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【LoL】#ZETAWIN の次は #DFMWIN! MSI観戦を楽しむためのステップ

 先月行われたVALORANTの国際大会、VCT 2022 Stage 1 Masters。長らく最弱地域と見なされていた日本だが、日本代表チームZETA DIVISIONは予想外の快進撃を見せた。
 世界各地の強豪チームを次々と薙ぎ倒し、大方の予想を裏切って堂々の3位入賞。日本FPS界の記録を塗り替え、国際的な競技シーンにおける日本への評価も一変させた。選手も一人ひとりが強烈なインパクトを残し、特にLaz選手が幾度となく叫んだ「NICE!」は海外でもおもちゃにされミームとして愛された。

 かくしてVCT M1はZETAの巻き起こした「NICE旋風」のうちに幕を閉じたが、今まさに、その「NICE!」な勢いを引き継いで世界に挑もうとしているチームがある。League of Legends(以下、LoL)の舞台で戦うDetonatioN FocusMeだ。
 国内リーグLJLを圧倒的な実力で制した彼らはまもなく、LoLの二大世界大会のひとつ、Mid Season Invitational(以下、MSI)に出場する。

(このツイート、素直にエモいと思う)

 近頃はZETAの功績のおかげもあってeスポーツへの関心がいっそう強まっている上に、大手ストリーマーを中心としたゲーマー界隈でもどことなくLoLを楽しむ気運が高まっているのを感じる。
 この機会に一人でも多くの方にLoLの競技シーンを楽しんでもらえるよう、今回は完全エアプの動画勢がMSI観戦を楽しむためのステップを紹介したい。VCTを楽しめたあなたなら、絶対にMSIも楽しめる。

 

1. どんなゲームかざっくりと知ろう

 LoLというゲームは本当に、それはもう、すごくすごく、果てしなく奥が深い。その分だけ細かな要素が無数にあって難解で、敬遠されがちなのもまた事実。
 ところが、最低限の情報だけで理解するならば、実は「5人チームで、自陣から出撃する歩兵たちと協力して、敵の本陣を破壊したら勝ち」とだけ覚えておけばいい。見どころも主に3つだけ頭に入れておけば大丈夫だ。

  • 敵プレイヤーをキルしたらナイス!

  • 敵陣のタワーを破壊したらナイス!

  • でっかい生き物を倒したらナイス!

 ひとまずこれを知っておけば、なんとなく皆と一緒に盛り上がれるようにはなる。
 その他、序盤は1対1や2対2で、中盤以降には5対5の集団戦が……などと、細かい部分は語り始めればキリがない。キルを取っても、ゴールド差が覆らないと……といった例外も多々ある。より詳しく知るには実際にプレイするのが一番ではあるが、動画だけでもうちょっと理解したい方のためにおすすめしたいのは以下の3段階。
 

1-1. ルール解説

 まずは大まかなルールを理解しよう。最近のストリーマー界隈でのブームも相まって、改めてルールをおさらいする動画をアップしてくれるYouTubeチャンネルも増えている。
 おすすめはk4sen氏のこの動画。要点をしっかり押さえながらもフランクな説明で聞きやすい。

1-2. 一人称視点プレイ

 大体のルールを把握したら、実際のプレイ画面を見ておこう。
 eスポーツあるあるだが、観戦画面は実際のプレイ画面と異なる。LoLの場合、プレイヤーより観戦者の方が高い視点から広範囲を俯瞰できるのが特徴だ。この差を体感するため、まずは個人のゲームプレイを見ておくことを推奨したい。
 おすすめはスタンミ氏のこの動画。誰よりも楽しそうにLoLをプレイする彼は、LoLストリーマー界の看板的存在だ。あと顔もいい。

1-3. LJLアーカイブ

 最後に、プロシーンにおける1試合分のアーカイブを通しで見ておくと、全体の流れや見どころを押さえることができるだろう。
 もちろん見るべきは丁寧な日本語実況解説とともに楽しめるLJL。特に決勝戦や国際戦といった大舞台では、新規プレイヤーも意識して小難しい部分を削った解説をしてくれる傾向にある。
 おすすめは直近のLJL Final。同時に開催されたウォッチパーティーでは葛葉・うるか・イブラヒムの3名が試合の要所でいいリアクションをしてくれていて、盛り上がりどころが掴みやすい。

1:12:00頃からの第2試合が流れを知る例としては良いかもしれない)

 ここまで見れば、もう十分に観戦を楽しめるようになる。
 あとはゲーム内でよくわからなかった部分を調べてみたり、人に聞いてみたり、実際に遊んでみたりして確かめていけば、LoL観戦の面白さは無限大に膨れ上がっていくこと請け合いだ。

 

