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むすひや ことのは紡ぎ

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間違い探し。

間違い探し。

見たいものしか見えていない。
それなのに、なんで自分の見ている世界が、
その世界だけが正しいと思うのだろう。

難しくもない間違い探しだって
一度に全部分かりはしないだろう。

目に映る全てを見ているようで
見えてやいやしない。
その見えた世界も時間と共に
都合良く書き換えられたりもする。

作られた間違いのような間違いなんて
この世界にはありはしないんじゃないだろうか。

体験。

結局、新しい体験というよりまだ知らなかった心の動きなんかが大事なんだと思うわけです。

口コミなんかがあったら失敗したくないななんて思ってつい見てみたり。(そもそも失敗ってなんなんだ)
誰かのフィルターを通した体験をしがちな時代で
本当の未体験を体験するってなかなか難しくて、地球の裏側に行って、やったことないことするって思ってもつい下調べなんてしたりしちゃうもんです。

そんなことより、一

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冬がきて。

白い息が
きれいだねと
小さな溜め息を
そっと忍ばす。

老犬とわたし。

歳と出来事が結びつかないわたし。
ひとだって、上だったか下だったかくらいしか覚えてられない。時々、それすら怪しい。
年齢はただの数字。
ただのイイワケかもしれないけど。

オスだと聞いてもらった子はメスで、あっという間に元からいたオスとのこどもを作っていた。
そのこどもっていうのが、いまはすっかりおばあちゃんになった子で。
生まれた時のことは覚えている。
もうすっかりおばあちゃんになったことも

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白いシャツ。

お気に入りの白いシャツがある。
こんな日に限って、カレーうどんやミートソースのパスタなんて食べてしまうもので。

気を使っていたつもりでも、口の中に入る直前を狙って最後の悪あがきとばかりに暴れ狂う麺達に大概敗北してしまう。
さて、敗北してしまってはもう「お気に入りの白いシャツ」ではなく、「一点のシミがあるお気に入りだった白いシャツ」になってしまう。

たったの一点でも、ほんのわずかな範囲で

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あたたかいこと。

あたたかいこと。

さわるとあたたかいこと。
やわらかいこと。
嫌がってもなめてくること。

生きているということ。

ましろのせかい。

ましろのせかい。

がたがたがたがた。
ピーピーピー。

あさもひるもよるも
おおきな音をたてながら
みんなの道をつくっている。

音がきえてしまったようなせかいで
そんなおおきな音は
こもりうたみたいにひびく。

あんまりおおきな声で
こもりうたをうたうから
おうちも木もでんしんばしらも
ほんとはなんにもなくなっているのかな
って
こわくなるね。

道もかわもたんぼも
みんなのみこまれちゃった
まし

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利賀というところ。

利賀というところ。

「近頃の都会は便利や合理性を尊び、無駄を排除しようとしているのではないか。
無駄をなくそうということは、すなわち最大公約数に入るものだけにしていくということだ。

つまり、そこに入りきれなかった少人数の意見は表には出にくく呑み込むことになってしまう」

利賀に来て、ひと月が経とうとしていた。
いつものリズムをかなり崩して、それが面白くもありストレスにもなっていたりした。

いろいろなこ

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輪郭。

輪郭。

だいたい季節なんて
みんなが夏が終わったって
思い始めてから
暑くなってみたり
そうゆうとこある。

キシシシシって
肩を小刻みに上下に震わせて
笑ってる
そうゆうとこある。

蝉たちは
忘れんなよって
叫んでるのか
オールスターで大合唱なんだけど
芝生には
赤蜻蛉の群生が影を落としていて
逆にエンディングぽくなってたりしてる。

太陽は
取り戻すように
いろんなものたちの
輪郭を奪う

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秋の始まり。

秋の始まり。

山の朝晩は冷え込み、急に布団が手放せなくなった。
重いから要らないなって思っていたのにいつの間にかちょうどよくなっている。

その寒さは、足早に秋を通り越して冬の始まりを想起させるくらいだ。

この山の人たちはいろんなことを受け入れている。
虫や雪や不便さだってそうかも。

そして、なんだか楽しそう。

まだ山に染まれていない私は海も街も恋しかったりもする。
次の休みは海に行こう。

「感情は食べ物と同じ」

感情は食べ物と同じ。

・味わったらちゃんと消化される。
・食べずに蓋をしちゃうと腐る。
・腐ってもそのままにして置くことで、匂いもする。(感情でいうなら八つ当たり的な)
などなど。

感情でいうなら楽しいこと、嬉しいこと。
食べ物でいうなら好きな食べ物。

めっちゃ味わうよね。
楽しんでる途中とかで見ないフリとか基本しないと思うんだよね。

これが、
感情でいうなら怒りや悲しみ。

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便利。

「便利」に慣れ過ぎてヒトは思考を手放していると思っていたけど、その「便利」は私の中でも物理的なことばかりだった。

でも、何かを記号化するように呼ぶことも、何かだと思い込んでしまうことも、飛躍していうなら先入観ですら「便利」なんだな。

問い。

ちいさいころは台風はなんで16号とかからくるんだろうって思ってた。

ちゃんと1号はあって日本に来てなかっただけだと結構経ってから気付いた。

毎年、若い台風がどんどん上陸していて一桁台の台風が上陸した時は怖さを感じたものである。

今年は3号。また若くなった。
地球は何を伝えているんだろうね。