見出し画像

Eviが居なくたって見るぞ!LEC観戦ガイド|2024 Winter Split

 Evi選手のおかげでLECにハマって、今年も見たい!という方のための観戦ガイド。LECを初めて観戦する方はぜひ昨年の記事に書いたリーグ概要を参照されたい。


リーグ概観

 昨年のLECは事前に危惧されていた通り、戦力が分散したことによるリーグ全体のレベルダウンが国際戦の舞台で露呈する結果となった。MSIではLPL・LCKにベスト4の座を占められ、Worldsではスクリム番長として鳴らしていたはずのG2すらもプレイオフ進出を逃した。あまつさえLCSチームにも後れを取ったというのは、EUファンにとって耐え難い屈辱だろう。
 再起をかける今年は、リーグ内の競争力向上に注目が集まる。ERLからデビューするプレイヤーも増え、下からの突き上げが古参プレイヤーたちにも刺激を与えそうだ。中韓が恐れたかつての輝きを取り戻すべく、鎬を削るヨーロッパの猛者たちから目が離せない。

 今シーズンは昨年に引き続き3スプリット制で行われるが、各スプリットは3ステージ制から2ステージ制に変更。さらに、各スプリットの優勝チームにだけでなくSummer Playoffsの2位・3位チームもSeason Finals出場が確約されるようになり、年間を通したチーム育成がWorldsへのチャンスに繋がりやすいシステムとなった。
 その他、オフシーズン期間が調整され、Championship Pointの配点にも修正が加えられる等、昨シーズンの反省を活かして環境が細かく改善された。より盤石な体制のもと、EMEA競技シーンの更なる発展が望まれる。

チーム紹介

G2 Esports

TOP:🇩🇪 BrokenBladeブロークン・ブレード
JG:🇸🇪 Yikeヤイク
MID:🇩🇰 Capsキャップス
ADC:🇫🇷 Hans samaハンサマ
SUP:🇸🇮 Mikyxミキィ・エックス

 直近のイベントマッチではT1も打ち破った常勝軍団。5人揃っての続投となる唯一のチームだ。このアドバンテージを活かし、常に国際戦を見据えてリーグを支配する1年になるのは必定と言えるだろう。

注目選手:Caps
 新チームの形を模索する期間もあり、2023年は年間を通して派手さや勢いに欠けた印象が残る。世界の頂に挑むにあたっては、Yikeとの連携をさらに深めて最盛期の爆発力を取り戻したい。


Fnatic

TOP:🇪🇸 Oscarininオスカリニン
JG:🇪🇸 Razorkラゾーク
MID:🇨🇿 Humanoidヒューマノイド
ADC:🇰🇷 Noahノア
SUP:🇰🇷 Junジュン

 チーム史上最悪のシーズンを経験し、一度は分厚い暗雲が立ち込めたものの、半年足らずで見事な立て直しに成功した西洋の名門。LECでは他に例を見ないKR Bot Duoを採用して6年ぶりの王座を目指す。

注目選手:Jun
 DRXアカデミー出身。昨年はLCK最下位チームでスタメンを維持できなかったことから、Trymbiに替えてまでの採用を疑問視する声も多い。きっちりと腕前を示し、ファンを安心させることが第一条件だ。


Team Heretics

TOP:🇩🇰 Wunderワンダー
JG:🇵🇱 Jankosヤンコス
MID:🇭🇷 Perkzパークス
ADC:🇪🇸 Flakkedフラケッド
SUP:🇩🇪 Kaiserカイザー

 育成計画と共にLECへ参入した新鋭が、2年目で大幅に方針転換。全員がWorlds経験者のスーパーチームへと変貌を遂げた。"G3 Esports"などとネタにされると同時に、メンツに恥じない成績が求められている。

注目選手:Perkz
 チームビルドの問題にも悩まされ、2021年のNA制覇以降はあまり目立った活躍がなく"washedオワコン"と評されることも増えてしまっている。旧知の悪友たちが集った新チームで、今度こそ返り咲きなるか。


Team Vitality

TOP:🇰🇷 Photonフォトン
JG:🇵🇱 Daglasダグラス
MID:🇫🇷 Vetheoヴィティオ
ADC:🇨🇿 Carzzyカージー
SUP:🇧🇬 Hylissangヒリサン

 Perkzを中心としたロースター編成に2年続けて失敗し、ついに袂を分かつことに。代わって入るのはパワーファーム系のスタイルが特徴的なVetheo。ゲーム内のリソース配分がカギを握るだろう。

