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【楽曲・MV解説】Hurricane - I Prevail-

はじめに

今回は、僕の大好きなI Prevailの名曲である
Hurricaneの解説・和訳をしていきます。

名盤Traumaに収録される代表曲になります。

MVの解説もしていますので長くなります。
適宜目次からどうぞ!


アーティストについて

アーティスト情報については僕の記事でも取り上げていますので、是非先にご覧ください!


楽曲について

タイトルの通り、ハリケーンを歌った楽曲です。

I Prevail、というかハードコア全般に共通するものにはなって来ますが、内向的な歌詞です。

この楽曲のコア(根幹という意味の)は
It hit me like a Hurricane であり、
ハリケーンのように何かが僕を襲うのです。

Itというのは包括的な言葉で"ネガティブな感情"
であり、それは自分が抱えるものでもあり
外界から降ってくるものでもあります。

重圧や葛藤、自信の喪失や環境の変化による苦難。
そいつを倒すために僕は再起します。

まさに
"Hurricaneを乗り超えるためI Prevailする"
彼らの哲学と美学が詰め込まれています。

サウンド面では一般的なオルナティブに近く、
Cメロ付近でメタルコア要素が高まります。
感情の起伏に合わせてボルテージも上がるといったところは流石のI Prevailの音楽性ですね。


MVについて

MVでは数々のバンド活動の苦難が切実に映し出されており、ロードムービーさながらです。

映像に映る言葉はBrianの書いたものであり、
この楽曲を飛び越えてこれまでの活動を振り返りながら様々な体験を綴っています。

そもそもTraumaはタイトルから想像出来る様に
バンド自身を見つめ直して、同じような苦しみや悩みと闘っている人に向けたアルバムです。

鮮烈なデビューとその裏にある葛藤、
Brianの怪我とインポスター症候群が記され、
重圧や葛藤、ネガティブな感情全てがハリケーンのように襲って来る様を映し出しています。

そしてそれを機に彼らは自分を見つけ出します。

せっかくなのでLyricも全て訳しますね!

全ては"心を表現するための音楽を創る"
という夢から始まった。
SteveとEric、少し後にDylanと出会った。
何のアイデアも無しに曲を書いた。
カバーを出してすぐさま話題になった。
EPを出してチャートに載った。
でもそれは始まりに過ぎなかったんだ。

家を出て仕事を辞めた。
数え切れないライブをした。
待ち望んでいる人のために心血を注いだ。
それは思い描いた夢の全てだった。

-重圧に押し潰されるまでの話だけど。
  だんだん自分自身を見失ったんだ。


常に空っぽな気持ちが続いた。
毎朝ベッドから起き上がりたく無かった。
何も上手くは行かなかった。
歌声は枯れたし、僕らのバスは大破した。
全て失ったんだ。

凱旋ライブは無くなった。
小さな弟が成長して行くのを見て寂しくなった。
Ericの親友が自殺をした。
僕らはバラバラになったけど、それは超えるべき壁を登るための始まりでしか無かったんだ。

スタジオに引き篭った。
僕らがバンドとして、
人として何者なのかを確かめるために。
音楽にしばらく没頭した。
過去とは決別して新しい道を見付けた。
人生を賭けて初めて、再起する方法を学んだ。

嵐が来て、自分自身と音楽への愛を思い出した。
アルバムを作り始めたけど、
実はそれは僕らのためのものであったんだ。

オーストラリアで初めてライブをした。
僕の歌声もバンドもさらに強くなった。
何かに苦しんでいる人のために、
自分自身を証明しようと闘っている人のために
Traumaを世界にリリースした。

誰かに必要とされるバンドになった。
全ては"心を表現するための音楽を創る"
という夢から始まったけど、それは高い壁を超えるための始まりに過ぎなかったんだ。


解説・和訳

Tell me I was never good enough
Remind me of the demons
that I've been running from

僕が不十分だったなら言ってくれ。
僕が逃げてきたヤツらを思い出させてくれ。

Tell me who the hell you thought I was
Or just blame it on the person,
the person I've become

僕をどんな人間だと思っていたのか教えてくれ。
それかその人間性を責めてくれ。
そしてそんなやつに成り下がった僕のことをさ。

Lately, I don't give a fuck
Cuz I can't be myself when I'm with anyone

最近、どうでも良くなって来るんだ。
だって誰かと居ると僕でいられなくなる。

Maybe, I'm already gone
I'll never be the same

たぶん僕は既に僕では無いんだ。
もう二度と昔のようには戻れないんだろう。

It hit me like a hurricane
It hit me like a tidal wave

And I don't know why I drown my mind
in everything they say

そいつはハリケーンのように降ってくる。
そいつは津波のように襲ってくる。

やつらの言葉で、どうしてこんなに
俺の心が溺れていくのか分からないんだ。

It hit me like a hurricane
It hit me like a tidal wave

そいつはハリケーンみたいに、
そいつは津波みたいにやってくるんだ。

And I don't know why I drown my mind,
it got the best of me *1

どうして心が溺れてしまうのか分からないんだ。
そして僕はぶちのめされるんだ。

Tell me I've been lost inside my mind
(I reach out but it's pullin me under)