2. シーンの背景をふんわりと知ろう

 ゲームのことが少しわかったら、今度は大会の環境やストーリーを気にしてみると、没入感がグッと増して盛り上がりもひとしおだ。初めての方には、今回はやはり日本代表のDFMを主人公として大会を楽しむ形を提案したい。
 

2-1. 日本チームの立ち位置

 LoLはリリースから既に12年が経過している長寿タイトルで、現在はMSIとWorld Championship(以下、WorldsまたはWCS)の2つが毎年恒例のビッグイベントとなっている。参加チーム数などの内容がそれぞれ異なり、シーズンの中間で行われるMSIは「最強の地域を決める大会」、シーズンを締めくくるWorldsは「最強のチームを決める大会」と称される。
 VALORANTで言うならWorldsがChampionsに相当し、MSIは大きめのMastersのような印象(ただし、トーナメントポイント制ではない)。一般にWorldsの方がより大きな目標と見なされるケースは多いものの、MSIの覇者にも同じく世界一の名を冠する名誉が与えられることは言うまでもない。

 日本では2014年に国内リーグが発足し、2015年から国際大会にも参戦した。これまでのLJL代表の成績はと言うと、ざっと以下のようになっている。

2015 MSI 一次予選敗退(最下位タイ/7チーム中)
2015 WCS 一次予選敗退(最下位/4チーム中)
2016 MSI 一次予選敗退(5位タイ/8チーム中)
2016 WCS 一次予選敗退(5位タイ/8チーム中)
2017 MSI 一次予選敗退(最下位タイ/13チーム中)
2017 WCS 一次予選敗退(最下位タイ/24チーム中)
2018 MSI 一次予選敗退(最下位/14チーム中)
2018 WCS 二次予選敗退(17位タイ/24チーム中)
2019 MSI 一次予選敗退(8位タイ/13チーム中)
2019 WCS 一次予選敗退(最下位タイ/24チーム中)
2020 WCS 一次予選敗退(最下位タイ/22チーム中)
2021 MSI 一次予選敗退(7位タイ/11チーム中)
2021 WCS 本戦リーグ敗退(14位タイ/22チーム中)

※2016年までは一次予選大会が別途開催
※MSI2020は感染症の影響により中止
Leaguepediaより抜粋

 ご覧の通り、紛うことなき弱小リーグだ。今回のMSIでもクラス別の振り分けはPool 4、最弱の地域群に含められている。
 しかし、世界との差は着実に縮まってきた。DFMが王座を奪還した2018年を境に、次第に格上の海外チームとも接戦を繰り広げるようになった。昨年にはついにCloud 9などの強豪相手にも勝ち星を挙げ、初のWorlds本戦進出という好成績を収めるまでに至った。
 これらを受けて、国際的な評価も変わりつつある。今回のMSIはこの日本の実力が本物かどうかを見定めるための舞台と言えるだろう。おそらく、ZETAにとってのVCT Stage 2がそうであるように。
 

2-2. 過去最強の日本代表

 DFMは、国内リーグ発足当時から今に至るまで一線で活躍し続けている唯一の名門チームだ。現在は最高の選手を揃えたLJLの絶対王者として君臨し、なおも進化を続けている。

TOP:Evi (@ebihuryahurya
 DFMの顔とも言えるキャリー系トップレーナー。
 情報発信やコミュニティ活性化にも積極的に取り組む模範的プロプレイヤーで、中でも彼のYouTubeチャンネル「えびンモTV」はLoLの教材として一級品。

JG:Steal (@DFM_steal
 戦況を巧みにコントロールするニヒルな司令塔。
 韓国から日本に渡って早5年。彼のあまりにも流暢な日本語を聞けば、日本人枠としてレジデント認定されていることに異論は出ないだろう。Eviよりも日本語がうまい。

MID:Yaharong (@lolyaharong
 チームの新たな核となったセクシーガイ。
 世界最高峰と評される韓国一部リーグの経験もある強力な助っ人。日本のアニメや漫画が大好きで、名前の由来も『俺ガイル』の「やっはろー」を捩ったもの。

ADC:Yutapon (@yutapongo
 凄まじいキルシーンを黙々と量産する仕事人。
 日本LoL界で「天才」と言えば彼のことを指す。オフの日にたしなむ程度に遊んだOverwatchやVALORANT等でも最高ランクに到達してしまう、ゲームセンスの塊。

SUP:Harp (@JiYoong_Harp
 幅広いスタイルでチームを支えるプレイメーカー。
 今年からチームに加わったもうひとりの助っ人。名門アカデミー出身のエリートで、穏やかな性格に反してゲーム内では驚くほどアグレッシブな動きを見せる。

