時計

フリースタイルピアニストで文豪です。 遠い昔「ぷらんくとん」を名乗っていました。 堀尾…

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フリースタイルピアニストで文豪です。 遠い昔「ぷらんくとん」を名乗っていました。 堀尾翔太の名前で「一体化現象」という小説集を出しています。 http://amzn.asia/d/9cYwe45 https://soundcloud.app.goo.gl/FXJC

最近の記事

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(去年の四月に書いてなんか違うなって思ったけどさっき見たらまあいいかって思ったヤツ)

    • 私は嵐

      私は嵐、屍までは 羽根なら雨は、逆巻くならね 駱駝は楽か、楽でないでしょ 砂漠を歩く、だらだら駱駝 あなたは嵐、遠いところへ、砂漠の先へ サハラにサヨナラ、サクラは僕ら 初恋はまだ、なら明日来いまたね 彼方のあなた、此方の私 私は嵐、屍までは 咲く咲くサクラ、サクラが咲くわ 錯乱サフラン、サボテントンカツ 腹が減ってはオムライス、夏草や 向こうを見て 向こうを見て 向こうを見て 誰がいる? 誰かいる さくらさくさく だらだららくだ はらはら涙は浮遊中 黄昏は憧れ、落涙はは

      • 窓を開けよう(みんなでつくる音楽祭in小平2022)

        knock knock 嫌だなぁ、誰かが窓を叩いている。 僕はずっと一人で寝ていたいんだ。僕は怠け者である自分を恥じていないんだよ。 knock knock いくら窓を叩かれたって、僕は寝たふり。カーテンも開けないよ。 なんたって、窓の向こうに面白いものはないからね。 それに引き換えどうだい、ここには枕も毛布もある。他に何が必要だ? knock knock あの子もしつこいな。 僕が出てきやしないって、わかってるだろうに。 いつまでだって窓を叩いているとい

        • 僕たちはいつだって音楽をやりたい(みんなでつくる音楽祭in小平2021)

           ある時代のある場所に、戦争があった。戦争は長く続いていたが、だんだんと終わりが見えてきていた。夜も遅く、二人の兵隊が見張りに立っていた。 「なあマルタン、お前はこの戦争が終わったらどうするつもりだ」 「何も考えられないな。何かつまらないことをやるだろう」 「マルタン、俺たちは面白いことをやらなけりゃいけないぜ」  そう言って兵隊の一人は口笛を吹いた。マルタンは口笛を聞いていた。 「それはなんて歌だ、ミシェル」 「名前なんてない」  ミシェルは少し辺りを気にして、声を潜めた。

        (去年の四月に書いてなんか違うなって思ったけどさっき見たらまあいいかって思ったヤツ)

          浮かばれなかったゴースト、音楽祭に行く(みんなでつくる音楽祭in小平2020)

           ここに一人のゴーストがいた。彼は生前あまり幸せではなかった。楽しい思い出を持っていなかった。そのために浮かばれなかった。彼はまだ、ゴーストとしてこの街をさまよっていた。  その日、公民館では音楽祭が行われていた。ちょうどオープンの時間だった。ゴーストは公民館に紛れ込んでいった。  ロビーではバンド演奏が行われていた。ゴーストは演奏を聞いた。音楽だ。あまり幸せではなかったゴーストだが、彼の人生において音楽は良いものとして分類されていた。ゴーストは演奏を楽しんだ。  プログラム

          浮かばれなかったゴースト、音楽祭に行く(みんなでつくる音楽祭in小平2020)

          人類史上最悪の発明と、それによって生じる希望(だけではないけれど)

          人が人を殺した数と、犬が犬を殺した数、どちらが多いでしょうか。母数に差があるでしょうから、割合で比べた方が適切かもしれません。 全ての人の中で人を殺した人の割合、全ての犬の中で犬を殺した犬の割合、全てのクジラの中でクジラを殺したクジラの割合、全ての蝶の中で蝶を殺した蝶の割合、一番程度が酷いのはどれでしょうか。1の殺した数が2以上であった場合、その分だけ割合は上がるものとさせてください。 私はデータを持っていないので、有効な答えは示せません。しかし現在までに犬は原子爆弾を作って

          人類史上最悪の発明と、それによって生じる希望(だけではないけれど)

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          2010-2012(25-27)

          2010-2012(25-27)

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          シーラカンス

          「鬼の話をしてほしい」と頼まれて、僕はマンガに出てきた鬼の話をした。彼がマンガに出てきた鬼の話をして、僕はそれを聞いていたんだったかも。 その件に関してシーラカンスはなんて言ってた? 「shhhh」って言ってた。 これは全部嘘。 A「愚か者をみんな死刑にしたらいくらかマシになるんじゃないか」 B「愚か者の定義を明確にできる?」 C「shhhh」 さて、簡単なクイズです。シーラカンスはどれ?(答えはC) これは全部嘘。 嘘の話に価値はあると思う? 僕は価値などない話がしたい

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          respect T.I.

