アトリエ ヒトノマ

田村奏天の こと や もの。つくることをしています。様々なことを書きますが、なかなか様…

アトリエ ヒトノマ

田村奏天の こと や もの。つくることをしています。様々なことを書きますが、なかなか様になりません。 お問合せは下記サイトから。 https://hitonomaplaythesky.myportfolio.com

マガジン

  • Rich

    立教池袋中高文芸部発の作家を中心とした総合文芸同人誌「Rich」のWebマガジン Twitter:@BungeiRich Instagram:@bungeirich

  • 作品をかなでる。

    田村奏天の書き物など。

  • HITONOMA TALK

    ボクと、ボクの周りの話。

  • 感想をかなでる。

    田村奏天が何かをよんで感想などをぽろぽろと。

  • 《なにか》めいた練習

    おそらく定期的に、田村奏天が書くことを忘れないようにするための瞬間。(更新停止)

最近の記事

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【お知らせ】第一詩集が発売されます

 みなさんこんにちは、田村奏天です。noteがだんだんと報告ツールになってしまわないか心配なのですが、前回に引き続きお知らせです。第一詩集が発売されます。  大学横断詩誌『インカレポエトリ』の企画? としてここ数年、「インカレポエトリ叢書」という同誌出身の若手詩人による第一詩集のシリーズが刊行されています。今回その26冊目として、末席に加えていただくこととなりました。詩集のタイトルは『ヒトノマ』。セルフタイトルです。 『透けやすい』収録の「衝動と空」をはじめとした現代詩作品

    • 【お知らせ】総合文芸同人誌『Rich』を創刊します

      みなさんこんにちは、田村奏天です。突然のご報告なのですが、5月の文学フリマ東京に向けて、新しい同人誌を作ります。諸文芸を幅広く扱うこの雑誌、名前を『Rich』といいます。名前の由来は母校であり、勤務地(といっても学生コーチのアルバイトですが……)である、立教池袋中高の略称「立池(リツイケ)」の音読み。同校文芸部発の作家たちを中心として、短詩系だけでなく、幅広い「文芸」を披露する媒体です。ちゃんとした「創刊の辞」は、そういうのって創刊号に載っていてようやく役割を果たしてくれると

      • 「あかるい生活」/「(We Don't Need to be)Said Something」

         不安や恐れは時として暗がりから生まれる。母校の文化祭では部屋の照明を落とすことが禁じられていて、結果として文化祭然とした展示企画のいくつかは封じられている。だからあの空間に叫声が響くことはない。  名を失ったのちの世界はどれほどの闇に包まれているのだろうと思う。想像すればそれ以上に恐ろしいことはなくて、ボクの精神が自同律にどれほどの快を覚えているのかが明瞭に分かる。書き連ねるさなかにあって、名を失わないこと。生よりも大事なものとして名を抱えれば、最近は幾分か精神の骨格が不定

        • 『柚子の花から生まれてさ』

           某大会について様々に述べていた記事の伸びが良いです。少しですが、角川『俳句』で触れていただいたりするのはありがたいことです。大したことを書いたわけではないので、少し不安になっていたりしますが。トゲのない記事ではないけれど、すこしでもこれからの子たちのための過ごしやすい環境整備がなされるといいな、と思います。  ただ、ボクはあの大会の関係者として生きていきたい気持ちは一切ありません。ボクはあくまで一人のつくり手であり(使えるものはなるべく使う派だけれど)、高校時代の経験にばか

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        【お知らせ】第一詩集が発売されます

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          俳句甲子園の話──岩田奎「俳句甲子園で(再現性をもって)勝つ方法」を考える

           あ、今回は俳句甲子園関係の感動的な話はしません。期待してた人たちはごめんなさい。でも、そういうの長引かせるのって、野暮ですよね。彼らの話は、彼らのための時間でします。そんでもって書いてみたらすごい分量になっちゃった。夏の課題より文字数書いてます。でも頑張って読んでください。 ・ことの発端  なんで改めて俳句甲子園の話をしだしたのかというと、俳壇で今羨望の眼差しを集めまくっちゃってる大会の先輩、そうあの人が俳句甲子園についての記事を出していたから。  岩田さん、これ、全

          俳句甲子園の話──岩田奎「俳句甲子園で(再現性をもって)勝つ方法」を考える

          呪いのための

           今年も俳句甲子園が終わりました。ボクが学生コーチとして関わらせてもらっている立教池袋高校は、Aチームが団体として3位入賞、個人優秀賞と入選がそれぞれ1名。Bチームが団体では惜しくも初日での敗退だったものの、個人優秀賞を2名輩出するという、学校史から見れば快挙と言える、申し分のない結果でした。  ただ、ボクは簡単に「おめでとう」とは伝えられません。例えばAチームに対しては、最後に負けて、その結果もらう賞の悔しさをボク自身も知らないわけではないし、3年生として、入選で自分の名

          『ずいぶん溢れやすい水』

           大学卒業に際して、卒業制作を作りました。ボクのいる文芸・思想専修というところではそれは義務ではなく、ただ多くの単位をもらえる任意の授業というシステムでしたが、別に単位が足りないとかそういう理由ではなく、「そのために入学したのだから」という心持ちによって行ったことです。  詩集を編む、という行為ははじめてのことでした。制作物に加え、補助論文が課されることもあり、結果としては満足のいく品質だったかと言われれば微妙なのですが、自分の作品を三十編近く集めて、百頁に迫る本にしたとき

