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noteを書いて欲しい理由 モーメントを瞬間冷凍する

去年末から今年の前半にかけて"リフレッシュ休暇のススメ"という12本の記事を書いた。大切な家族や友人達に向けて、自分が体験して感じたことを、それ以上でも以下でもないありのままの言葉でシェアしてから、友人はもちろん、友人からその友人へと共感が少しずつ鎖のようにつながり、当の本人の記憶も薄れつつある現在になってもなお、細く長くリアクションを頂いている。


そのリアクションとは、例えばこういう感じだったりする。お仕事で出会った、親愛なる人生の大先輩から頂いたメッセージ。

note、手に汗握りながら読んだ!

意識だね。濃密なんだと思う。
ありきたりに言えば、壁にぶつかり、振り返り、自分と向き合い、乗り越えていく。挫折と再生と進化。それが一生のうちに何回もある人、時々ある人、長い期間かける人、色々あると思うんだけど、思慮深い(鈍感でもある訳だけど)あなたは、若くしてその入り口に立ったんだなって思った。
 
良いチーム、良い上司、たくさんのやり甲斐ある仕事、そんな環境をたくさん引き寄せて、外のあなたに、内のあなたの足並みが合わなくなったんかなーと思った。
 
仕事お休みして、がっつり自分に向き合って、外のあなたと内のあなたが手を取り合えた感じに見えました。
何もしない時間に身を置くって大切だよね。
すごく良い話でした、人に聞かせたいわ。

(一部抜粋)


届くメッセージのほとんどが、スマホの1スクロールじゃ収まらないほどの長文で、当時の私に寄り添うように丁寧に選ばれた言葉が並んでいて、ほっこりとする。

それを受け取った私の気持ちは、もちろん「こんなに頑張った自分を褒めてもらえて嬉しい」みたいな表層的な感情とは全く違っていて、

あの記事は私の長い人生のほんの一瞬にすぎないのに、そこに共感して感情移入したり、自分自身の経験や人生に重ねたりして真剣に向き合ってくれた、その人の優しさがダイレクトに感じられたことによるじんわりとした嬉しさであり、

そういうコミュニケーションを経て、前よりずっと深い話ができる関係性へと変わった瞬間の楽しさ、

多かれ少なかれ誰にでも共感できる話であるということに安堵するような気持ち、が合わさった、深い心情なのだと思う。


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こういう貴重な体験ができたのは、noteという創作の為のプラットフォームに出会って、そこに今の自分だからこそ考えていること・感じている気持ちを書き起こし、書いた後も何度も読み直してブラッシュアップを重ねてきたからである。

だから、私は事あるごとに「noteはじめてみたら?」と周りにススメまくっている。そして、何人もの人が実際に始めている。


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もし、好きなマーケティング用語は?と聞かれることがあったとしたら、私は「モーメント」だと答える。(そんなこと聞く人はいないと思うが)

一応その定義を検索したところ、「消費者のニーズが高まる時間・場面・行動等の組み合わせのこと」だと言う。

私なりのリアルな解釈を加えると、「この商品、私買うわ!」という気持ちにぐっと高まるシチュエーションのようなもの。

昨日たまたま親しい友人がinstagramに赤いイヤリングを載せているのを見てね。そしたら今日たまたまよく行くカフェで隣に座っていたおしゃれなお姉さんもそのイヤリングをしててさ。自分が好きな店員さんに「それ可愛いですね」って褒められてて、なんか羨ましくなったから、思わず私も欲しくなってしまった。買おっかな! —こういう偶然の瞬間がモーメントである。(ちょっと極端か。笑)

マーケターは消費者個々人にとってのこういう瞬間を捉えたり、仕掛けて作ったりしなければならないのである。ちなみに、私は普段からそういう購買意欲が高まるモーメントをright momentと勝手に呼んだり、right timing,  right placeと勝手に分解していたりする。


