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#2 ライブレポート indigo la End「ナツヨノマジックvol.3」

ライブの概観

 コロナ禍真っ只中に行われた配信ライブ「ナツヨノマジック」から約3年後、日比谷野音で行われたvol.2を経て、あの時と同じ河口湖ステラシアターにて開催されたのが、「ナツヨノマジックvol.3」です。オンラインライブの中継先として使った会場をお客さんで埋める。なんとも感慨深いですね。

 過去2回行われたナツヨノマジックの傾向からして、あまりマイナーな曲をやらないセトリを予想していましたが、良い意味でその予想を裏切ってくれました。特に、幕間後の怒涛のレア曲ラッシュに胸が躍りましたね。

 実をいうと、vol.2は諸事情により参加を見送ったのですが、この回は激レア曲「シベリアの女の子」の電撃披露(ナツヨにシベリア…!?)に加えて、「夜の恋は→結び様」という即死確定コンボというまさかの展開を見逃してしまったため、vol.3はいつどこでやろうが何がなんでも参加すると意気込んでおりました。結果、怒涛のレア曲ラッシュを目撃することができたので、思い残すことはございません(嘘、シベリア聴きたい…)。

 河口湖ステラシアターですが、音質があまり良くないように感じてしまいました。野外ということもあるのかもしれませんが、次に参加したライブの会場が最新鋭のライブハウスタジアム"zepp shinjuku"だったこともあって、一層その差が表れたように感じました。あとは分かっちゃいたけど遠いですね笑。それでもライブは十分楽しめたので、またここでやることがあれば当然参加するつもりです。

 では、そろそろ内容に入ります。当方のレポートでは、indigoのライブに限り、演奏頻度のランク付けをしております。詳しくは以下の通りです。その他、レポートの注意点は#1を参照してください。

S:定番曲
ex)夏夜のマジック、想いきり
A:旧定番曲又はコンスタントにやる曲
ex)通り恋、瞳に映らない
B:時々やる曲、過去曲中心セトリでよくやる曲
ex)彼女の相談、幸せな街路樹
C:めったにやらない曲、期間が年単位で空く曲
ex)sweet spider、プレイバック
D:未披露又はほとんどやらない曲、当該曲を収録したアルバムを提げたツアー以外やってない曲
ex)天使にキスを、固まって喜んで
Z:基準時においてリリースから1年未満の曲、ランク付けの対象外

セットリスト

01. 夜汽車は走る A←Pick Up
02. 想いきり S
03. ワンダーテンダー C←Pick Up
04. 名前は片想い Z
05. 見せかけのラブソング B←Pick Up
06. 雫に恋して A
07. チューリップ S
08. フラれてみたんだよ B
09. 忘れっぽいんだ Z
10. 幸せが溢れたら B←Pick Up
-ー幕間 (夜風とハヤブサ(THE BED ROOM TAPE Remix))ーー
11. 秋雨の降り方がいじらしい C←Pick Up
12. 夢で逢えたら D←Pick Up
13. 楽園 D←Pick Up
14. 夜風とハヤブサ S
15. 大停電の夜に C←Pick Up
16. 夜の恋は A
17. 抱きしめて B←Pick Up
18. 1988 D←Pick Up
enc
19. カンナ Z
20. 夏夜のマジック S←Pick Up

詳細

夜汽車は走る

 過去2回、「ナツヨノマジック」の1曲目として演奏されてきた曲。「さあ、始めようか」というモノローグを合図に、今回も引き続いて1曲目に演奏されました。3度目ということで、すっかりナツヨノマジックのオープニングナンバーとして定着しましたね。

ワンダーテンダー

 馳せ合いvol.2以来に聴けました。結構盛り上がる曲なので、個人的にはもっとライブで聴きたいなと思っている一曲です。定番曲、想いきりの後に久々に披露されたこともあって、会場の空気が少し変わったように感じました。やっぱりこの辺りの曲を聴けるとなると嬉しいですよね。もっと聴きたいぜ、ワンテン。

見せかけのラブソング

 片想いが思いの外早い段階で演奏され、「おや?」と思っていたところで披露されたのがこの曲。こちらもナツヨ皆勤賞です。ここ数年、ワンマンに限ってはナツヨに限っての披露のようで、個人的にはTour「心実」以来。どうりで久々に感じたわけです。特徴的なファルセットはこの日も健在でした。

幸せが溢れたら

 見せかけ〜チューリップまでのナツヨ皆勤賞曲、さらにアコギ曲が続き、前半戦最後の曲がこちら。Tour「helpless」最後の曲として披露されて以来です。「helpless」での若干重ための空気の中で聴いてたのと異なり、ナツヨは年に一度のお祭りのような感覚でいたため、暗い曲ではあるもののタイトル通りの気持ちで聴いていました。

秋雨の降り方がいじらしい

 夜風とハヤブサのリミックスに乗せ、メンバーの舞台裏も見れた幕間を挟んで流れてきたのは、後鳥さんのキレキレベースが特徴の繋ぎ。「ナツヨノマジック」というタイトルではあるものの、既に10月の山中湖の夜は涼しいを通り越して少し寒い。そんな時にぴったりな曲でした。そういえばこの日は少し雨も降ったなあ。主賓というほど目立たなかったのはまだ良かったかな。

