされること、できることが生まれたことで、彼女たちに【自信】が生まれたんだ」

と話していました。

自分のお店をオープンしたシングルマザーたちは、ときにHIV感染の影響で体調を崩して、休んでしまうこともあるそうです。

ですが、支出と収入のバランスを取りながらビジネスを続けてゆき、少しずつではありますが、売上を増やしていっています。
事業を開始する前は、日本円換算の月収は平均2,000円程度でしたが、現在ではで3,500円程度まで増えてきました。

子どもたちと一緒にお店の前で

現地での調査からは、

●シングルマザー家庭の平均月収や貯蓄額がカフェビネス参加前より増加した
●栄養や衛生に関する知識が増えた
●カフェビジネスに参加したシングルマザーの心理状況が開始当初と比べて改善がみられた
●HIV/エイズによるスティグマやストレスが大きく改善し自己効力感が上がった

といった、シングルマザーたちの「ポジティブな変化」を垣間みることができています。

この事業のスタートから1年。
これまでシングルマザー9家庭と20名の子どもたちに支援を届けてきました。

シングルマザーたちにとってのカフェ事業は、期限付きの事業ではなくビジネスそのもので、それは彼女たちの生活や人生そのものであると言えます。

HIVと共に生きていても、自分に価値があると感じることができ、現在を起点に将来を前向きにとらえることができる―PLASが大切にしてる姿勢をカフェ事業のお母さんたちから感じとっています。

今、新たにシングルマザー9家庭がカフェ事業に参加しています。
お母さんたちがどのように変化していくのか、これからが楽しみです。

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