          『ずいぶん溢れやすい水』

          2022年の話 feat.『言葉の玉手箱26号』

           暮れましたね。早いものです。けれど、思い返して見ると、確かに数ヶ月前のことが、遠い昔にも感じられます。時間は人それぞれに流れていて、確定したものではないのに、毎年が確かに尽きるから、みんな生きているなあと思います。  この1年を、特にボクにまつわる一年を、語る言葉を持ち合わせません。終始、鋭く貫いてくる冷たい1年でした。それを正しく回復する方法も知らず、爛れおちていく外殻を眺めています。さまざまなことがあって、さまざまな気持ちを思って、さまざまなことを知った1年でした。  

          2022年の話 feat.『言葉の玉手箱26号』

          第四回全国俳誌協会新人賞準賞受賞作『ハンカチのはりねずみ』

           ありがたいことに、先日、第四回全国俳誌協会新人賞の準賞をいただきました。盾や賞金なんて手にするのは初めての経験でしたので、驚いたこと驚いたこと。  どうやら受賞作は自身のページでも発表していいらしく、みなさん発表していらっしゃるので、ボクもnoteに貼り付けておきます。ただ、ボクの認識が正しければ、どうやら協会誌『俳句展望』及び、全国俳誌協会ウェブサイトに掲載されるらしいです。見る場は他にもあるらしいってことですね。なので、(2023年8月追記:無料で作品が見られる場所が

          有料
          700

          第四回全国俳誌協会新人賞準賞受賞作『ハンカチのはりねず…

          墓標──『Re:その果』

           一時期、俳句を作ろうと真剣だった時期があります。もっとわかりやすく言うのであれば、俳句甲子園に関連する、俳句を作る人間という自分の一面を、大事にしていた時期があります。今はそれを大事にしていないとか、真剣じゃないとか、そういうわけではなくて、あの頃より一層自分であろうとしています。あの瞬間は、巧みさを少しばかり求めていたけれど、ちょっとした衒いというか、気の迷いだったな、と思います。ある瞬間まで、その時期のめまいが時折来ては、バランスが取れず、ローディング時間が長くなってし

          墓標──『Re:その果』

          マジック:ザ・ギャザリングの話

           いままで「《なにかめいた》練習」として書いていたもの、あの名前はなんとなく肩肘貼ってしまっていたので、これからは「〇〇の話」として続けていきます。趣味とか、感じたこととか、気楽に書いていこうかな。せめて最低月一くらいの頻度で上がるとは思うので、よろしくお願いします。  ところで、ボクはかれこれ5年以上、とあるカードゲームを続けています。名前は「マジック:ザ・ギャザリング(Magic; the Gathering)」、通称MTGと呼ばれるゲームです。。今回は、ボクのそれなり

          マジック:ザ・ギャザリングの話

          『鱗屋』

           ここ数日、一気に過去作や衝動を投稿しています。そのどれか一つでも、あなたの目に止まれば嬉しいです。  今回の作品を書いたのは、もう二年前、受講していた大学の演習にて、課題として提出したものです。確かボクはこの作品を、旅行帰りの飛行機内で書き始め、書き終えたはずです。なんとも大学生らしい愚かな初速のみで組み上がった本作の初稿は、もちろんうまくオチませんでした。けれど、すこし組み直して、まあ酸化させてもいいかな、と思えるようになったので、今日があるわけです。というわけで、短編

          『オアシス』

           オアシスを好きになったのはたしか中学生の頃のこと。一方でボーカロイドをはじめとした、〈当時の自分たち〉に流行していたカルチャーを追いかけ、一方で中古の「Time Flies... 1994-2009」を手にして、あのざざっとしたサウンドに浸っていました。  中学生ということは、つまりは彼らが解散した後のこと。もちろん、それまでその名を知らなかった訳ではありません。小学生のころから、父のiPodに入っていた「Morning Glory」 は聴いていたし、誰だったか忘れたけれど

          『ぼくときみとのことを』

           すいません、投稿頻度を増やしますと述べてから一切の投稿をしていません。言い訳はいろいろあるけれど、ボクはnoteに対してはあまり筆まめじゃないみたい。  もう少し筆まめになりたいな、とは思っています。頑張ります。  エッセイとか、そういうものを書けていないのは、常々気づきの少ない鈍いやつとして生きているからかな、と思います。ただ、作品を作っていないわけではないです。色々な考えの中、事情の中、意図的に投稿していません。  でも、それじゃあ触れられない言葉たちがあって、とても

          『ぼくときみとのことを』

          《なにか》めいた練習④〜もうすぐ、もう、でしたね。〜

           気がつけばもう春だし、気が付けばもう春も過ぎ去るかもしれないし。春の長さは、いつも想定よりも短い気がする。でも、まだまだ暖かくならなくて、しまってしまいたいけれど、まだまだ壁にかけられている冬用のコートたち。もうすぐ春ですね、もう春ですね、春でしたね。同居する時間軸。時のあり方は思っているより自由さ、ぼくたちと比べればね。  気がつけばnoteをあまりにも更新しませんでした。その間なにも書かなかった訳ではないです。その代表格として、今は『インカレポエトリ』という雑誌があり

          《なにか》めいた練習④〜もうすぐ、もう、でしたね。〜

          『蟹と宇宙船』

           前略、作ってから半年ほど経ったのでそろそろ公開しようと思います。これを公開するなら、深夜かな、と、ふわふわと考えていました。大学の演習、合評会で提出した作品『蟹と宇宙船』、100分授業で、授業1回につき3作品ほど読むので、まあ、10分もなく読めると思います。 蟹と宇宙船 その蟹と出会ったのは、十年ほど前だったと思う。たしか、それはコンビニで炭酸水と少年漫画雑誌を買い終えた、夜更の開けた道路でのことだ。当時の僕からしてみれば、蟹と言えば茹でられた〈カニ〉の橙色の甲羅しか知ら

          『蟹と宇宙船』