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最近の記事

間違い探し。

見たいものしか見えていない。 それなのに、なんで自分の見ている世界が、 その世界だけが正しいと思うのだろう。 難しくもない間違い探しだって 一度に全部分かりはしないだろう。 目に映る全てを見ているようで 見えてやいやしない。 その見えた世界も時間と共に 都合良く書き換えられたりもする。 作られた間違いのような間違いなんて この世界にはありはしないんじゃないだろうか。

    • 体験。

      結局、新しい体験というよりまだ知らなかった心の動きなんかが大事なんだと思うわけです。 口コミなんかがあったら失敗したくないななんて思ってつい見てみたり。(そもそも失敗ってなんなんだ) 誰かのフィルターを通した体験をしがちな時代で 本当の未体験を体験するってなかなか難しくて、地球の裏側に行って、やったことないことするって思ってもつい下調べなんてしたりしちゃうもんです。 そんなことより、一通の予想外のメールが知らない自分を連れてくることなんかがあって、やっぱり心が新鮮

      • 冬がきて。

        白い息が きれいだねと 小さな溜め息を そっと忍ばす。

        • いのちのカケラが交差する刻。

          時折、私の鼻をこそばしていた やわらかな白い毛が服につくことはなくなった。 よくいた場所に視線をやる癖はなかなか取れない。 彼女のちいさな循環は終わってしまったけれども おおきな循環の中にまた飛び込んでいっているのだろう。 ひとつの生命から、自然に。 家族でありながら 純粋な獣に近い存在は スッと自然のなかに溶け込んでることだろう。 そう思うと 安心と共に ほんのすこしの羨ましさが生まれる。 いつか、また。 いのちのカケラが交差するどこかで。

        間違い探し。

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        記事

          誤解していた愛。

          巡ること。 絶え間なく動き続けていること。 いのちは循環している。 ちいさなサイクルで。 そして、おおきなサイクルで。 濡れるのが嫌いだった彼女を 雨は空の使者のように迎えに来た。 サイクルを止めてしまうように 留まるように彼女を思う。 高く高く跳べた脚は 階段のひと段を上がることも難しくなって、 目を輝かせていた大好きなおやつも だんだん食べられなくなってしまっていた。 静かで深い瞳。 暖かで柔らかなからだ。 何度も呼びかけてしまう。 理解と疑

          誤解していた愛。

          老犬とわたし。

          歳と出来事が結びつかないわたし。 ひとだって、上だったか下だったかくらいしか覚えてられない。時々、それすら怪しい。 年齢はただの数字。 ただのイイワケかもしれないけど。 オスだと聞いてもらった子はメスで、あっという間に元からいたオスとのこどもを作っていた。 そのこどもっていうのが、いまはすっかりおばあちゃんになった子で。 生まれた時のことは覚えている。 もうすっかりおばあちゃんになったこともわかる。 それが何年のことだったかがあやふやなだけで。 とにかく、おばあち

          老犬とわたし。

          白いシャツ。

          お気に入りの白いシャツがある。 こんな日に限って、カレーうどんやミートソースのパスタなんて食べてしまうもので。 気を使っていたつもりでも、口の中に入る直前を狙って最後の悪あがきとばかりに暴れ狂う麺達に大概敗北してしまう。 さて、敗北してしまってはもう「お気に入りの白いシャツ」ではなく、「一点のシミがあるお気に入りだった白いシャツ」になってしまう。 たったの一点でも、ほんのわずかな範囲でも、意識に深く刻まれることはあるのだ。 ここからである。 「今後、気をつけ

          白いシャツ。

          あたたかいこと。

          さわるとあたたかいこと。 やわらかいこと。 嫌がってもなめてくること。 生きているということ。

          あたたかいこと。

          ましろのせかい。

          がたがたがたがた。 ピーピーピー。 あさもひるもよるも おおきな音をたてながら みんなの道をつくっている。 音がきえてしまったようなせかいで そんなおおきな音は こもりうたみたいにひびく。 あんまりおおきな声で こもりうたをうたうから おうちも木もでんしんばしらも ほんとはなんにもなくなっているのかな って こわくなるね。 道もかわもたんぼも みんなのみこまれちゃった ましろのせかい。