僕はずっと心の中で迷子なんだと気付いてくれ。
...手を伸ばしても引き摺り込まれるんだ。

Remind me I've been searching
for something I won't find

僕が見つけられていない何かを、
ずっと探していることに気付かせて欲しい。

Tell me I was never worth the time
(I reach out but it's pullin me under)

その時間に意味は無かったと教えてくれ。
...手を伸ばしても引き摺り込まれるんだ。

Or just blame it on the person
you think I left behind

もしくは君が、僕が置いていったんだって
思っている僕の人間性を罰してくれ。

Lately, I don't give a fuck
Cuz I can't be myself when I'm with anyone

最近どうでもよくなるんだ。
誰かと居ると僕でいられなくなってしまうから。

Maybe, I'm already gone
I'll never be the same

たぶん僕は既に僕では無いんだ。
もう二度と昔のようには戻れないんだろう。

It hit me like a hurricane
It hit me like a tidal wave

And I don't know why I drown my mind
in everything they say

そいつはハリケーンのように僕を襲う。
そいつは津波みたいに僕を襲ってくる。

やつらの言葉で、どうしてこんなに
俺の心が溺れていくのか分からないんだ。

It hit me like a hurricane
It hit me like a tidal wave

And I don't know why I drown my mind,
it got the best of me

そいつはハリケーンみたいに、
津波みたいにして僕を襲ってくる。

どうして心が溺れてしまうのか分からないんだ。
そして僕はぶちのめされるんだ。

With your life on the line
Ready to die for something

君のために命を懸けて
何かのために死ぬ覚悟を決めて

When you're at the divide
And you're down to nothing

君が分岐点に立った時に
君に何も残ってなかったら

Look into my eyes
Believe me that the storm is coming

僕の目を見てさ
嵐が来る事を信じてくれよ。

Believe me that the storm is coming
Down, down, down

It's coming down

嵐が来ることを信じてくれ。
来るぞ、来るぞ、来るぞ!

もう来ちまうぞ。


It hit me like a hurricane
It hit me like a tidal wave

そいつはハリケーンのように僕を襲う。
そいつは津波のように僕に襲い掛かる。

And I don't know why I drown my mind
in everything they say

どうして彼らが言う事全てに
心が溺れていくのか分からない

It hit me like a hurricane
It hit me like a tidal wave

And I don't know why I drown my mind,
it got the best of me

そいつはハリケーンのように僕を襲う。
そいつは津波のように僕に襲い掛かる。

どうして心が溺れてしまうのか分からなくて、
そして僕はぶちのめされるんだ。

It's coming down
そいつはもうすぐ来る。

Believe me that the storm is coming down
嵐がやって来る事を信じてくれよ。

Lately, I don't give a fuck
最近は何も感じなくなって来た。

Cuz I can't be myself when I'm with anyone
誰かといると、自分自身で居られないんだ。

Maybe, I'm already gone
多分、僕はもう居なくなったんだろうな。

*注釈

*1
get the best of me~はスラングに近く、
何かを打ちのめす意味で使われています。

総じて楽曲のコアはハリケーンですが、それは苦難だったりきっかけだったり、その人にとっての分岐点であるかと思います。
そしてYouは記憶の中の特定の誰かに限定される訳ではなく、アルバムのTraumaのコンセプトのように、これを聴いているあなたなのです。


おわりに

今回はHurricaneの紹介でした。
今では僕が本当に大好きなバンドですが、知った当初はただカッコイイな...という感想でした。Spotifyは2年ぐらいTOP3の再生曲でしたね。

その後に来歴やTrauma制作の背景、
シーンでの躍進を追って見ていくと彼らの分岐点になる重要な楽曲になっていきます。
Lyricの意味もさらに深みを帯びてきますね。

NEXでは中盤に披露していましたが、
それはそれは号泣でしたよ...

(この人何回NEX擦るんだよって感じですが、
僕の人生での最高到達点の体験なんですよ。)

苦難を乗り越えた先の彼らも見届けたいです。
新譜もカッコよすぎて毎日聴いてます。

他の楽曲解説も挙げていきますね。
それではまた👋

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