万引き家族感想※軽くネタバレあり

万引き家族

社会的に悪いことよりも自分たちの幸せを選ぶ、という天気の子みたいなテーマのもと暮らしていた家族だった。しかし子どもがそこに違和感を覚え始め曝け出すという展開になった。ネットで調べて他人の考察を見て納得したことだが、全くハッピーエンドではないものの、終盤の展開で寄せ集め家族の強い絆がより深くなっていたことが祥太を追いかけるおじさんや、お金目当てでおばあちゃんが自分と暮らしていたことがわかってもなお暮らしていた家を見に行ったりするシーンなどでよくわかった。印象に残ったシーンは、警察に「母親が羨ましかったんだ」といわれて「憎かったな」と言ったシーン。「羨ましい」と「憎い」は肯定イメージがあるか否定イメージがあるかの違いがあるだけで、根本が同じ感情から生まれることがあると思う。その表裏一体感に気付かされた。言葉の表面的な部分だけかもしれないけど。あとは、駄菓子屋みたいな店主から「妹にはさせるなよ」と言われたり「おばあちゃんのお金だから悪くないよね、じゃあ万引きは?」と万引きや盗みの悪さに気づいていく過程もおもしろかった。一番最初から連携して万引きをするシーンだったので子どもにも万引きという習慣が刻まれていると思っていたが、成長していくに従って違和感を覚えて行くことで、子どもの純粋さが見えた気がした。本を読む賢い少年だからこそ違和感を覚えていったのかと思う。また、リリーフランキーの演技に関して、あまり学や教養がなくぶっきらぼうな物言いになる父親(代わり)の演技が素晴らしかった。あとは、最後のスーパーで万引きをしようとするシーンだが、その直前からゾクゾク言葉を失うようなドキドキ感があった。それまでのシーンで祥太が万引きに違和感を覚えていることはわかっていたので、この万引きで何かがあるのだろうと思わせる作りだった。あと、映画にはつきものだと思うが、エロティックなシーンは必要なのか、と思う。風俗店のシーンはその働きぶりや感情があるので必要かもしれないが、海に行ったシーンの胸を見つめてそのことを父親と話すシーンは必要なのか?と思う。父親と子どもの関係を描きたかったのかな?と思うが別にいらない気がする。筆者自分自身父親が単身赴任だからああいう会話はしたことがなくて現実性がわからないだけかもしれないが。そこ以外は重要で洗練されたシーンばかりで無駄がないように感じた。また、ハッピーエンドのものばかり見てきたから、最後に凛が元の親に返されてしまったことはどうするんだよ…と思ってしまった。また、さやかがみんなで暮らした家に戻るシーンで何かを見つけて最後に展開があるのではないかと期待してしまった。ネットで少しは解説を見たがさやかとおばあちゃんや、お金をもらっている家庭との関係性がよくわからなかった。あと、万引き家族の夫婦が誰を殺したかもよくわからない。舞台の家が自分の祖母の家のような昭和な感じの雰囲気がして、少し汚くて暗くて行き届いた生活ではなくても幸せに暮らしている印象を感じた。

箇条書きじゃないだけで箇条書きみたいな感想だし推敲もしていないが、名作とされる映画を見たわけだし感想を残そうと思ったので残す。

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