注目選手:Hylissang
 MADでは国際大会にこそ出場できたものの、元来アグレッシブな面々の中で存在感を失う場面も多く見られた。今季は比較的Mid-Jgの落ち着いたチームで、持ち味を発揮する機会も増やせるはずだ。


GIANTX

TOP:🇷🇴 Odoamneオドアムネ
JG:🇰🇷 Peachピーチ
MID:🇨🇿 Jackiesジャッキーズ
ADC:🇨🇿 Patrikパトリック
SUP:🇰🇷 IgNarイグナー

 EXCELがGiants Gamingとパートナーシップを組み、新たなスタートを切る。スプリットを追うごとに着々と修正を続けてついに下位を脱した昨シーズンに続き、今シーズンも的確な補強で上位を狙う。

注目選手:Jackies
 チェコが生んだ若き才能。前任のAbbedaggeはもちろん、Perkz、Larssen、LIDERまで選択肢にあった中で彼が選ばれたという噂も相まって、今年のゴールデンルーキー枠としてマークされている。


Rogue

TOP:🇩🇰 Szygendaシゲンダ
JG:🇳🇱 Markoonマークーン
MID:🇸🇪 Larssenラーセン
ADC:🇬🇷 Compコンプ
SUP:🇫🇷 Zoelysゾエリィス

 こちらはKOIとのパートナーシップを解消し、元の名前に戻って再始動。資金不足も囁かれる中、新たに呼び込んだ若手プレイヤー2名がもたらす化学反応に浮上への望みをかける。

注目選手:Markoon
 昨季は新人だらけのチームでSeason Finalsまで辿り着くなど、年々評価を上げている成長株。Rogueの主軸であるLarssenとの間にどれだけのシナジーを生み出せるかが課題となるだろう。


Team BDS

TOP:🇫🇷 Adamアダム
JG:🇫🇷 Sheoシェオ
MID:🇫🇷 nucニューク
ADC:🇰🇷 Iceアイス
SUP:🇬🇷 Labrovラブロフ

 誰もが予想だにしなかった快進撃を繰り広げ、Worlds本戦まで勝ち上がった熱き男たち。昨年の勢いそのままに突き進みたいが、果たしてCrownieを入れ替えたことが吉と出るか凶と出るか。

注目選手:Ice
 SANDBOXアカデミー出身、LCK出場経験もある助っ人ADC。チーム最年長で精神的支柱となっていたCrownieの役割を務めるのは少々荷が重いと見られる分、技術面で高い貢献度を要求されることになる。


Karmine Corp

TOP:🇫🇷 Cabochardカボチャード
JG:🇨🇳 Boボー
MID:🇫🇷 Sakenセイクン
ADC:🇩🇪 Upsetアプセット
SUP:🇧🇪 Targamasターガマス

 LFLとMastersを制覇したフランスの強豪が、鳴り物入りでLECデビュー。来年やってくる超新星ADC・Calisteを待つ雌伏の年になるとの評判もあるが、その補充要員と呼ぶには贅沢なほど強力なメンバーを揃えた。

注目選手:Saken
 Masters優勝の立役者となった二大キャリーの一角。年齢制限によってLEC昇格が叶わなかったCalisteの分まで、フランスの熱きファンたちの思いを背負って大暴れする姿を披露したいところだ。


SK Gaming

TOP:🇩🇪 Irrelevantイレレヴァント
JG:🇫🇷 Ismaイスマ
MID:🇧🇪 Nisqyニスキー
ADC:🇫🇷 Exakickエクサキック
SUP:🇩🇰 Dossドス

 最年少チームとしてプレイオフに至るまで奮闘した古豪。今年はルーキーとベテランを1人ずつ加えて全体のバランスが良くなった一方で、昨年のような勢いが失われるのではと懸念される一面もある。

注目選手:Irrelevant
 猛る若獅子たちの中で最も安定して高パフォーマンスを保ち、更なる進化にも期待がかかっている大黒柱。昨シーズン、会場へ応援に駆けつけた母の感動的なインタビューも話題に。

私にとって、あなたが"Irrelevant無関係"だったことなんてないわ。

SK irrelevant wholesome moment in LEC


MAD Lions KOI

TOP:🇪🇸 Myrwnミルウィン
JG:🇪🇸 Elyoyaエル・ヨーヤ
MID:🇵🇱 Fresskowyフレスコヴィ
ADC:🇪🇸 Supaスーパ
SUP:🇪🇸 Alvaroアルヴァロ