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「モーメント」が大事なのはマーケティングだけじゃないと私は思う。自分の人生でたまにやってくるモーメントもきちんと捉えられた方が、きっと充実する。なぜなら、モーメントは偶然の一瞬であり、その記憶は刻一刻と他の情報に上書きされるので、時間が経つにつれて正確には全く同じ熱量を持って蘇らなくなるからである。

ここでのモーメントとは、たくさんの感情が湧きおこったり、「あれかも?いや、これかも?」と思考が忙しく巡ったり、自分の熱が高まるようなイベント、瞬間、ムーブメントだったりする。

そして、ここでの「捉える」とは、温度そのままに切り取り、後から見返せる形にして記録する、という意味である。シェアできたらもっと楽しい。

noteはモーメントを捉え、切り取り、深く長く言語化して、保管し、他者に共有できる絶好のツールの1つと言える。ビジュアルだけのinstagramや、短いテキストだけのtwitterでは表しきれない、状況、気持ち、思考が惜しみなく表現できるところが、あまたある他のツールにはないオリジナリティである。たまにやってくるモーメントを瞬間冷凍して保存し、ふと引っ張り出してきて温め直してまた味わってみたり、「あの頃は●●だった。恥ずかしい!」と自分の成長を確認してみたり、直接会って長々と話さなくても他人に自分の深いところまで共有できるのは、面白い。


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リフレッシュ休暇のススメの記事の話に戻るが、読んだ方からのメッセージの中には、こんなものもあるのが事実である。

「今自分も同じ状況なので話を聞いて欲しい」

「今まさに読んで泣いています」

「共感できる部分もあったけど、自分はあなたみたいには行動できない」


いろんな人が私とは違う場所で、違う時間に、似たような壁にぶつかって、毎日たくさん悩んでいる。先に定義できた「モーメント」という言葉を使うのであれば、問題は似ていてもそのモーメントが個々に違うのだと思う。

いつも他人が主語で全力で外に向いていたベクトルを一気に自分に向け、その内省の中で浮かんできたことに向き合って1つ1つ試していたら(というよりは、自然と導かれた方に行ってみた感覚)、気がついたらちゃんと進んでいた。これが私のケースだが、

それまでの人生、今のライフスタイル、仕事の状況、その人の性格や思考の特性…によってその体験はかなり異なるのではと思う。だから、私の経験は1つのケーススタディに過ぎず、現在の私の口から伝えらえることは実際には結構少ないと思っている。


ただ、1つ確かなのは、一連の経験をnoteで言語化し書き残す作業を経て、そのケーススタディは正確に伝えられたのと、あの時冷凍しておいた記憶を温め直して自分の中での7割ぐらいの精度で思い出すことはできる。また、私自身感じられる感情のメッシュが細かくなり、言葉で説明できる感情(ポジティブもネガティブも)の領域もぐっと増えたことで、その人に起こった出来事の実際のシーンをイメージし、共感し、言葉にしてみてすり合わせて、理解したり一緒に考えてみたりすることは、前の自分よりもできるようになっている。

だから、意を決して文章をしたためて送ってきて下さった方には、周りの人の支えで自分のちょっとだけ広がり深まった部分を、今の自分ができる範囲で他人にも還元し、私もまた吸収して引き出しのバリエーションを増やし深化させていきたいなと思っている。

他者と理解・共有できることが増えたことで、築ける関係性も深まり、去年よりも遥かに人格が豊かになったような気さえする。note様様である。(そろそろあなたも書きたくなってきたはず…!)


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挫折経験は肥やしにしてなんぼ、自分だけでなく他人にまで還元しようとするのは生まれ持った私の”せこさ”と"おせっかい魂"が根源にあるが、「今モーメントにいるかもしれない…」と思っている方は、ぜひnoteというプラットフォームを利用して瞬間冷凍して共有し、後々似たような問題やモーメントに遭遇した人にケーススタディとtipsを与えてあげて欲しいな、と思う。

かならず自分に返ってくるから。




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