          10年以上前に、パワーポイントで遊んでいました。 作ったものを動画にしたかったのですが、当時の僕の技術では不可能でした。 これはそれです。

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          2010/12/12 (sun)

          午前九時少し前にバイトが終わり、家に帰る。ほとんど準備(と言ってもカバンに本やCDを入れた程度だけど)はしてあったので、シャワーだけ浴びて午前十時過ぎに部屋を出る。コンビニで朝食を買ってから、歩きながら携帯を見ると、Oくんからメールが来ていた。「念のため。きたぐには直江津を0時57分発、京都に6時16分。さすがに窓口やってないから注意。妙高高原から直江津への最終は23時6分発。直江津には23時53分着ね。(10:26)」親切すぎる。彼も今日旅行で新潟へ行くらしい。 京都駅まで

          2010/12/12 (sun)

          壁の話

          影が映っている。私には踊っているように見える。けれどあなたはここにいない。 私は踊る影を見ている。影は踊っている。音楽もないのに。この光は、踊る影のためだけに光っている。 私はここにあなたがいなくて良かったと思う。もしもあなたがいたら、こんな気持ちで見ることはできなかった。あなたがここにいなくて良かった。 影は、本当は飛びたいのだろう。だけど私たちに飛ぶことはできない。できることは、踊ることだけだ。 私は知っている。 あなたは飛びたかった。 私は知っている。 私たちが

          魔王再臨

          二年か、いや三年くらい経つかな。 帰ってくるらしいよ。この辺りに。 もうすっかり忘れていたね。少なくとも二年は経つから。 色んなことが曖昧だ。良いものか悪いものかもよくわからない。 正直な印象を白状すれば、あれはあまり良いものではなかった。 だけど帰ってくるらしいよ。この辺りに。 本当のところ、もう嫌なんだ。よくわからないから。どうしようもないけどね。 わからないってのは、怖い。 どうやら回転している。帰ってくるってことはね。 あれは円環の上を動く点だ。 いや、動く点は僕

          魔王再臨

          知らない人の名前

          私が見たのは知らない人の名前です。 この名前の持ち主は、きっと海の絵など描くでしょう。 この名前の持ち主は、きっと犬のことなど考えないでしょう。 この名前の持ち主は、きっとあなたなど裏切るでしょう。 そうです。この名前の持ち主は、きっとろくでもない人間です。私は知りませんが。 知りもしないのに、適当なことを言ってごめんなさいね。 だって私には、知らない人への責任などないもの。全く。嫌いなわけじゃないよ。 私は知らない人の名前を知っています。 私は相変わらずこの方のこと

          知らない人の名前

          UFOを見たような

          僕はUFOを見たことがあるような気がする。 雪の日のことだ。 あの日はかなり降ったので、比較的温暖な僕の街でも雪は積もった。 僕は冬の冷たい空気が好きなので(その悲しい匂いが)、雪の積もった街を一人でふらふらしていた。そこにUFO(のようなもの)が飛んできたのだ。 飛んできたUFO(のようなもの)は、まさにあの形をしていた。UFOを思い浮かべてみてほしい。僕が見たのは、それだ。お皿の上に、ひっくり返したお椀がのってるようなヤツ。 UFO(のようなもの)は空中をふらふら飛

          UFOを見たような

          魔法が解けないように祈る者

          あの言葉は私にとって魔法であった。 私は生きていけると思った。 私は既にその言葉を忘れている。 忘れたら死んでしまう、などというルールは存在しない。この宇宙空間には。 今も私は生きている。 魔法はまだ活きているのだ。 私の魔法は、魔法だ。魔法が魔法だ。 忘れてしまったあの言葉が私を生かしているのではない。あのときにかけられた魔法が私を生かしているのだ。 私は祈っている。 魔法が解けませんように。 何もかも忘れても、魔法が私を生かしますように。 私は知っている。 あの歌

          魔法が解けないように祈る者

          last fireworks

          昼間の私は冬のことなど考えておりました。すっかり涼しかったので。昔のことなど思い出して、誰かに会いたくなり、「ああこれが人恋しいという気持ちか」などと発見しておりました。 夜になって発見したのは、まだ八月は二日程あるということ。いずれ冬は訪れるのでしょうが、私は未だ夏でした。 未だ夏ならば。最後に花火をしたいと。思いました。 しかし、現在の私は一人でおります。人間はみんな一人である、などという話ではなく、もう少し緩い意味での一人です。さて一人で行う花火とは楽しいものでし

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