 RGEに代わってKOIと提携したMADがまさかの路線変更。SuperLigaの精鋭を集めたスペイン贔屓のチームに生まれ変わった。2軍レベルと思しき戦力を、Elyoyaの腕でどこまで引き上げられるか。

注目選手:Myrwn
 スペインで最も有望と目される新世代のトップレーナー。キャリアに見合わないチャンピオンプールの広さでリーグを席巻し、MVPとルーキーオブザイヤーを同時に受賞した逸材だ。


 以上、今回も各所の予想を見比べて概ね評価が高い順にチームを紹介したが、昨年が荒れたシーズンだったこともあり、今年のLECはパワーバランスの予測が難しくなっている。Tier表にするなら以下のイメージだ。

(左右差なし)

 G2の優勝は鉄板、FNCとTHが対抗馬、残るチームにもほぼ平等に上位へのチャンスが見込めるが、SKとMDKがやや力不足……とするのが大方の傾向。B Tierに並べた5チームの序列が人によって大きく異なるポイントで、机上では甲乙つけがたい。また、ドリームチームの失敗傾向やPerkzへの不信感ゆえにTHを下位とする意見も少なからず見受けられた。
 とにもかくにも蓋を開けてみないことにはわからないが、顔ぶれだけでもワクワクさせてくれるロースターが並んでいて、開幕前からボルテージは高まる一方だ。

配信情報

 試合の模様はTwitchのLECチャンネルにて全試合生配信。

 LECの試合は、日本時間で週末の深夜~早朝に行われる。スケジュールはLoL esports公式サイトLeaguepediaで確認できる。
 ゲームごとの録画は随時VODチャンネルにアップされる。LEC公式YouTubeに投稿されるコンテンツも要チェックだ。


おわりに

 世界で戦える盤石なチームの下に、全体的に高いポテンシャルを感じさせるロースターが並んでいる。絶対王者の牙城は打ち崩せるのか、中堅下位から飛び出すチームはどこになるのか、大いに楽しみながら観戦できる理想的なリーグ状況と言えるかもしれない。
 今季も最高のエンタメリーグの魅力を存分に味わってほしい。この記事がその一助となっていれば幸いだ。


おまけ

 以下、雑談。

 今回は文字数も減らして駆け足でお送りした。理由は単純で、価値が手間に見合わなくなったと感じたから。
 去年はEvi選手の参入もあって、新規視聴者層がたくさん居たからこそガイドを世に出す意味があった。他に書きそうな人もいなかったし。でも今年見る人は既にLECが好きな人だろうから、改まってリーグを紹介する必要があんまりない。結果、ボリュームを減らす判断をしたものの、手短にまとめるのもそれはそれで大変だったというオチ。
 今後も同様に書くかは未定。せっかく用意するなら世の中に求められているものをお出ししたいので、もし熱烈な需要を感じたらそれに応えたい。
 それで言うと、今は国内でLoLブームの機運が高まっているため、国内競技シーンの新規向け記事を準備している。たぶん他にも書く人いるとは思うけど、こんなんなんぼあってもいいですからね。

 Evi選手がLECで見られなくなってしまったのはやっぱり残念だけど、チームの事情が変わってしまった以上は仕方ないし、何よりSHGでの活躍が楽しみすぎるのでめっちゃワース。早くDFMやCFOとの激突が見たい。
 もっと言うと、G2ファンボの身としてはこのロースターを揃えてくれたTHにも文句が言えない。これまでは原石を磨いて成果を出すことの多かったPeterコーチが最高級の宝石を揃えてどこまで行けるのか気になるし、上半身のトラッシュトーク3兄弟が再集結したおかげでコンテンツも豊作間違いなし。もう早速アンチコメにマジレスする動画とか上がっててワロタ。

 大好きなLECで大好きなEvi選手の活躍を追えた2023年は夢のような1年だった。去年のTHはどの試合も笑っちゃうぐらい面白くて、苦しい時期もあったけどしっかり持ち直して、最後はSeason Finalsまであと少し、本当にあと一歩のところまで迫った。悔しい結果にはなったけど、誰が何と言おうと素晴らしいシーズンだったと思う。マジでいい夢を見させてもらった。

 今年も応援する選手やチームが新しいドラマを見せてくれることを祈るばかりだ。LoL観戦やめらんねえ~。

 以上、最後までお付き合いいただきありがとうございました。面白かった、役に立ったと感じた方はリポスト等で拡散にご協力いただけると幸いです。


この記事が参加している募集

LoLを熱く語る

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?