          ましろのせかい。

          迫る塊。

          今回の「自然に還る、自然を生きる」(主催イベント名のパクリ)シリーズ。 彼岸花や秋桜が咲いていると知っていたけれど、空が青すぎて水が恋しくなってしまった。 どうせなら大量の水がいい。 と、綿ケ滝へ。 水は白く濁っているようだけど、その分流れる水は塊のように迫り来る。圧倒的。 雨上がりじゃなくても飛沫がたくさん舞ってるのであちらこちらしっとりしてる。 塊の瞬間を捉えるように見つめていると止まっているような動いているような錯覚が起きてしまう。 脳は混乱して、世界

          迫る塊。

          利賀というところ。

          「近頃の都会は便利や合理性を尊び、無駄を排除しようとしているのではないか。 無駄をなくそうということは、すなわち最大公約数に入るものだけにしていくということだ。 つまり、そこに入りきれなかった少人数の意見は表には出にくく呑み込むことになってしまう」 利賀に来て、ひと月が経とうとしていた。 いつものリズムをかなり崩して、それが面白くもありストレスにもなっていたりした。 いろいろなことを受け入れる懐を感じる利賀を来る前よりは圧倒的に好きになっていたけれど、周りに

          利賀というところ。

          輪郭。

          だいたい季節なんて みんなが夏が終わったって 思い始めてから 暑くなってみたり そうゆうとこある。 キシシシシって 肩を小刻みに上下に震わせて 笑ってる そうゆうとこある。 蝉たちは 忘れんなよって 叫んでるのか オールスターで大合唱なんだけど 芝生には 赤蜻蛉の群生が影を落としていて 逆にエンディングぽくなってたりしてる。 太陽は 取り戻すように いろんなものたちの 輪郭を奪う。 だいたい輪郭ってなんなんだろな。 小学生の写生大会の時のような 縁取っ

          秋の始まり。

          山の朝晩は冷え込み、急に布団が手放せなくなった。 重いから要らないなって思っていたのにいつの間にかちょうどよくなっている。 その寒さは、足早に秋を通り越して冬の始まりを想起させるくらいだ。 この山の人たちはいろんなことを受け入れている。 虫や雪や不便さだってそうかも。 そして、なんだか楽しそう。 まだ山に染まれていない私は海も街も恋しかったりもする。 次の休みは海に行こう。

          秋の始まり。

          川の流れと時間。

          今回の「自然に還る、自然を生きる」(主催イベント名のパクリ)シリーズ。 やっと時間のある日に晴れたので川遊び。 雨の名残りを残すように陰にある葉っぱたちは雫をたっぷり乗せていた。 小さな虫もたくさんいたりして、いのちがあちらこちらで弾けるように瞬いていて嬉しくて嬉しくて顔が緩んでしまう。 川について、目を閉じて座っているといろんな感覚が高まるのを感じる。 少し流れにつけていた足先の冷たさ、太陽に照らされ時間と共にちりちりと炙られている背中、遠くに蝉の声、勢い

          川の流れと時間。

          「感情は食べ物と同じ」

          感情は食べ物と同じ。 ・味わったらちゃんと消化される。 ・食べずに蓋をしちゃうと腐る。 ・腐ってもそのままにして置くことで、匂いもする。(感情でいうなら八つ当たり的な) などなど。 感情でいうなら楽しいこと、嬉しいこと。 食べ物でいうなら好きな食べ物。 めっちゃ味わうよね。 楽しんでる途中とかで見ないフリとか基本しないと思うんだよね。 これが、 感情でいうなら怒りや悲しみ。 食べ物でいうなら苦手な食べ物。 どうだろ。 もちろん。 食べなくても、味

          「感情は食べ物と同じ」

          春の始まり。

          「春は水の音で始まるんやね」 長く土地に住む人は、旅の者が言う土地の感想を聞いて自分でも感心するようにそう言った。 「川の近くに住んでいると毎日が雨なのかと思って目を覚ますのよね」 そんな話から始まった。 大雨が降ると川の中の石がゴロゴロと音を立てているのも分かるという。 旅の者は言った。 「分かります。でも、冬は音がしないんですよね」 雪深い地域はどれほどの音を吸い込んでしまうのか。 そんな雪解け水の起点にもなりそうな所にある川は澄んでい

          春の始まり。