谷川俊太郎展 @東京オペラシティアートギャラリー

「かっぱかっぱらった
 かっぱらっぱかっぱらった
 とってちってた」


(「かっぱ」谷川俊太郎 より)

 小学校で教わって、印象的なリズムで今でも暗唱できる詩だけど、今まで、誰が書いた詩か意識したことがなかった。

東京オペラシティアートギャラリーで開催中の「谷川俊太郎展」

 実を言うと、谷川俊太郎さんて名前は知っていてもあまり作品は知らなかったのだけど、会場に入ると「あ、この詩、国語で習った。え、この絵本も?この歌も??」という感じだった。

 今回の展示でとにかく素晴らしかったのが、会場入ってはじめの部屋。コーネリアスと中村勇吾さんのコラボ作品だ。部屋をぐるりとたくさんのディスプレイ・スピーカーが囲んで、谷川俊太郎さんの詩のリズムが映像になって目の前いっぱいに現れ、ことばの音が音楽になって360度からぐるりと聞こえてくる。

「どっかに行こうと私が言う
どこ行こうかとあなたが言う
ここもいいなと私が言う
ここでもいいねとあなたが言う
言ってるうちに日が暮れて
ここがどこかになっていく」

(「ここ」 谷川俊太郎)

 この、「ここ」という詩の朗読が本当に素晴らしかった… 軽快な言葉が、目と耳から直接身体に流れ込んでくるみたいだった。この作品が体験できただけで本当に行って良かったと思える作品だった。


 展示後半は、谷川さんの詩をかたちづくる、みのまわりのものや衣食住、影響を受けたものなどが、谷川さん自身の言葉とともに展示されていた。


 その中でも、とりわけ「即興の詩」という、谷川さんがPC上に言葉を入力していく様子がそのままディスプレイに表れる展示は、ゆっくりと、でも迷いなく新しい詩が生まれてくる様子を体験できるようで面白かった。


 アートギャラリーで「詩」の展覧会なんて、いったい何を展示するんだろう?と疑問だったけど、ステートメントを読むと谷川さんご本人も疑問だったようで、「何を並べりゃいいのか知恵を絞った」「詩が突然リアルの風にさらされて… 恥ずかしいやら嬉しいやら です」という文は、なんだか可笑しくてほっこりしてしまった。

 言葉をいちど消化してから自分のなかに取り入れる詩は、わたしにとっては映像や音楽よりもハードルが高いと思ったけど、その面白さを文字でないもので見せてくれる、とても素敵な展示だった。


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会期:2018年1月13日(土)~3月25日(日)
時間:11:00~19:00(金、土曜は20:00まで)
休館日:月曜(祝日の場合翌火曜)、2月11日
料金:一般1,200円 大学・高校生800円

「私たちが知っているはずの谷川俊太郎像を見つめ直す」というコンセプトのもと開催。会場内には、小山田圭吾の音楽と中村勇吾の映像がコラボレーションした空間に加え、詩『自己紹介』に沿って、谷川が影響を受けた音楽、家族写真、書簡、ラジオのコレクションなどを紹介する空間が登場。谷川が1986年に出版した『33の質問』を現代版に再構築した展示や、書き下ろしの新作も紹介されるという。

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プラスクラ

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