夢で逢えたら

 まさかの選曲、約7年ぶりの披露のようです。繋ぎの部分で、これはもしや来るのでは?と期待していました。昔の曲だけあって詞に若さを感じるものの、今のindigoの洗練された状態でやるのでは全然違い、純粋にカッコいいなと思いました。長めの間奏における楽器のせめぎ合いは、聴きどころの一つですね。個人的に「さようなら、素晴らしい世界」の曲の中でライブで聴いてないのは、残すところ「Warhol」と「ジョン・カーティス」(むだいは置いておいて)のみ「Warhol」はいつかやってくれそうな気もするけど、どうだろう。

楽園

 予想に反したインディーズ時代の怒涛のレア曲ラッシュに、気分は最高潮に。馳せ合いvol.2で演奏されましたが、ワンマンでは前曲と同様約7年ぶりの模様です。終盤のポエトリーリーディングは、一字一句聴き漏らさぬようじっと聴いて、その世界観に浸ってました。

大停電の夜に

 定番曲の夜風を挟んで激しいイントロが…と思った矢先に、絵音さんが歌い出しを間違えるまさかのハプニング。緊張感のある空気が少し和らいだところで、気を取り直して曲に入りました。この曲は初参加のライブ、蒼きのvol.2で聴いた曲であり、個人的に思い入れがあります。人里離れた河口湖の野外ライブ、星が綺麗に見える場所でやるにはぴったりの一曲ですよね。

1988

 夜の恋はの直後、これはまた結び様で締める恒例パターンを予想していたのですが、MC中の繋ぎ・雰囲気、MCの内容からしてどうしてもそのようには思えず…。流れてきたのはえつこさんの鍵盤の音。絵音さんがアコギを持っていたことも相まって、全く予想外の選曲でした。Tour「1988」は大学受験勉強真っ只中であり参加できなかったため、この日一番嬉しかったです。絵音さんが曲中でアコギからエレキに持ち替えるところが素敵でしたね。終盤のロックサウンドに乗せて紡がれる詞の美しさといったらないです。これからも、言葉で小さな命をつぐむindigoを応援していきましょう。

夏夜のマジック

 最後の曲はもちろんこちら。3年前と同じように、Cメロからラスサビにかけて花火が打ち上げられました。座席の関係で見えなかったのですが笑。ライブの度に演奏されるこの曲も、ナツヨのステージでは一層特別なものに。明るく「またね!」の感じで終わるわけでもなく、少し重たい曲で何かを訴えて終わるわけでもない、indigoでなければできないライブの終わり方ですよね。毎回ライブで演奏されるとついつい忘れがちにもなりますが、代表曲だけあってやっぱりこの曲が好きなんだなと改めて実感します。日常でどれだけ悲しいこと、落ち込むことがあっても、今日だけは夏の夜のマジックで、ラララ歌わせて。

まとめ

 忘れられない夜が終わったな、と思いきや、「家に帰るまでがナツヨノマジック」と後鳥さんに言われた手前、同行した友人を送ったこともあって、僕のナツヨノマジックが日を跨いでしまったことはさておき。この日のindigoは、新旧織りなすセトリでファンを楽しませてくれましたね。撮影用カメラが入っているとのことで、この日のライブの映像化は確実です。どのような形で世に出るかは分かりませんが、首を長くして待ってます。1988の映像を観たい…。2024年もナツヨノマジックの開催を願ってます。また日本のどこかの空の下で会えるといいですね。

 余談ですが、蒼きvol.3でのアンパブでの絵音さんの荒れ具合と、ナツヨでの楽園、大停電等の披露から、何か最近思うところがあるのかなという邪推をしてしまったのも事実で。とはいえ所詮ファンの1人にすぎないので、気にしない方がいいのだろうけれど。

今日の一曲

 まだ#2にもかかわらず新コーナーです。このコーナーは、レポートの内容とは関係なく、最近自分が聴いている何らかの曲を紹介するコーナーです。もしよろしければ、最後までお付き合いください。

 今日の一曲はこちら。

 アニメ「葬送のフリーレン」のOP主題歌となっているこの曲。実をいうと、ヨルシカはあまり通ってこなかったのですが、この曲はかなり聴き込んでます。アニメ、原作を追っているとより曲への解析度が高まるのでオススメです。この曲を一言で言うなら、「レクイエム」でしょうか。主人公フリーレンからかつての仲間である、亡き勇者ヒンメルに送る鎮魂歌。タイトル通りの晴れやかな明るさの内に、哀しみと祈りが込められています。詞のなかに「凪げ」という言葉が出てきます。僕のお気に入りの言葉です。凪ぐとは、風が止み穏やかになる様を意味します。ここでの「凪ぐ」は、悼みという死者に向けたものと喪失から生まれる哀しみを鎮静するための、自身に向けたものと、二つの意味合いがあるように思えます。とにかく僕が言いたいのは、フリーレン面白いのでオススメだよ、ということです。

 次回の内容はまだ決まっておりません。現在、King Gnuのライブレポートを執筆中ですが、完成は近いものの、まだドームツアーを完走していないため、公開はドームツアー終了後となる予定です。それではまた。

トバリ

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