 各ポジション全員が国内最強と言っていい磐石の布陣。ひいてはコーチ、サポートスタッフに至るまで充実していて、DFMはまさしく日本一を名乗るに相応しいチームだ。シーズン開幕から再編直後とは思えないほどの団結力を誇っており、昨年以上の完成度を感じさせるパフォーマンスを見せてくれている。日本のファンとしては自信をもって応援したい。
 初めての方には、とりあえずEvi選手に注目して観戦することをおすすめしておく。国際戦での彼はいつも積極的にアクションを起こしてくれて本当に頼りになるし、何より見ていてワクワクする。
 

2-3. 立ちはだかる強敵たち

 各地域の優勝チームだけが参戦できるMSIはどこを取っても強敵だらけ。大会全体を楽しむ目線としては、出来ることなら優勝候補チームは押さえておきたい。事前の振り分けでPool 1の最強格に数えられた3チームだ。

Pool:均等な予選グループ分けのための区分で、上から強い順。

LCK(韓国)代表:T1
 世界一有名なLoLプレイヤーFakerを擁する、人気・実力ともにナンバーワンの超強豪チーム。Worldsを3連覇した記録は未だに破られていない。
 Faker選手の両脇を若手の有望株で固めた今年のロースターは、LCKで前人未踏の無敗記録を打ち立てて優勝。リスクを徹底排除した緻密な戦略と卓越したハンドスキルが合わさった、LoL史上最強のチームとの呼び声も高い優勝候補の筆頭だ。

LPL(中国)代表:Royal Never Give Up
 LoL人口もチーム数も多い激戦区、LPLの誇る名門。昨年には接戦の末に韓国代表を下してMSIのトロフィーを掲げたディフェンディング・チャンピオンだ。
 今大会は都合によりオンラインでの参戦という不安要素もあるが、国内の苛烈な戦いで磨き上げられた強固なチーム力にはタイトル防衛への期待が高まる。「戦えば勝てる」と言わんばかりに仕掛けては腕力でねじ伏せていく、自信に満ちた集団戦は必見の価値あり。

LEC(EU)代表:G2 Esports
 FPSファンならご存知、ヨーロッパが産んだ最高のヒール。過去の国際戦では何度もT1を破った経験のある数少ないチームで、自他共に認めるT1の天敵だ。
 トラッシュトークなどの露悪的な振る舞いのせいで大量のアンチを抱えているものの、実力は折り紙つき。今季のプレイオフではルーザーズから圧巻の12連勝で有無を言わさず優勝をかっさらった。今年もEU特有の柔軟なメタを持ち込み、あっと驚くプレイやピックを見せてくれることに期待したい。

日程や結果はLeaguepediaが見やすい

 抽選の結果、DFMはこのうちのT1と同じ予選グループリーグに配置された。残り2チームはベトナム代表とラテンアメリカ代表で、どちらもファイトを重視するスタイルが特色の地域だ。
 最強と名高いT1が居る以上、1位狙いはやや現実的ではないものの、予選リーグは2位までが通過することができる。
 そしてベトナム・ラテンアメリカともに、プレイオフの波乱や諸々の事情により、各リーグぶっちぎり1位のチームが出てきているわけではないことは念頭に置いておきたい。いずれにしても侮っていい相手ではないが、少なくとも日本にとっては若干の追い風であり、下馬評でも例年より高い位置の順位予想が目立つ。

 グループステージ通過という目標は、もはや夢物語ではなくなった。日本初となるMSI一次予選突破への期待は、かつてないほどに高まっているのだ。

 

3. 最高のショーをがっつり楽しもう

 以上、MSI観戦を楽しむための予備知識を紹介させてもらった。長くなってしまったが、それでもこれらは数ある要素のうちの極々一部でしかないということは述べておきたい。
 LoLの世界は途方もなく奥深く、進めば進むほどに、知れば知るほどに面白味が増していく。仮にMSIではいまひとつ理解できない部分があったとしても、ほどなくしてLJLの後半戦(Summer Split)が始まるので、観戦しながらゆっくりと追いついていけばいい。その先に待っているWorldsを観る頃に、今よりもっと深く楽しめるようになっていれば最高だ。

 繰り返しにはなるが、詳しく知るには実際にプレイするのが一番だ。eスポーツ全般に共通する弱点だが、どうしても観戦だけでは気づけない上手さが、プレイしなければわからない面白さがそこにはある。その点、LoLは基本プレイ無料かつ低スペックのPCでも問題なく遊べるので参入ハードル自体は高くない。是非この機会に足を踏み入れて、LoLの魅力を余すところなく味わってほしい。

 今年のMSIは5月10日17時に開幕。会場が韓国だから時差なしで見やすい!
 MSIでもたくさんの「NICE!」が聞けることを願って、 #DFMWIN !!!

 

 

 

おまけ
 今回は公式キャンペーン #LoLを熱く語る への参加ということもあって、ポジティブな内容ばかりを書いてしまった。
 おい、LoLはもっとヤバいゲームだって聞いたぞ!ネガティブな部分も聞かせろ!という方は以前書いたこの記事を参照されたい。


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