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奇書を奇書だと(2024/04/01)

・お久しブリーフ。ここ何週間か日記を書かなかったのは夢野久作「ドグラ・マグラ」を読んだからである。というのは半分冗談で、本を読んだり映画を見たりする時間に充てていた。長期の休みは後半になると、たいていだれてくる。そしてNetflixを見るくらいしかすることがなくなるのだ。ただ空腹を満たすことしかせずに、ご飯をずっと食べている。

・ドグラ・マグラは「三大寄書」にも数えられる一作で、読む前から身構えていた。読むと精神に支障をきたすといわれることもある奇作を前に、尻込みをしてしまっていて、高校生の頃に買って以来ずっと読了することができなかった。一度、本腰を入れて読んだこともあるんだけど、体長が悪くなって断念した過去がある。それを乗り越え、ようやくドグラ・マグラを読み終えたのだ。

・感想。思ったよりもすらすらと読めた。確かにオチと舞台、途中にある正木博士の論文などは精神病を扱っていることもあってごちゃごちゃしている。ただ軸がミステリーであることと(正面からのミステリーではないが)、主人公と同じように読者もまた事件と研究の全貌を俯瞰できないということがストーリーを難解にしていたという印象を抱いた。物語として面白かったので、読むと精神に支障をきたすと仰々しく語り継がれていることの強さにびびってしまう過去の私のような人間のもったいないと思った。課題図書にしましょう。

・ドグラ・マグラも読んだことだし、ぼちぼち日記を再開します。そしてこれを新年度1発目の日記にします。世間ではエイプリルフールということで嘘が散らばっていた。そもそも新年度が始まるという「何かが始まる」情報で溢れる日に嘘をついても言い訳がない。エイプリルフールという概念自体が嘘である。もうエイプリルフールはそろそろいいんじゃないでしょうか。「エイプリルフールのツイートはつまらない」という指摘すら一周回った気がする。でも1年に1度は必ず訪れるイベントなので、どうにかマンネリ化だけは避けなければならない。


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