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メンヘラについて思うこと

浸透してる言葉だから適応したいと思いながらも何となく使うことに抵抗がある言葉の中に「メンヘラ」がある。 もともと「メンヘラ」という言葉は、心の健康という意味の「メンタルヘルス」がネット上で「メンヘル」と略され、ランナーやシンガー同様に語尾にerをつけて人物を指すようになった言葉であるが、本来持っていたメンタルヘルスの意味がだいぶ抜け落ち、今では、「重い」「かまってちゃん」のようなニュアンスで使うことが多い。 メンタルヘルスの観点で考えると皆何かしら悩みを抱えていて、心が健

    • Ctrl+Zで戻れない

      昨晩は寝られなかった。旅先だったからなのか、はたまた他の理由があるのか。どちらにしても携帯電話なしに夜を超えることがいつの間に不可能になってた。 LINEの返信が来ないとか、既読がつかないとか、電話に出てくれなかったとか、そういう在り来りのことで悩みたくない。気にしたくない。女の子がチュチュアンナで下着を買ったときに入れてもらう赤い袋くらいありふれてる。どうせ悩むなら誰も悩んでいないような悩みを抱えたいと思うのも贅沢な悩みなのだろうか。 赤と言えば。飼っていた金魚が死んだ

      • 大人になったけど2番目に好きな人が分からない

        大人になった。既読無視も未読無視もスルーできるようになったし、やたら小さかったり丸っこい字はいつの間にか書かなくなった。突如姿を現す広告の片隅の申し訳程度の×を器用に弾く深夜に「よった」を予測変換すると「寄った」より先に「酔った」が出てくる。好きな人に見てほしいだけのためにストーリーを上げることはもうない。昔買ってもらって薬指にはめてた指輪は今となってはピンキーリングとなった。 幼稚園の頃になりたかったお花屋さんもケーキ屋さんも、今は専らそれらを享受する側であることに十分満

        • 「全然大丈夫」とかいうエイプリルフール

          毎日寒いから春の話。4月1日。エイプリルフール。 全然大丈夫じゃないけどとりあえず言う「全然大丈夫」が大丈夫じゃないことにせめて自分で気づいていられたらいいなと思う。 本来「全然」の後ろに否定しか来なかった語が今肯定を伴っていることは、文法構造からしても「全然大丈夫じゃない」ことを「大丈夫」と強調し続けた結果なんじゃないかと思いながらスクロールしたまとめサイトが、夏目漱石は『坊っちゃん』の中で、「生徒が全然悪(る)いです。」と表現していることを伝える。適当なことを言ってし

        メンヘラについて思うこと

          SNSについて思うこと。

          家の人に聞こえるのが嫌で電話のコードを引っ張って部屋で電話する。あるいは。人通りの少ない、大通りから離れた公衆電話で電話をかける。生徒手帳のカバーの内側には、色褪せたプリクラとともに、きっと今でも残金僅かなテレフォンカードが入っているはずだ。テレフォンカード。次第に高さを失う10円玉のタワー。電話ボックス。全ての単語が懐かしい。 携帯電話が普及していなかった頃、いや、正しく言えば携帯電話を持っていなかった頃、待ち合わせは賭けだった。家を出てからの「今日は部活休むから一緒に行

          SNSについて思うこと。