フリーでPM(プロダクションマネージャー)を行う。

PMにおける制作の流れについての記事になります。
私がフリーという立場で行った、制作の流れを用いて説明をして行きたいと思います。

1.PMの仕事を受ける
2.打ち合わせ
3.ロケハン
4.香盤(タイムテーブル)作成
5.車両・ロケバス手配
6.ケータリング手配
7.プロダクションミーティング
8.現場進行
9.連絡先の引き継ぎ

1.PMの仕事を受ける
フリーでPMを受ける際、映像制作会社よりPMとして業務を委託してもらいます。

※以後「制作をする仕事」を「PM」と記載します。

今回私が受けた案件は、1分間のPR動画のPMです。
先方からフリーでPMを委託される場合、ディレクターの中でキャスティングがだいたい決まっている事が多く、
初めてのスタッフとご一緒する事も多いです。
今後、動きを決める上でコミニケーション能力は大変重要になります。

2.打ち合わせ
まず、プロジェクトを始める際に一番重要な事が、キックオフミーティングです。
ここで、どのような作品を作るのか。大元のお客様の意向。キャスティングするスタッフについて。ロケ地の候補。それ以外にも多くの情報を共有してもらいます。場合によっては足りない情報について先方に聞いてもらうと言う事もお願いします。
この必要な情報と言うのは、実際の撮影現場を滞りなく行う為のものになります。スタッフに共有する情報もここで決めていきます。

3.ロケ地選定
ロケ地については、もともと打ち合わせの段階で決まっている事もありますが、こういったロケ地が良いと言うザックリした内容でロケ地を探す事もあります。
今回はいくつかロケ地の候補を出し、確認とロケハン調整を行った後、各ロケ地を回りました。
実際に撮影ができる場所なのか。撮影をするにあたって可能であるかの検証を行います。
撮影スタッフを入れてのロケハンを撮影前に行いますが、こちらはクライアントへ確認の為の現地調査です。

4.香盤(タイムテーブル)作成
撮影地とキャスティングが確定しましたら、
香盤の第一稿を制作します。
香盤と聞くとあまり聞くことのない言葉だと思いますが、当日の各所の動きを記したタイムテーブルのことです。
PMの仕事の中で最も重要な仕事に一つです。
撮影内容を考えて撮影準備の時間を想定し、ロケ地の距離を考えて仮の香盤を作って行きます。
その香盤を元に、各スタッフの意見を聞き改変して行きます。

5.車両・ロケバス手配
キャストと機材が移動する上で、必要な物それが車両です。
当日の人数、運ぶ機材や衣装の量をヒアリングし、その大きさに見合った車両を手配します。
今回メイクが必要でメイク室を抑えられる現場で無かった為、メイク台付きロケバスを手配しました。
場合によっては機材車の運転を制作で行う事もあります。

6.ケータリング手配
当日の食事や飲み物を手配します。
撮影中はその場から離れる事ができない為、
現地で食事を取る事がほとんどです。
事前に人数分の食事を手配し、事前に買い出しやデリバリーを行ってもらいます。
撮影に置いて全員の士気に関わる所なので予算内でどれだけテンションの上がる物を用意するか、同じPMの中にはあまり重要しされていない方も多いかもしれませんが、
その場に適したケータリングを準備出来ることはフリーのPMにとって一つの武器になります。

7.プロダクションミーティング
撮影日の前に最終確認を踏まえて各セクションの代表で、ミーティングを行います。
この際、ミーティングの進行はPMが行う場合もあります。
PMは一番確認事項が多く、当日の動きを全体共有しなくてはいけないので、
お互いの相違が無くなるまで打ち合わせを行います。

この段階で最終の香盤が完成できていると話がスムーズになります。

8.現場進行
これまで準備をしてきた事を元に、当日の現場を進行します。スタッフ配置とロケ地とのやりとり、タイムキープを行います。
基本的にはフリーな状態で撮影の手伝い等は行わないのですが、進行に響く準備や撮影班への助言も行う事もあります。
現場で動くスタッフのやるべき事を補佐する事により、進行をスムーズにします。ここは撮影の知識やキャストのケア方法などのスキルがあると、なお一層、評価が上がる部分でもあります。

9.連絡先の引き継ぎ
フリーのPMの場合、この引き継ぎも重要となります。
現場終了の段階で、編集や手直しの段取りは先方へお渡ししますが、
これまで連絡をとっていたロケ地の方との連絡や請求を伴うやりとりに関しましては、先方に引き継ぎます。
先方が連絡を取りやすいよう連絡を入れておくと、問題が起きにくい所です。

ザックリとPMによる制作の流れについて、ご説明しました。
やる事がたくさんあり、大変な仕事とよく言われております。

どこまで、現場を想定して準備ができるかと言う経験値も必要となりますが、流れを抑えて入れば他のセクションよりもたくさんの仕事を受ける事ができる職業だと思います。
また、他業種の制作を行ってきた方でも段取りは一緒なのでそう言った所からの転職も可能です。
実際、私はライブ制作を主に行っていたのですが、そこで得た知識も大いに活用でき、新たなジャンルを勉強する楽しみもPMの醍醐味だと思っています。

今後は一つ一つの進行内容について詳しくお話できればと思っております。
また、この記事でPMと言うお仕事に少しでも興味を持ってもらえたら嬉しく思っております。

ここまで読んでくださりありがとうございました。

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